しばらく放心状態だった。16日の秋華賞。混戦のゴール前を、力強く抜け出したスタニングローズの姿に、そんな状態に陥った競馬ファンは多かったはずだが、記者もその1人だった。同馬がフラワーCを勝った時に、今春で終了した紙面コラム「競馬のミカタ」でも紹介した、「バラ一族」初のクラシック制覇への思いが結実し、熱い思いをたぎらせていた遠き日が思い起こされた。 「バラ一族」とは、同馬の4代母ローザネイから広がる牝系で、馬名に「バラ」がつくことで知られ、競馬ファンにはおなじみ。一族からは、重賞勝ち馬がずらりと並び、重賞5勝のロサード、ローズバド、一族初のG1勝利を手にしたローズキングダム(09年朝日杯FS、10年ジ…