目下2年連続で牝馬が頂点に立っている暮れのグランプリ。当連載では過去に有馬を制した牝馬にスポットを当てた。第3回は08年のダイワスカーレットを振り返る。 ◇ ◇ 実に37年ぶり。有馬記念における牝馬敗北の歴史を打ち破ったのは2008年、安藤勝が騎乗したダイワスカーレットだった。 牝馬隆盛の近年とは違い、圧倒的に牡馬が優勢だった時代。「牡馬、牝馬の差が縮まったとは思っていなかった。スカーレットだからできたこと」。レース後の安藤勝のこの言葉が、当時の牡・牝のパワーバランスを明確に物語っていた。 3歳で挑んだ前年は、マツリダゴッホの2着。ただ、馬場の悪化を計算して外に持ち出したところを…