京都競馬場は今年、開設100周年の節目を迎えた。100年前の1925(大正14)年の12月1日、現在の場所に竣工し、同5日から4日間の秋季開催が行われた。『日本近代競馬総合年表』に、開催最終日の同13日に関してこう記されている。 <秋季最終日、第10競馬各内国産馬優勝競走で、1着のレンド号失格、騒擾事件おこる> 騒ぎの内容は書かれていないが、観客が物を壊すなり、主催者や関係者を襲おうとしたのか。開設4日目の馬見所(スタンド)は、新築特有の木材のいい匂いがしていたはずだ。普通なら安らぐところで暴れたのだから、よほど腹が立ったのだろう。 その2年前、競馬法が制定され、馬券の発売が正式に認められたばかりだった。当時の観客…