東京競馬場からの帰りによく寄った、府中の駅ビルの「啓文堂書店府中本店」が、本稿がアップされる9月25日、「紀伊國屋書店府中店」としてリスタートする。京王線沿線を中心に店舗を持つ啓文堂書店が、紀伊國屋書店グループの一員になったことによる切り替えである。最近の書店のニュースというと閉店ばかりなので、それより遥かにいいニュースではあるが、「啓文堂」としての思い出を持つ身としては、やはり寂しい。 啓文堂書店府中本店には競馬関係の本が結構置かれていた。自著が平積みされているか、それとも棚差しなのか、立ち読みしている人がいるかなどを見るために何度も足を運んだ。そのとき、直木賞作家の浅田次郎さんにバッタリ…