「騎手とスマホ」は、2024年の競馬界を語る上で不可欠なアイテムとなってしまった。事態の発端と言える昨年5月に発覚した若手騎手6人によるスマートフォンの不適切使用以来、JRAは様々な再発防止策を打ち出してきたが、同様の問題は後を絶たず、24年だけで7人の処分者が出て、うち2人はムチを置く異常事態に発展した。本来は競馬の公正を守るためのスマホ規制が、「競馬が公正に施行されているか」という本質的な問題と別個の問題領域として立ち上がってしまった感がある。こじれにこじれた問題を改めて整理してみたい。 稚拙な偽装で9カ月騎乗停止 発覚時点で見ると、問題は下半期に集中している。7月10日に水沼元輝騎手(22、美浦・加藤和…