預託先探しが思いのほか難航していたトウショウシロッコに「警視庁騎馬隊」という道が突如示された。上坂さんがトウショウシロッコの預託の相談した養老牧場のローリングエッグスクラブには、当時警視庁騎馬隊を除隊したテンジンショウグン(日経賞優勝馬)が余生を過ごしていた。ライターとして活動していた上坂さんは、その様子を取材して競馬週刊誌に記事を書いた。その縁がシロッコのセカンドキャリアへと繫がろうとしていた。 重賞タイトルに一歩届かなかったシロッコ。上坂さんにとってシロッコは既に我が子同然だった。 「栄誉ある称号を与えてあげたい、箔をつけてあげたいという母心もあって、警視庁騎馬隊入隊を目指すこと…