私はよく、テレビのニュースをつけっぱなしにして新聞を読む。どちらもフルに頭に入ってくることはなく、新聞に向けられる注意力が8、テレビに向けられるそれが2という感じになるのだが、ときどき、新聞で読んでいるのと同じニュースがテレビで流れることがある。 最も近い過去で重なったのは、洋上風力発電事業をめぐる汚職事件の初公判のニュースだ。元衆議院議員の秋本真利被告が、洋上風力発電事業への参入を目指していた風力発電会社「日本風力開発」の元社長、塚脇正幸被告から国会で同社に有利になる質問をするよう依頼され、見返りに計7200万円余りの賄賂を受け取ったとして、受託収賄罪などに問われた事件である。秋本被告は議員時…