先週の金曜日(9月20日)、直木賞作家・馳星周さんの初めての競馬小説『黄金旅程』の文庫版が集英社から発売された。巻末に掲載されている解説を私が執筆した。集英社文庫の場合、キンドルなどの電子版に解説は掲載されないので、拙文を読むには、紙の本を手にしてもらうしかない。 若いころの私は瞬発力が武器で、原稿用紙10枚ほどなら(テーマにもよるが)1、2時間で仕上げ、それを入稿する前に読み返すことはほとんどなかった。 ところが、キャリアを重ねるうちに、〆切のかなり前から書きはじめ、少し寝かせてから推敲する作業を繰り返すようになった。 おかげで、総じてクオリティーが高くなり、なおかつバラつきがなくなったのだが…