栗東での取材を終え、京都から東京に向かう新幹線でこの稿を書いている。 今週からトレセンは夏時間で、朝5時から馬場入りが始まる。調教を見て、関係者に取材し、「よし終わった」と時計を見ると、まだ8時とか9時ということもあって愕然としてしまう。世の中が動き出したときにはもう仕事が終わっているのだ。この季節は北海道や小倉に行きっぱなしの人馬も多く、ほかの季節よりトレセンが静かなこともあり、時間の流れの違う別世界に迷い込んだかのような妙な感覚に襲われる。 このまま本当に別世界の住人になり、現世で忙しくしている人たちをボーッと眺めているだけで暮らしていけるならそうしてもいいが、1週間もしないうちに飽きる…