もっと一緒に過ごしたかった 別れは突然だった。前日まで飼い葉をぺろりと平らげ、おやつの人参と黒砂糖を美味しそうに食べた。そして乾草を口にしている姿を確認して、厩舎を後にした。それが2022年8月16日の午後10時頃だった。明けて8月17日。朝はまたやってきたが、タイキシャトルには新しい朝は巡ってはこなかった。シャトルの亡骸を前に、私は悲しみよりも絶望感にとらわれていた。もっと一緒に過ごしたかった。もっと仲良くしたかった。前日あんなに元気だったのに、なぜ? というのが頭の中を巡っていた。それでもともに過ごした1年2か月は、濃密だったと感じてもいた。 相方の川越靖幸とともに引退馬が余生を過ごす牧場を始めるた…