福永騎手の涙は彼の感激だけでなく… 無敗の3冠馬に輝いたあと連敗し、必勝態勢だった前走の天皇賞(秋)で3連敗となったコントレイル(父ディープインパクト)は、種牡馬入りを前に、絶対に負けられない一戦だった。456キロの馬体は、2歳の秋と同じ。細く映るくらい研ぎ澄まされた究極の最少馬体重タイだった。 今回を含めまだ11戦の戦歴。デビュー前から順調に成長した丈夫な馬ではなく、2歳時の3戦はともかく、3冠を達成した3歳時は5戦、早々と引退を決定した4歳の今年はわずか3戦だけ。狙いのレース以外は出走しない(無理はできない)馬だった。 男泣きした福永祐一騎手が「本当は3000mの菊花賞を走れる馬じゃない」。だから、「無敗の3…