「騎手もドライバーも、オリンピックの陸上の100m競走とかに比べると、まだ可能性があるよね。自分の力の延長線上のものを操るスポーツだからさ」 日本人初のフルタイムF1ドライバーとして活躍した中嶋悟さんが、1993年春に行われた武豊騎手との対談でそう言った。 先週、マルシュロレーヌがアメリカのデルマー競馬場で行われたブリーダーズカップディスタフ(ダート1800m、3歳以上牝馬G1)を制したとき、私は冒頭に記した中嶋さんの言葉を思い出した。 F1で表彰台の中央に立った日本人ドライバーも、五輪の陸上100mで表彰台に立った日本人選手もまだいない。 日本人が頂点に立つのは、F1と五輪陸上100mのどちらが先になるだろうか。 …