2015年2月の新馬戦(1着)から31戦目のチャレンジC(2018年・GIII・7着)まで、1度も他馬にハナを譲ったことのない個性派逃げ馬マルターズアポジー。近走はハナを切れなかったりと不本意な競馬が続いていたが、ラストランとなった中山記念(GII・6着)では久々にこの馬らしい逃走劇が見られた。40戦のうち22戦に騎乗し、重賞3勝すべての手綱を取った武士沢友治騎手に、相棒マルターズアポジーについてじっくり語ってもらった。 (取材・文=佐々木祥恵) 怖がりな性格と爆発的な力が生んだ“アポジーの逃げ” ――マルターズアポジーの最初の印象はどうでしたか? 武士沢 大人しいはずだったんですよ(笑)。でも急にテンションが上がって制御がきかな…