“粘り強さと諦めない心”引退馬協会の信念に後押しされて 競走馬は引退したらどうなるのか。ヨーロッパ遠征を前に日経新春杯で骨折したテンポイントのニュースがきっかけとなって、あっという間に競馬にのめり込んだ小学校5年当時は、考えもしなかった疑問が、ある時ふと頭をもたげた。 おびただしい数の競走馬が全国で走っている。種牡馬や繁殖牝馬となれるのは、ごく一部。それ以外の馬たちが、寿命を全うできる場所はないということに気づくのに時間はかからなかった。それに気づいた時は、何とも言えない虚しさに襲われた。それでもなぜか馬から離れられず、競馬ファンを辞められなかった。馬たちの命の多くが闇へと葬られていく現実…