よくわきまえた人の態度という件(くだり)が徒然草にある。立派な人は、知っていることだからといって、物知り顔をして言うだろうか。よく心得ている道には、必ず口を重くし、人が尋ねない限りは、自分から言い出したりしない態度こそが立派なのだと、大伴茫人(おおとものぼうじん)氏の語釈はわかりやすい。 問われもし…