netkeiba

HOKKAIDO KEIBA 2024

RACE

北海道スプリントカップ

JpnIII

1200m

北海道スプリントカップ

レースガイド

スピードの向こうに新時代の扉 夏の3歳短距離王決定戦

前身は96年まで開催されていたホッカイドウ競馬の古馬による短距離重賞競走「金杯」。97年、地方・中央全国交流競走として、札幌競馬場・ダート1,000mの条件で第1回が行われた。その後ホッカイドウ競馬の初夏を彩る短距離戦として、09年まで同距離で行われ、10年の第14回より1,200mに施行条件が変更されている。「全日本的なダート競走の体系整備」による2・3歳ダート短距離路線の整備の一環として、今年度からは出走可能な馬齢が“3歳以上”→“3歳”、実施時期も“6月上旬”から“8月中旬”に移動。旬の3歳馬が作り出す、新たな時代の短距離王座決定戦に注目したい。

前年ハイライト

スタート直後からジャスティン・スペシャルエックス・ダンシングプリンスの3頭が先行争いを繰り広げ、併走したまま3コーナーへ。4コーナーでスペシャルエックスがやや後退し、いち早くポジションを押し上げたケイアイドリーがジャスティンとダンシングプリンスに並びかけました。ゴール前の直線に入るとケイアイドリーが抜け出し、単独先頭に。中団から伸びてきたアイオライトらに対してもセーフティリードを保ったまま入線し、6歳にして自身初のダートグレード競走制覇を果たしています。

データ分析

本稿の集計対象とした過去5年の北海道スプリントカップは、施行時期が5月下旬から6月上旬、出走条件が3歳以上だったのでご注意ください。ちなみに、所属別成績を見ると、JRAの馬は[4-5-3-8](3着内率60.0%)、ホッカイドウ競馬の馬は[1-1-1-36](3着内率7.7%)、地方他地区の馬は[0-0-0-5](3着内率0.0%)でした。3歳限定の競走となった今後も、まずはJRA所属馬に注目するべきでしょう。

上位人気グループの馬は堅実

過去5年の単勝人気順別成績を見ると、1番人気の馬は[1-3-1-0](3着内率100.0%)、2番人気から4番人気の馬は[3-2-3-7](3着内率53.3%)、5番人気から8番人気の馬は[1-1-0-18](3着内率10.0%)、9番人気以下の馬は[0-0-0-24](3着内率0.0%)となっています。堅く収まりがちなレースと見ておいた方が良いかもしれません。

表1単勝人気順別成績(過去5年)
1着 2着 3着 4着以下 総数 勝率 連対率 3着内率
1番人気 1 3 1 0 5 20.0% 80.0% 100.0%
2番人気 1 1 1 2 5 20.0% 40.0% 60.0%
3番人気 2 1 0 2 5 40.0% 60.0% 60.0%
4番人気 0 0 2 3 5 0.0% 0.0% 40.0%
5番人気 0 0 0 5 5 0.0% 0.0% 0.0%
6番人気 1 0 0 4 5 20.0% 20.0% 20.0%
7番人気 0 0 0 5 5 0.0% 0.0% 0.0%
8番人気 0 1 0 4 5 0.0% 20.0% 20.0%
9番人気 0 0 0 5 5 0.0% 0.0% 0.0%
10番人気 0 0 0 5 5 0.0% 0.0% 0.0%
11番人気 0 0 0 3 3 0.0% 0.0% 0.0%
12番人気 0 0 0 3 3 0.0% 0.0% 0.0%
13番人気 0 0 0 3 3 0.0% 0.0% 0.0%
14番人気 0 0 0 3 3 0.0% 0.0% 0.0%
15番人気 0 0 0 1 1 0.0% 0.0% 0.0%
16番人気 0 0 0 1 1 0.0% 0.0% 0.0%
落合玄太騎手が好成績をマーク

過去5年の騎手別成績を見ると、3着以内となった回数が3回以上の現役ジョッキーは、落合玄太騎手のみとなっています。2020年にはメイショウアイアンを、2022年にはダンシングプリンスを優勝へ導いていますし、このレースと相性が良いジョッキーと言えそうです。

表2騎手別成績(過去5年)
1着 2着 3着 4着以下 総数 勝率 連対率 3着内率
落合玄太 2 1 0 2 5 40.0% 60.0% 60.0%
岩田康誠 1 0 0 0 1 100.0% 100.0% 100.0%
北村宏司 1 0 0 0 1 100.0% 100.0% 100.0%
柴田善臣 0 1 1 0 2 0.0% 50.0% 100.0%
岩田望来 0 1 0 0 1 0.0% 100.0% 100.0%
酒井学 0 1 0 0 1 0.0% 100.0% 100.0%
武豊 0 1 0 1 2 0.0% 50.0% 50.0%
阿部龍 0 0 1 4 5 0.0% 0.0% 20.0%
桑村真明 0 0 1 4 5 0.0% 0.0% 20.0%
松山弘平 0 0 1 1 2 0.0% 0.0% 50.0%
その他の騎手 1 1 0 37 39 2.6% 5.1% 5.1%
前走好走馬が優勢

過去5年の前走着順別成績を見ると、2着以内の馬は[3-4-4-16](3着内率40.7%)、3着から5着の馬は[2-2-0-18](3着内率18.2%)、6着以下の馬は[0-0-0-15](3着内率0.0%)となっています。施行条件が大きく変わったとはいえ、大敗直後の馬は評価を下げるべきでしょう。

表3前走着順別成績(過去5年)
1着 2着 3着 4着以下 総数 勝率 連対率 3着内率
1着 1 3 3 9 16 6.3% 25.0% 43.8%
2着 2 1 1 7 11 18.2% 27.3% 36.4%
3着 1 1 0 7 9 11.1% 22.2% 22.2%
4着 0 1 0 7 8 0.0% 12.5% 12.5%
5着 1 0 0 4 5 20.0% 20.0% 20.0%
6着 0 0 0 6 6 0.0% 0.0% 0.0%
7着 0 0 0 2 2 0.0% 0.0% 0.0%
8着 0 0 0 2 2 0.0% 0.0% 0.0%
9着 0 0 0 2 2 0.0% 0.0% 0.0%
10着 0 0 0 1 1 0.0% 0.0% 0.0%
11着 0 0 0 1 1 0.0% 0.0% 0.0%
12着 0 0 0 1 1 0.0% 0.0% 0.0%
前走が少頭数のレースだった馬は不振

過去5年の前走出走頭数別成績を見ると、9頭以下の馬は[0-0-0-13](3着内率0.0%)、11頭から12頭の馬は[3-1-1-27](3着内率15.6%)、13頭以上の馬は[2-5-3-9](3着内率52.6%)となっています。これまでと同様の傾向が続くとするならば、少頭数のレースを経由してきた馬は強調できません。

表4前走出走頭数別成績(過去5年)
1着 2着 3着 4着以下 総数 勝率 連対率 3着内率
6頭 0 0 0 1 1 0.0% 0.0% 0.0%
8頭 0 0 0 3 3 0.0% 0.0% 0.0%
9頭 0 0 0 9 9 0.0% 0.0% 0.0%
11頭 2 0 1 23 26 7.7% 7.7% 11.5%
12頭 1 1 0 4 6 16.7% 33.3% 33.3%
13頭 1 1 1 2 5 20.0% 40.0% 60.0%
14頭 0 0 1 1 2 0.0% 0.0% 50.0%
15頭 1 2 1 2 6 16.7% 50.0% 66.7%
16頭 0 2 0 4 6 0.0% 33.3% 33.3%

(伊吹 雅也)

有力馬情報

エートラックス(牡3・宮本博厩舎)

(撮影:稲葉訓也)

 現役時代に13年米G1・BCジュベナイルを制したニューイヤーズデイの初年度産駒。デビュー時は芝で2戦し未勝利に終わったが、昨年12月、ダート転向3戦目の未勝利戦(阪神競馬場、ダート1,400m)で初勝利を挙げると開花。1勝クラス・オープンを連勝して臨んだJpnII・兵庫チャンピオンシップ(4月29日、園田競馬場)では、鮮やかに逃げ切ってタイトル獲得を果たした。およそ3カ月半のブランクと、初めての1,200mを克服し、重賞連覇を果たせるかが大きな焦点となりそうだ。


ストリーム(牡3・田中淳司厩舎)



 21年生まれ世代最初の重賞・栄冠賞を差し切ると、今年初戦のネクストスター北日本(4月18日)では勝負どころから先頭に並びかけて重賞2勝目を挙げた。前走の星雲賞(7月11日)では気難しい面を出したのか道中で一旦は後退し、トラジロウの後塵を拝する結果となったが、2着のピコイチとはアタマ+クビ差まで追い上げて能力を示した。昨年のJpnII・兵庫ジュニアグランプリ(園田競馬場)でも中団から追い上げ、3着・ゼルトザームからクビ差。2度目のダートグレード競走挑戦で、さらに上を目指す。


チカッパ(牡3・中竹和也厩舎)

(撮影:高橋正和)

 昨年10月、デビュー5戦目の未勝利戦(新潟競馬場。ダート1,200m)で初勝利を挙げると徐々に成長し、オープンの昇竜S(3月10日、中京競馬場)を勝利。続く兵庫チャンピオンシップでは、勝負どころでエートラックスを目標に追い上げて2着に食い込んだ。今回はデビュー以来2、1、1着と抜群の安定感を誇る1,200mに距離が短縮され、さらに前進が見込めそうだ。新たにパートナーに迎えるのは武豊騎手。2006から08年に当レース3連覇を果たした「競馬界のレジェンド」が、真夏の門別をさらに盛り上げる。


ティントレット(牡3・荒山勝徳厩舎)



 2歳の5月に門別競馬場でデビューし、1,700mのフレッシュチャレンジを勝利。当地では5戦を消化し、JpnIII・JBC2歳優駿へ駒を進めた(10着)。その後大井競馬へ移籍した後も中距離路線を歩み、JpnII・京浜盃(3月20日、大井競馬場)5着などの成績を残したが、短距離路線へ矛先を変えた前走の優駿スプリント(7月10日、大井競馬場)では、初の1,200mとは思えぬ行きっぷりを見せ、重賞3勝馬ギガース以下を退けて重賞初制覇を飾った。移籍先で進化を遂げた素質馬が、デビュー地で錦を飾れるか注目だ。


トラジロウ(牡3・角川秀樹厩舎)



 昨シーズンはデビュー2戦目から5連勝でイノセントC・ネクストスター門別を連勝し、2歳短距離界の頂点に立った。今年初戦に選んだネクストスター北日本は、久々で状態面が整いきらなかったせいもあってか8着に敗れたが、続くAIRDO公式FB特別(5月23日)を逃げ切ると、前哨戦の星雲賞では、2番手追走から逃げた僚馬・ライトヴェールをゴール前で差し切り4馬身差快勝と復調がうかがえる。門別の地で大活躍中の父・ダノンレジェンドはストリームと同じ。16年に当レースを制覇した父との“親仔制覇”がかかる。


※五十音順

※出走馬は8月8日現在の情報を基にしております。

ご注意:当ページの情報は、特定の馬の応援や勝馬の示唆をするものではありません。