RACE
サッポロクラシックカップ
H3
1200m
レースガイド
“ONLY北海道”の素質が激突 夏の爽快な走りに酔いしれよ
競走名はサッポロビール株式会社が北海道限定で発売するビールの商品名に由来。2009年、全国の地方競馬で2歳の主要競走を重点的に開催する「未来優駿」の対象競走として、門別競馬場・ダート1,200mの条件で創設。14年にはH2格の重賞に格上げされ、第1回に定められた。20年の第7回から3年間は、JBC2歳優駿へのステップ戦として1,700mに設定されていたが、23年の第10回よりH3格に格下げ、距離も創設当初の1,200mに戻されている。ネクストスター門別を頂点とする2歳短距離路線のひとつとしてスピード自慢の若駒が集結するほか、今年はJRA札幌競馬場の2歳オープン競走・シンガポールターフクラブ賞の推薦順を決定する競走としても位置付けられている。
★「シンガポールターフクラブ賞」(9月1日、札幌競馬場)推薦馬選定競走
★1着馬の馬主に「アドマイヤマーズ」の2025年種付権利を付与【スタリオンシリーズ競走】
前年ハイライト
レースの序盤は、スタートダッシュを決めたオスカーブレインがスムーズにハナを奪い、コスモタラゴンらがこれを追う展開に。3コーナーでオスカーブレインが後続との差を広げたものの、4コーナーで大きく外にヨレてしまい、体勢を立て直しながらゴール前の直線に入りました。馬群から離れたところで再び加速したオスカーブレインは、後続をもう一度突き放し、独走態勢に。結局、後方から伸びて2着となったジャティルウィに4馬身の差をつけて入線し、自身初の重賞制覇を果たしています。
データ分析
10月下旬に門別ダ1200mで施行された2019年、8月下旬から9月上旬に門別ダ1700mで施行されていた2020年・2021年・2022年、そして7月下旬に門別ダ1200mで施行された2023年のサッポロクラシックカップは、真ん中よりの枠に入った馬が優勢。過去5年の枠番別成績を見ると、1枠から3枠の馬は[1-1-2-11](3着内率26.7%)、4枠から5枠の馬は[4-2-2-3](3着内率72.7%)、6枠から8枠の馬は[0-2-1-16](3着内率15.8%)です。施行時期や施行コースが異なる時期を含めた傾向とはいえ、同様の決着を一応警戒しておいた方が良いかもしれません。
堅く収まりがちなレースだったが……
過去5年の単勝人気順別成績を見ると、1番人気の馬は[2-1-2-0](3着内率100.0%)、2番人気から3番人気の馬は[2-1-3-4](3着内率60.0%)、4番人気以下の馬は[1-3-0-26](3着内率13.3%)となっています。ただし、2023年は単勝10番人気のオスカーブレインが1着、単勝8番人気のジャティルウィが2着となったこともあり、3連単26万6730円の高額配当が飛び出しました。今後は前評判が低い馬にも注目しておくべきでしょう。
1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 総数 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1番人気 | 2 | 1 | 2 | 0 | 5 | 40.0% | 60.0% | 100.0% |
2番人気 | 2 | 0 | 1 | 2 | 5 | 40.0% | 40.0% | 60.0% |
3番人気 | 0 | 1 | 2 | 2 | 5 | 0.0% | 20.0% | 60.0% |
4番人気 | 0 | 1 | 0 | 4 | 5 | 0.0% | 20.0% | 20.0% |
5番人気 | 0 | 1 | 0 | 4 | 5 | 0.0% | 20.0% | 20.0% |
6番人気 | 0 | 0 | 0 | 5 | 5 | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
7番人気 | 0 | 0 | 0 | 5 | 5 | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
8番人気 | 0 | 1 | 0 | 3 | 4 | 0.0% | 25.0% | 25.0% |
9番人気 | 0 | 0 | 0 | 3 | 3 | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
10番人気 | 1 | 0 | 0 | 0 | 1 | 100.0% | 100.0% | 100.0% |
11番人気 | 0 | 0 | 0 | 1 | 1 | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
12番人気 | 0 | 0 | 0 | 1 | 1 | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
相性が良いトレーナーは角川秀樹調教師
過去5年の調教師別成績を見ると、3着以内となった回数が3回以上の現役トレーナーは、角川秀樹調教師のみとなっています。2023年のサッポロクラシックカップを制したオスカーブレインも角川秀樹調教師の管理馬でしたし、引き続きマークしておきたいところです。
1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 総数 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
角川秀樹 | 2 | 2 | 3 | 4 | 11 | 18.2% | 36.4% | 63.6% |
松本隆宏 | 1 | 0 | 0 | 1 | 2 | 50.0% | 50.0% | 50.0% |
川島雅人 | 1 | 0 | 0 | 0 | 1 | 100.0% | 100.0% | 100.0% |
田中淳司 | 0 | 1 | 1 | 8 | 10 | 0.0% | 10.0% | 20.0% |
田中正二 | 0 | 1 | 1 | 0 | 2 | 0.0% | 50.0% | 100.0% |
桧森邦夫 | 0 | 1 | 0 | 2 | 3 | 0.0% | 33.3% | 33.3% |
その他の調教師 | 1 | 0 | 0 | 15 | 16 | 6.3% | 6.3% | 6.3% |
前走好走馬はそれなりに信頼できる
過去5年の前走着順別成績を見ると、3着以内の馬は[3-4-4-10](3着内率52.4%)、4着以下の馬は[2-1-1-19](3着内率17.4%)、中止の馬は[0-0-0-1](3着内率0.0%)となっています。なお、門別ダ1200mで施行された年(2019年・2023年)に限ると、2着以内の馬は[1-1-1-3](3着内率50.0%)、3着以下の馬は[1-1-1-11](3着内率21.4%)でした。大敗直後の馬が上位に食い込んだ例もあるとはいえ、前走好走馬の好走率が低いわけではありません。
1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 総数 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1着 | 3 | 0 | 3 | 5 | 11 | 27.3% | 27.3% | 54.5% |
2着 | 0 | 2 | 1 | 3 | 6 | 0.0% | 33.3% | 50.0% |
3着 | 0 | 2 | 0 | 2 | 4 | 0.0% | 50.0% | 50.0% |
4着 | 0 | 0 | 0 | 4 | 4 | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
5着 | 0 | 0 | 0 | 8 | 8 | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
6着 | 1 | 1 | 1 | 2 | 5 | 20.0% | 40.0% | 60.0% |
7着 | 0 | 0 | 0 | 2 | 2 | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
8着 | 1 | 0 | 0 | 1 | 2 | 50.0% | 50.0% | 50.0% |
10着 | 0 | 0 | 0 | 1 | 1 | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
11着 | 0 | 0 | 0 | 1 | 1 | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
中止 | 0 | 0 | 0 | 1 | 1 | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
前走で先行していた馬は比較的堅実
過去5年の前走最終コーナー通過順別成績を見ると、2番手以内の馬は[3-3-4-4](3着内率71.4%)、3番手から8番手の馬は[2-2-1-24](3着内率17.2%)、9番手以下の馬は[0-0-0-2](3着内率0.0%)となっています。なお、門別ダ1200mで施行された年(2019年・2023年)に限ると、3番手以内の馬は[2-2-2-3](3着内率66.7%)、4番手以下の馬は[0-0-0-11](3着内率0.0%)です。直近のパフォーマンスを比較する際は、前走で先行していた馬を高く評価するべきでしょう。
1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 総数 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1番手 | 3 | 2 | 3 | 4 | 12 | 25.0% | 41.7% | 66.7% |
2番手 | 0 | 1 | 1 | 0 | 2 | 0.0% | 50.0% | 100.0% |
3番手 | 1 | 0 | 1 | 6 | 8 | 12.5% | 12.5% | 25.0% |
4番手 | 0 | 0 | 0 | 7 | 7 | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
5番手 | 0 | 0 | 0 | 1 | 1 | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
6番手 | 1 | 1 | 0 | 4 | 6 | 16.7% | 33.3% | 33.3% |
7番手 | 0 | 0 | 0 | 3 | 3 | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
8番手 | 0 | 1 | 0 | 3 | 4 | 0.0% | 25.0% | 25.0% |
9番手 | 0 | 0 | 0 | 1 | 1 | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
10番手 | 0 | 0 | 0 | 1 | 1 | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
(伊吹 雅也)
有力馬情報
- ☆イイデマイヒメ(牝2・村上正和厩舎)
- 母系をさかのぼれば、サクラバクシンオーやアンバーシャダイ、イブキマイカグラなど、複数のGI馬を輩出したクリアアンバーの牝系にあたる。1,100mのフレッシュチャレンジ(7月17日)では2番手から勝負どころで抜け出して2着馬に3馬身差をつけるという、センスのある勝ちっぷりを披露した。走破時計の1分07秒9も、今年のフレッシュチャレンジでは五指に入る優秀な数字。キャリアの差を素質の高さで埋め、同競走では達成のない「デビュー2戦目での勝利」となるか注目したい。
- ☆サウンドバッハ(牡2・川島洋人厩舎)
- 3月21日、内走路で行われた能力検査では豪快なフットワークを示し、2着馬に1秒6の差をつけた。6月5日の1,100mで行われたフレッシュチャレンジでは今年度で最も速い1分07秒1の走破時計で9馬身差をつけ、その素質を初戦からアピールした。前走のJRA認定ターフチャレンジ1(7月9日)は初めての1,700mが影響してか、僚馬リコースパローとの競り合いを2着に敗れたが、3着馬には5馬身差。金沢競馬の名手・吉原寛人騎手を背に、重賞制覇となるか期待だ。
- ☆ジュゲムーン(牡2・角川秀樹厩舎)
- デビューから2戦は2着が続いたが、3戦目、1,000mで行われたアタックチャレンジ(6月18日)では、2着馬に5馬身差をつけて初勝利。ここ2走はルビー特別(7月3日)、JRA認定ターフチャレンジ2(7月24日)と1,200mにも対応しオープンで連勝している。1歳上の半姉ジュデシャンスも昨年、同じ角川秀樹厩舎で活躍し、2歳牝馬重賞・フルールカップで2着。姉に勝るとも劣らない素質の持ち主は本格化がうかがえ、勢いそのままに重賞の舞台でも速力をアピールするか。
- ☆ナンパセン(牡2・田中淳司厩舎)
- 4代母はダイナカールで、近親にはエアグルーヴなどがいる血統の持ち主。今シーズン初めて1,200mで行われたフレッシュチャレンジ(6月5日)では、抜群の発馬から終始後続を寄せ付けずに逃げ切った。続くパール特別(6月26日)は逃げて6着と失速したものの、1,200mに距離を戻した強心臓キクチで特別(7月18日)では、単勝オッズ7番人気の評価を覆し巻き返しを果たした。その前走では差す形にも対応。1,200mでは2戦2勝という距離適性の持ち主が、重賞の舞台で成長をアピールする。
- ☆ベラジオドリーム(牡2・田中正二厩舎)
- 1,000mで行われたフレッシュチャレンジ(5月30日)では、好スタートから4馬身差をつけて逃げ切った。続くウィナーズチャレンジ2(6月25日)では、5頭立ての少頭数とはいえ、最内枠で道中窮屈な展開になりながら、のちにリリーCを逃げ切った快速牝馬リオンダリーナから2馬身差の2着と善戦を果たしたのだから、負けてなお強しと言ってよいだろう。現役時にGI/JpnI競走を5勝した新種牡馬・ゴールドドリームに、産駒として初の重賞タイトルをプレゼントできるか。※五十音順
※出走馬は8月1日時点での情報を基にしております。
ご注意:当ページの情報は、特定の馬の応援や勝馬の示唆をするものではありません。