RACE
王冠賞
H2
1800m
3歳三冠
レースガイド
“世代最強”の冠を目指して 3歳王道路線の締めくくり
1980年、岩見沢競馬場・ダート1,900mの条件で第1回が行われる。しばらくはホッカイドウ競馬3歳三冠競走の第二関門として定着してきたが、北海優駿が地方競馬各主催者による「ダービーWeek」に指定されたのを機に、07年の第28回より三冠最終戦に位置づけられた。07から14年には2,000メートル以上の長距離戦として施行され、15年から現在の1,800mに施行距離が変更されている。3歳クラシック路線の掉尾を飾る1戦、世代最強の名の称号を得るのはどの馬か注目したい。
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前年ハイライト
レースの序盤は、押してハナに立ったディーエスエールを、ベルピット・ニシケンボブが追う展開に。ディーエスエールが後続の2頭をやや引き離して3コーナーに入ったものの、4コーナーでベルピットが先頭を奪い、遅れてニシケンボブが2番手に浮上しました。ベルピットとニシケンボブの差はゴール前の直線に入っても詰まらず、結局そのままベルピットが5馬身先着。ホッカイドウ競馬史上7頭目となる3歳馬三冠を達成しています。
データ分析
臨戦過程が明暗を分けそう。過去5年の前走レース別成績を見ると、北海優駿の馬は[5-2-4-4](3着内率73.3%)、その他のレースの馬は[0-3-1-37](3着内率9.8%)です。ホッカイドウ競馬3歳馬三冠競走の2戦目にあたる北海優駿から直行してきた馬は、上位に食い込む可能性がかなり高いと見るべきでしょう。
上位人気馬が非常に堅実
過去5年の単勝人気順別成績を見ると、1番人気の馬は[3-2-0-0](3着内率100.0%)、2番人気から4番人気の馬は[2-3-3-7](3着内率53.3%)、5番人気から10番人気の馬は[0-0-2-26](3着内率7.1%)、11番人気以下の馬は[0-0-0-8](3着内率0.0%)となっています。前評判の低い馬は基本的に強調できません。
1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 総数 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1番人気 | 3 | 2 | 0 | 0 | 5 | 60.0% | 100.0% | 100.0% |
2番人気 | 0 | 1 | 2 | 2 | 5 | 0.0% | 20.0% | 60.0% |
3番人気 | 1 | 1 | 0 | 3 | 5 | 20.0% | 40.0% | 40.0% |
4番人気 | 1 | 1 | 1 | 2 | 5 | 20.0% | 40.0% | 60.0% |
5番人気 | 0 | 0 | 1 | 4 | 5 | 0.0% | 0.0% | 20.0% |
6番人気 | 0 | 0 | 0 | 5 | 5 | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
7番人気 | 0 | 0 | 0 | 5 | 5 | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
8番人気 | 0 | 0 | 0 | 5 | 5 | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
9番人気 | 0 | 0 | 0 | 4 | 4 | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
10番人気 | 0 | 0 | 1 | 3 | 4 | 0.0% | 0.0% | 25.0% |
11番人気 | 0 | 0 | 0 | 3 | 3 | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
12番人気 | 0 | 0 | 0 | 3 | 3 | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
13番人気 | 0 | 0 | 0 | 1 | 1 | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
14番人気 | 0 | 0 | 0 | 1 | 1 | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
角川秀樹調教師の管理馬に注目
過去5年の調教師別成績を見ると、3着以内となった回数が3回以上の現役トレーナーは、角川秀樹調教師のみとなっています。なお、2018年以前を含む現役トレーナーの通算勝利数を見ても、6勝の角川秀樹調教師が単独トップでした。今年も管理馬を出走させてきたらしっかりマークしておきたいところです。
1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 総数 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
角川秀樹 | 2 | 1 | 0 | 3 | 6 | 33.3% | 50.0% | 50.0% |
田中淳司 | 1 | 1 | 0 | 3 | 5 | 20.0% | 40.0% | 40.0% |
小国博行 | 0 | 1 | 1 | 1 | 3 | 0.0% | 33.3% | 66.7% |
松本隆宏 | 0 | 1 | 1 | 1 | 3 | 0.0% | 33.3% | 66.7% |
米川昇 | 0 | 1 | 0 | 3 | 4 | 0.0% | 25.0% | 25.0% |
その他の調教師 | 2 | 0 | 3 | 30 | 35 | 5.7% | 5.7% | 14.3% |
前走好走馬が優勢
過去5年の前走着順別成績を見ると、2着以内の馬は[3-5-3-17](3着内率39.3%)、3着から5着の馬は[2-0-2-13](3着内率23.5%)、6着以下の馬は[0-0-0-11](3着内率0.0%)となっています。大敗直後の馬は評価を下げるべきでしょう。
1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 総数 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1着 | 3 | 3 | 0 | 13 | 19 | 15.8% | 31.6% | 31.6% |
2着 | 0 | 2 | 3 | 4 | 9 | 0.0% | 22.2% | 55.6% |
3着 | 1 | 0 | 1 | 6 | 8 | 12.5% | 12.5% | 25.0% |
4着 | 1 | 0 | 0 | 3 | 4 | 25.0% | 25.0% | 25.0% |
5着 | 0 | 0 | 1 | 4 | 5 | 0.0% | 0.0% | 20.0% |
6着 | 0 | 0 | 0 | 2 | 2 | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
7着 | 0 | 0 | 0 | 4 | 4 | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
9着 | 0 | 0 | 0 | 1 | 1 | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
10着 | 0 | 0 | 0 | 3 | 3 | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
11着 | 0 | 0 | 0 | 1 | 1 | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
脚質をチェックしておきたい
過去5年の前走最終コーナー通過順別成績を見ると、4番手以内の馬は[5-5-5-24](3着内率38.5%)、5番手以下の馬は[0-0-0-17](3着内率0.0%)となっています。前走着順が良い馬であっても、その前走で中団や後方からレースを進めていた馬は、疑ってかかった方が良いかもしれません。
1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 総数 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1番手 | 4 | 2 | 1 | 12 | 19 | 21.1% | 31.6% | 36.8% |
2番手 | 1 | 1 | 0 | 6 | 8 | 12.5% | 25.0% | 25.0% |
3番手 | 0 | 2 | 2 | 4 | 8 | 0.0% | 25.0% | 50.0% |
4番手 | 0 | 0 | 2 | 2 | 4 | 0.0% | 0.0% | 50.0% |
5番手 | 0 | 0 | 0 | 5 | 5 | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
6番手 | 0 | 0 | 0 | 2 | 2 | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
7番手 | 0 | 0 | 0 | 4 | 4 | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
8番手 | 0 | 0 | 0 | 2 | 2 | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
9番手 | 0 | 0 | 0 | 3 | 3 | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
10番手 | 0 | 0 | 0 | 1 | 1 | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
(伊吹 雅也)
有力馬情報
- ☆オオイチョウ(牡3・小国博行厩舎)
- 2歳時からJRA・他地区へも積極的に参戦し、ダイヤモンドC(盛岡競馬場)2着、北海優駿(6月13日)、平和賞(船橋競馬場)でそれぞれ3着に入るなど、世代の重賞戦線でも善戦を続けてきた。前走の七夕オープン(7月4日)は1番人気に支持されながら3着に終わったが、スローペースも影響した様子。馬名の由来“大銀杏”は関取の証と呼ぶべき髪型で、本馬の流星の形にあやかったとのこと。最後の一冠で重賞タイトルの「金星」をつかみ、「最強の1勝馬」返上となるか注目したい。
- ☆キタサンヒコボシ(牡3・五十嵐冬樹厩舎)
- 2歳時にはマイルから1,700mのオープン特別を3連勝し、のちにJpnII・京浜盃(大井競馬場)を制したサントノーレに先着した。今シーズンはネクストスター北日本(4月18日)7着、北斗盃(5月2日)5着と3歳重賞戦線でひと息の競馬が続いたが、その後古馬A級の1,200m戦で2、1着と良績を挙げた。続く七夕オープンは再び距離を延ばしたが、先手を主張するとまんまとマイペースに持ち込み連勝。歴戦の古馬と互角以上に渡り合ってきた経験が糧になっているようで、逆転の可能性も十分だ。
- ☆パッションクライ(牡3・山口竜一厩舎)
- 今シーズンは京浜盃(大井競馬場)8着から始動し、一冠目の北斗盃は3コーナーから先頭に立つものの、ブラックバトラーの強襲に遭い2着。北海優駿ではそれまでにない逃げの戦法を取り、2着以下を寄せ付けない走りで昨年のH1重賞・サンライズカップ以来の白星を飾った。2歳時は成長を考慮しつつ、坂路で軽めの時計でじっくり乗り込む調整に終始したが、今回も前走時同様に本馬場で入念に乗り込まれ、さらなる成長がうかがえる1頭。自在に運べる強みを生かし、真の3歳王者へ邁進する。
- ☆ブラックバトラー(牡3・田中淳司厩舎)
- デビュー2連勝でブリーダーズゴールドジュニアカップを制するなど活躍し、2歳戦線の大一番・JpnIII・JBC2歳優駿では、出遅れのロスがありながら追い上げて3着。オフは南関東のダートグレード競走で経験を積み、北斗盃は内回りコースを克服し重賞2勝目を挙げた。二冠獲得をもくろんだ北海優駿ではパッションクライの逃げ残りを許したが、後方から末脚鋭く追い込みながら1馬身半差まで迫った内容は負けてなお強しといえよう。
- ☆ミソ(牡3・佐久間雅貴厩舎)
- 2歳8月のフレッシュチャレンジ(1,000m)でデビュー勝ちを収めると、2歳オープン戦線でも、ライバルたちと経験値の差があったとはいえ、勝ち馬と小差の走りを続けていた。今年の北斗盃でブラックバトラーから1馬身差の2着に食い込んだように、末脚の堅実ぶりには見るべきところがある。今年3歳三冠“皆勤”となりそうなのはブラックバトラー、パッションクライと本馬の3頭。距離を延ばしつつ好勝負を続けてきた好素材が、三冠の最終関門にもうひと味を加える存在となりそうだ。※五十音順
※出走馬は7月25日現在の情報を基にしております。
ご注意:当ページの情報は、特定の馬の応援や勝馬の示唆をするものではありません。