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HOKKAIDO KEIBA 2024

レースガイド

スピード勝負の締めくくり 古馬短距離王座決定戦

2006年に旭川競馬場・ダート1,000mの条件で第1回が行われる。20年の第15回からは、道営記念と並ぶ古馬の王座決定戦という立ち位置をより明確にするため、格付けをH2からH1に格上げ、1着賞金もそれまでの倍額となる1000万円に増額された。5つある古馬短距離重賞で激闘を繰り広げてきた精鋭たちによる、重賞戦線の総決算から目が離せない。



★『カウントアップS(スプリント)』対象競走


★1着馬の生産牧場に「ビッグアーサー」の2026年種付権利を付与【スタリオンシリーズ】

前年ハイライト

スタート直後の先行争いを制したクーファアチャラがまずハナを切り、スペシャルエックスが2番手のポジションを確保して3コーナーへ。イッツクール・スティールペガサスらが4コーナーでポジションを押し上げたものの、クーファアチャラが先頭、スペシャルエックスが2番手のままゴール前の直線に入りました。その後、残り200m地点を過ぎたところでスペシャルエックスがクーファアチャラに並びかけると、そのままかわして先頭に。結局クーファアチャラに1馬身1/2の差をつけて入線し、自身4度目の重賞制覇を果たしています。

データ分析

枠順が明暗を分ける可能性もありそう。過去5年の枠番別成績を見ると、1枠から2枠の馬は[1-0-0-9](3着内率10.0%)、3枠から8枠の馬は[4-5-5-35](3着内率28.6%)です。なお、2021年以降の過去4年に限ると、1枠から2枠の馬は[0-0-0-8](3着内率0.0%)、3枠から8枠の馬は[4-4-4-26](3着内率31.6%)でした。内寄りの枠に入った馬は過信禁物と見るべきでしょう。

8番人気以下の馬は3着以内なし

過去5年の単勝人気順別成績を見ると、2番人気以内の馬は[4-2-1-3](3着内率70.0%)、3番人気から7番人気の馬は[1-3-4-17](3着内率32.0%)、8番人気以下の馬は[0-0-0-24](3着内率0.0%)となっています。超人気薄の馬が上位に食い込む可能性は低いと見るべきかもしれません。

表1単勝人気順別成績(過去5年)
1着 2着 3着 4着 以下 総数 勝率 連対率 3着内率
1番人気 3 0 0 2 5 60.0% 60.0% 60.0%
2番人気 1 2 1 1 5 20.0% 60.0% 80.0%
3番人気 0 0 1 4 5 0.0% 0.0% 20.0%
4番人気 0 0 2 3 5 0.0% 0.0% 40.0%
5番人気 1 0 0 4 5 20.0% 20.0% 20.0%
6番人気 0 2 1 2 5 0.0% 40.0% 60.0%
7番人気 0 1 0 4 5 0.0% 20.0% 20.0%
8番人気 0 0 0 5 5 0.0% 0.0% 0.0%
9番人気 0 0 0 5 5 0.0% 0.0% 0.0%
10番人気 0 0 0 5 5 0.0% 0.0% 0.0%
11番人気 0 0 0 4 4 0.0% 0.0% 0.0%
12番人気 0 0 0 3 3 0.0% 0.0% 0.0%
13番人気 0 0 0 2 2 0.0% 0.0% 0.0%
トレーナー別成績に大きな偏りがある

過去5年の調教師別成績を見ると、3着以内となった回数が2回以上の現役トレーナーは、角川秀樹調教師・田中淳司調教師の2名となっています。この2厩舎だけで3着以内馬15頭のうち13頭を占めていましたし、今年も管理馬を出走させてきたらしっかりチェックしておきたいところです。

表2調教師別成績(過去5年)
1着 2着 3着 4着 以下 総数 勝率 連対率 3着内率
角川秀樹 3 2 2 3 10 30.0% 50.0% 70.0%
田中淳司 1 2 3 12 18 5.6% 16.7% 33.3%
佐久間雅貴 1 0 0 5 6 16.7% 16.7% 16.7%
川島雅人 0 1 0 1 2 0.0% 50.0% 50.0%
その他の調教師 0 0 0 23 23 0.0% 0.0% 0.0%
近年はウポポイオータムスプリント組が優勢

過去5年の前走レース別成績を見ると、3着以内馬15頭のうち4頭をウポポイオータムスプリントの馬が占めています。なお、2022年以降の過去3年に限ると、ウポポイオータムスプリントの馬は[2-0-2-1](3着内率80.0%)、その他のレースの馬は[1-3-1-24](3着内率17.2%)でした。主要な前哨戦であるウポポイオータムスプリントをステップに臨む馬は、相応に高く評価するべきでしょう。

表3前走レース別成績(過去5年)
1着 2着 3着 4着 以下 総数 勝率 連対率 3着内率
ウポポイオータムスプリント 2 0 2 7 11 18.2% 18.2% 36.4%
その他のレース 3 5 3 37 48 6.3% 16.7% 22.9%
前走で先行していた馬は比較的堅実

過去5年の前走最終コーナー通過順別成績を見ると、4番手以内の馬は[5-4-3-21](3着内率36.4%)、5番手以下の馬は[0-1-2-23](3着内率11.5%)となっています。なお、2022年以降の過去3年に限ると、4番手以内の馬は[3-3-3-10](3着内率47.4%)、5番手以下の馬は[0-0-0-15](3着内率0.0%)でした。前走で先行していなかった馬はあまり強調できません。

表4前走最終コーナー通過順別成績(過去5年)
1着 2着 3着 4着 以下 総数 勝率 連対率 3着内率
1番手 2 1 0 6 9 22.2% 33.3% 33.3%
2番手 0 1 0 4 5 0.0% 20.0% 20.0%
3番手 2 1 2 6 11 18.2% 27.3% 45.5%
4番手 1 1 1 5 8 12.5% 25.0% 37.5%
5番手 0 0 0 5 5 0.0% 0.0% 0.0%
6番手 0 0 0 6 6 0.0% 0.0% 0.0%
7番手 0 0 1 4 5 0.0% 0.0% 20.0%
8番手 0 0 0 3 3 0.0% 0.0% 0.0%
9番手 0 0 0 2 2 0.0% 0.0% 0.0%
10番手 0 0 0 1 1 0.0% 0.0% 0.0%
11番手 0 0 1 2 3 0.0% 0.0% 33.3%
12番手 0 1 0 0 1 0.0% 100.0% 100.0%

(伊吹 雅也)

有力馬情報

キャンディドライヴ(牡6・小野望厩舎)



 再転入初戦の「8月函館でオールスター競輪特別」(7月17日)を3馬身差で快勝すると、JpnIIIクラスターカップ(8月11日、盛岡競馬場)では、勝ったサンライズアムールからクビ差2着。地元に戻った前走のウポポイオータムスプリント(9月24日)では、逃げ馬の2番手から直線で抜け出し、2馬身という着差以上に余裕のある勝ちっぷりで重賞タイトル獲得を成し遂げた。ここ門別の舞台では、3歳時の2戦を含めて4戦4勝と底を見せていないのが最大のセールスポイント。重賞連覇で短距離王の座をつかむ。


ストリーム(牡4・田中淳司厩舎)



 デビューから3連勝で世代最初の重賞・栄冠賞を制するなど、2歳時から非凡な素質を示してきた。今年はグランシャリオ門別スプリント(6月5日)で先行策から抜け出して当レース連覇を飾っているが、シーズン1勝、2着2回、3着2回という戦績で、特に前3走は2、2、3着と、あと一歩のところで勝利を逃している現状にさいなまれているのも確かである。地方交流重賞でも続けて結果を残し、全国区の実力を発揮してきた昨シーズンの輝きを取り戻し、大舞台でライバルたちへのリベンジを狙う。


スペシャルエックス(牡5・田中淳司厩舎)



 昨年の当レースでは、僚馬・クーファアチャラを直線で捕らえて短距離王の座に輝いた。今年初戦の兵庫ウインターカップ(1月30日、姫時競馬場)では、のちにダートグレード戦線でも活躍するエコロクラージュ(兵庫)とのクビ差の接戦を制している。その後は脚部不安の影響により約8カ月半の休養を余儀なくされたものの、前走の「銀聖・トラウトサーモン応援特別」(10月9日)を危なげなく逃げ切っている。一度使われた上積みは必至で、アウヤンテプイ(2013-15年)、スティールペガサス(22、23年)以来3頭目の連覇へ視界良好だ。


デステージョ(牡5・小国博行厩舎)



 今年初戦のエトワール賞(4月24日)でゴール前3頭の追い比べを制して重賞初制覇を飾ると、ポラリスサマースプリント(7月31日)では、鮮やかな決め手を発揮して重賞2勝目を挙げた。2歳時から各地の強豪を相手に好成績を重ねてきた素質が今年、短距離路線でついに花開いた印象だ。揉まれ込む展開になった際には脆さが顔をもたげ、着外に沈むことはあるものの、自分の型にはまったときの決め手は現役でも屈指のものがある。前走・ウポポイオータムスプリント2着からの逆転で、北の短距離王の座を奪還となるか。


ベラジオゼロ(牡3・田中淳司厩舎)



 前走の道営スプリント指定競走「赤井川オーガニックかぼちゃ特別」(10月7日)では、抜群のダッシュから終始後続を寄せ付けずに5馬身差の快勝。準オープン格の相手関係だったとはいえ、初めての古馬との対決で能力の高さを示し、昨年の栄冠賞以来の白星を挙げたのは、本番に向けて大きな収穫となったはずだ。昨年終盤-今年序盤にかけては順調さを欠いていたものの、馬体が絞れてきたことで、完全復活へのステップを着実に上ってきた印象。一線級が相手でも、若さを武器に主役の座に躍り出る。


※五十音順

※出走馬は10月30日現在の情報をもとにしております。