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HOKKAIDO KEIBA 2024

レースガイド

若き女王の頂めざして 夏空に咲き誇る乙女たち

 2014年、門別競馬場・ダート1,000mの条件で第1回が行われる。創設当初は『シュエット・ジュマン・フェスティバル』(素敵な牝馬の祭り)として競馬場全体を盛り上げるイベントが行われており、19年の第6回までは、創設年と同じ14年に牝馬限定戦となったブリーダーズゴールドカップ当日のアンダーカードに設定されていた。23年の第10回からはリリーカップと施行条件を交換する形で、距離が1,200mに改められ、併せて上位2頭にJpnIII・エーデルワイス賞への出走権が付与されることとなっている。同舞台で行われるという意味では、2歳牝馬戦線を占う意味で最も重要なステップレースのひとつといえよう。



★1着馬の馬主に「サトノクラウン」の2026年種付権利を付与【スタリオンシリーズ】


★1・2着馬に「第28回エーデルワイス賞」(10月30日、門別競馬場)の優先出走権を付与

前年ハイライト

スタート直後から先手を主張したボディコンシャスがまずハナに立ち、ゼロアワーらがこれを追う形で3コーナーへ。4コーナーでゼロアワーがボディコンシャスに並びかけ、ゴール前の直線に入ったところで単独先頭となりました。ゼロアワーはそのまま後続との差を広げ、残り200m地点を過ぎたところで独走態勢に。最後は後方から伸びてきたトレヴェナが差を詰めたものの、結局ゼロアワーがセーフティリードを保ったまま入線し、自身初の重賞制覇を果たしています。

データ分析

本稿の集計対象は2020年以降の過去5年としましたが、2022年までは施行時期が7月中旬から8月中旬、施行距離が1000mだった点にご注意ください。前走単勝人気順別成績を見ると、2番人気以内の馬は[5-2-4-16](3着内率40.7%)、3番人気以下の馬は[0-3-1-24](3着内率14.3%)です。直近のレース内容を比較する際は、当時の人気にも注目しておいた方が良いかもしれません。

3番人気以内の馬はそれなりに堅実

過去5年の単勝人気順別成績を見ると、3番人気以内の馬は[5-3-2-5](3着内率66.7%)、4番人気から7番人気の馬は[0-2-2-16](3着内率20.0%)、8番人気以下の馬は[0-0-1-19](3着内率5.0%)となっています。人気薄の伏兵が善戦した例もあるとはいえ、人気の中心となっている馬は上位に食い込む可能性が高いと見るべきでしょう。

表1単勝人気順別成績(過去5年)
1着 2着 3着 4着 以下 総数 勝率 連対率 3着内率
1番人気 2 1 1 1 5 40.0% 60.0% 80.0%
2番人気 3 0 0 2 5 60.0% 60.0% 60.0%
3番人気 0 2 1 2 5 0.0% 40.0% 60.0%
4番人気 0 1 1 3 5 0.0% 20.0% 40.0%
5番人気 0 0 0 5 5 0.0% 0.0% 0.0%
6番人気 0 0 1 4 5 0.0% 0.0% 20.0%
7番人気 0 1 0 4 5 0.0% 20.0% 20.0%
8番人気 0 0 0 5 5 0.0% 0.0% 0.0%
9番人気 0 0 0 5 5 0.0% 0.0% 0.0%
10番人気 0 0 0 5 5 0.0% 0.0% 0.0%
11番人気 0 0 0 3 3 0.0% 0.0% 0.0%
12番人気 0 0 1 1 2 0.0% 0.0% 50.0%
阿部龍騎手・落合玄太騎手らが好成績

過去5年の騎手別成績を見ると、3着以内となった回数が2回以上の現役ジョッキーは、阿部龍騎手・落合玄太騎手・松井伸也騎手の3名となっています。いずれもこのレースとは比較的相性が良いジョッキーと言えそうです。

表2騎手別成績(過去5年)
1着 2着 3着 4着 以下 総数 勝率 連対率 3着内率
松井伸也 2 0 0 2 4 50.0% 50.0% 50.0%
阿部龍 1 2 0 2 5 20.0% 60.0% 60.0%
吉原寛人 1 0 0 0 1 100.0% 100.0% 100.0%
桑村真明 1 0 0 4 5 20.0% 20.0% 20.0%
落合玄太 0 1 3 1 5 0.0% 20.0% 80.0%
亀井洋司 0 1 0 1 2 0.0% 50.0% 50.0%
阪野学 0 1 0 2 3 0.0% 33.3% 33.3%
井上俊彦 0 0 1 0 1 0.0% 0.0% 100.0%
その他の騎手 0 0 1 28 29 0.0% 0.0% 3.4%
前走の距離がポイント

過去5年の前走距離別成績を見ると、1200m未満の馬は[2-0-2-28](3着内率12.5%)、1200mの馬は[3-5-3-9](3着内率55.0%)、1200m超の馬は[0-0-0-3](3着内率0.0%)となっています。なお、施行距離が1200mとなった2023年以降の過去2年に限っても、1200m未満の馬は[1-0-1-8](3着内率20.0%)、1200mの馬は[1-2-1-4](3着内率50.0%)、1200m超の馬は[0-0-0-3](3着内率0.0%)でした。今回と異なる距離のレースをステップに臨む馬はあまり強調できません。

表3前走距離別成績(過去5年)
1着 2着 3着 4着 以下 総数 勝率 連対率 3着内率
1000m 2 0 2 25 29 6.9% 6.9% 13.8%
1100m 0 0 0 3 3 0.0% 0.0% 0.0%
1200m 3 5 3 9 20 15.0% 40.0% 55.0%
1500m 0 0 0 2 2 0.0% 0.0% 0.0%
1700m 0 0 0 1 1 0.0% 0.0% 0.0%
馬格が明暗を分けそう

過去5年の前走馬体重区分別成績を見ると、430kg未満の馬は[0-0-0-7](3着内率0.0%)、430kg以上460kg未満の馬は[1-3-2-18](3着内率25.0%)、460kg以上の馬は[4-2-3-15](3着内率37.5%)となっています。大柄な馬ほど信頼できるレースと言えるでしょう。

表4前走馬体重区分別成績(過去5年)
1着 2着 3着 4着 以下 総数 勝率 連対率 3着内率
390kg台 0 0 0 1 1 0.0% 0.0% 0.0%
400kg台 0 0 0 2 2 0.0% 0.0% 0.0%
410kg台 0 0 0 3 3 0.0% 0.0% 0.0%
420kg台 0 0 0 1 1 0.0% 0.0% 0.0%
430kg台 0 1 1 5 7 0.0% 14.3% 28.6%
440kg台 0 2 1 8 11 0.0% 18.2% 27.3%
450kg台 1 0 0 5 6 16.7% 16.7% 16.7%
460kg台 1 0 1 4 6 16.7% 16.7% 33.3%
470kg台 1 1 1 5 8 12.5% 25.0% 37.5%
480kg台 2 0 0 3 5 40.0% 40.0% 40.0%
490kg台 0 1 1 1 3 0.0% 33.3% 66.7%
500kg台 0 0 0 2 2 0.0% 0.0% 0.0%

(伊吹 雅也)

有力馬情報

スルーザミル(牝2・川島洋人厩舎)



 父Frankel、母ウオッカという良血馬・タニノフランケルの初年度産駒にあたる。1,000mのフレッシュチャレンジ(6月25日)で、2着に3馬身差をつけて逃げ切ると、続くリリーカップ(7月23日)では、中団から確実に脚を伸ばして3着を確保し、控える形にも対応した。レースぶりの引き出しが増えており、1ハロンの距離延長はプラスと言えそうだ。今回手綱を取るのは、岩手競馬所属の高松亮騎手。11日のJpnIIIクラスターCで“代打騎乗”に応え、ダートグレード競走初制覇を果たしたベテランの手綱さばきに注目したい。


ブレイズエッジ(牝2・田中淳司厩舎)



 1,100mの牝馬限定フレッシュチャレンジ(7月16日)は、大外枠から好発進を切ると終始後続を圧倒、2着馬に8馬身差をつける圧勝劇を披露した。走破時計1分09秒4は水準級だったものの、砂の補充を行った直後の開催に加え、スローペースだったことを考えれば、時計はまだ詰まるはずだ。4歳上の全兄には同じ田中淳司厩舎でデビューし、ブリーダーズゴールドジュニアカップなど重賞3勝を挙げたシャルフジンがいるという良血馬。大物感あふれる走りで、重賞の舞台でもスケール感を発揮できるか注目したい。


ミスティライズ(牝2・角川秀樹厩舎)



 1,100mのフレッシュチャレンジ(5月8日)では、2番手追走から逃げ馬を直線で捕らえて初勝利を収めた。およそ2カ月半の休養を経て臨んだ2戦目のリリーカップでは、道中最後方待機から直線で追い込み、メンバー中最速の上がり3ハロン36.5秒の末脚を繰り出して2着に食い込んだ。12kg増の馬体重からは成長もうかがえ、休み明けを使われた今回はさらに上積みも見込めるはず。1,200mへの距離延長で持ち前の末脚の爆発力を生かし、ライバルとの着差を逆転できるかが焦点となりそうだ。


リバーストリート(牝2・松本隆宏厩舎)



 母のハイタッチガールも同じ松本隆宏厩舎でデビューし、金沢へ移籍後に金沢プリンセスカップ・兼六園ジュニアカップと2歳重賞を連勝。1,700mのフレッシュチャレンジ(5月15日)は4着とひと押しを欠いたものの、1,200mに照準を向けた2戦目からは、3戦して1、2、1着と距離適性の高さを示している。前走のルビー特別(7月15日)も、内枠からダッシュを利かせると終始後続を寄せ付けず、オープンへの昇級2戦目で2勝目をマークするという結果を残している。重賞の相手関係でも、自分のペースで運べれば争覇圏に加われそうだ。


リュウノフライト(牝2・山口竜一厩舎)



 4月22日の能力検査では800m49秒3の好時計をマーク。これはJRA移籍後GIII・函館2歳Sを逃げ切ったエイシンディードに次ぐ、当日の二番時計だった。1,100mの牝馬限定フレッシュチャレンジ(5月21日)で、持ち前の速力を生かして押し切ると、続くリリーカップでは2着に5馬身差をつけ、半兄・リンノレジェンドに続く当地重賞タイトル獲得を果たした。好位から控える競馬にも対応し、レースセンスはこの時期の2歳牝馬にしては非凡。1ハロン延長に対応し、重賞連覇を狙う。


※五十音順

※出走馬は8月14日現在の情報をもとにしております。