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HOKKAIDO KEIBA 2024

サッポロクラシックカップ

H3

1200m

サッポロクラシックカップ

レースガイド

この熱戦も“北海道限定” 味わいを増す若駒の快走

競走名は、サッポロビール株式会社が北海道限定で製造・販売しているビールの商品名に由来。2009年、10-11月に各地の地方競馬の主要2歳競走を集中的に施行する「未来優駿」の一環として創設される。当初は特別競走であったが、14年にH2格の重賞に格上げされ、回次が第1回に設定された。20年(第7回)-22年(第9回)はサンライズカップ→JBC2歳優駿に繋がるステップレースとして1,700mで行われていたが、23年の第10回に創設当初の1,200mに施行距離が戻されている。ネクストスター門別、そして実施が発表された「北海道2歳スプリント」を頂点とする2歳6ハロン重賞戦線を占う意味でも重要な1戦。また、今年は、JRA札幌競馬場の2歳オープン・すずらん賞(芝1,200m)の推薦順位を決めるという位置づけでもある。



★1着馬の馬主に「サトノダイヤモンド」の2026年種付権利を付与【スタリオンシリーズ】


★「すずらん賞」(8月30日、札幌競馬場)推薦順位決定競走

前年ハイライト

スタート直後の先行争いを制し、まずハナを奪ったのはベラジオドリーム。これにサウンドバッハが外から並びかけ、この2頭が後続をやや引き離す形で3コーナーに入りました。その後、4コーナーでベラジオドリームがサウンドバッハを突き放し、単独先頭でゴール前の直線へ。しかし、中団から鋭く伸びたイイデマイヒメが決勝線の手前でベラジオドリームをかわし、最後は逆に2馬身半の差をつけて入線しています。

データ分析

本稿の集計対象は2020年以降の過去5年としましたが、2022年までは施行時期が8月下旬から9月上旬、施行距離が1700mだった点にご注意ください。ちなみに、2023年以降の過去2年における優勝ジョッキーは、いずれも阿部龍騎手です。2023年は単勝オッズ41.5倍(10番人気)、2024年も単勝オッズ13.2倍(5番人気)の低評価を覆しての勝利でしたし、今後もエントリーしてきたら目が離せません。

堅く収まりがちなレースだったが……

過去5年の単勝人気順別成績を見ると、1番人気の馬は[2-0-2-1](3着内率80.0%)、2番人気から3番人気の馬は[1-2-2-5](3着内率50.0%)、4番人気から5番人気の馬は[1-2-0-7](3着内率30.0%)、6番人気以下の馬は[1-1-1-20](3着内率13.0%)となっています。ただし、2023年は3連単26万6730円、2024年も3連単17万570円の高額配当決着でした。以前は上位人気馬の活躍が目立っていたものの、施行時期や施行距離が変更されてからは波乱続きなので注意しましょう。

表1単勝人気順別成績(過去5年)
1着 2着 3着 4着 以下 総数 勝率 連対率 3着内率
1番人気 2 0 2 1 5 40.0% 40.0% 80.0%
2番人気 1 0 1 3 5 20.0% 20.0% 40.0%
3番人気 0 2 1 2 5 0.0% 40.0% 60.0%
4番人気 0 1 0 4 5 0.0% 20.0% 20.0%
5番人気 1 1 0 3 5 20.0% 40.0% 40.0%
6番人気 0 0 0 5 5 0.0% 0.0% 0.0%
7番人気 0 0 0 5 5 0.0% 0.0% 0.0%
8番人気 0 1 1 2 4 0.0% 25.0% 50.0%
9番人気 0 0 0 4 4 0.0% 0.0% 0.0%
10番人気 1 0 0 1 2 50.0% 50.0% 50.0%
11番人気 0 0 0 2 2 0.0% 0.0% 0.0%
12番人気 0 0 0 1 1 0.0% 0.0% 0.0%
角川秀樹調教師と田中正二調教師が好成績

過去5年の調教師別成績を見ると、3着以内となった回数が3回以上の現役トレーナーは、角川秀樹調教師、田中正二調教師の2名となっています。それぞれ3着内率も優秀でしたし、引き続きマークしておきたいところです。

表2調教師別成績(過去5年)
1着 2着 3着 4着 以下 総数 勝率 連対率 3着内率
角川秀樹 2 1 2 6 11 18.2% 27.3% 45.5%
川島雅人 1 0 0 0 1 100.0% 100.0% 100.0%
村上正和 1 0 0 1 2 50.0% 50.0% 50.0%
田中正二 0 2 1 0 3 0.0% 66.7% 100.0%
田中淳司 0 1 1 10 12 0.0% 8.3% 16.7%
桧森邦夫 0 1 0 1 2 0.0% 50.0% 50.0%
佐久間雅貴 0 0 1 0 1 0.0% 0.0% 100.0%
その他の調教師 1 0 0 15 16 6.3% 6.3% 6.3%
どちらかと言えば内枠有利

過去5年の馬番別成績を見ると、1番から5番の馬は[4-4-4-13](3着内率48.0%)、6番から12番の馬は[1-1-1-20](3着内率13.0%)となっています。なお、2023年以降の過去2年に限っても、1番から5番の馬は[1-1-2-6](3着内率40.0%)、6番から12番の馬は[1-1-0-11](3着内率15.4%)でした。外寄りの枠に入った馬は疑ってかかるべきかもしれません。

表3馬番別成績(過去5年)
1着 2着 3着 4着 以下 総数 勝率 連対率 3着内率
1番 0 1 1 3 5 0.0% 20.0% 40.0%
2番 1 1 0 3 5 20.0% 40.0% 40.0%
3番 0 0 1 4 5 0.0% 0.0% 20.0%
4番 2 1 0 2 5 40.0% 60.0% 60.0%
5番 1 1 2 1 5 20.0% 40.0% 80.0%
6番 0 0 0 5 5 0.0% 0.0% 0.0%
7番 0 0 1 4 5 0.0% 0.0% 20.0%
8番 0 1 0 3 4 0.0% 25.0% 25.0%
9番 0 0 0 4 4 0.0% 0.0% 0.0%
10番 0 0 0 2 2 0.0% 0.0% 0.0%
11番 1 0 0 1 2 50.0% 50.0% 50.0%
12番 0 0 0 1 1 0.0% 0.0% 0.0%
前走で先行していた馬は比較的堅実

過去5年の前走最終コーナー通過順別成績を見ると、2番手以内の馬は[3-2-3-8](3着内率50.0%)、3番手以下の馬は[2-3-2-25](3着内率21.9%)となっています。なお、2023年以降の過去2年に限ると、4番手以内の馬は[2-2-1-11](3着内率31.3%)、5番手以下の馬は[0-0-1-6](3着内率14.3%)です。直近のパフォーマンスを比較する際は、脚質にも注目しておきましょう。

表4前走最終コーナー通過順別成績(過去5年)
1着 2着 3着 4着 以下 総数 勝率 連対率 3着内率
1番手 3 1 3 8 15 20.0% 26.7% 46.7%
2番手 0 1 0 0 1 0.0% 100.0% 100.0%
3番手 1 0 1 6 8 12.5% 12.5% 25.0%
4番手 0 1 0 6 7 0.0% 14.3% 14.3%
5番手 0 0 0 2 2 0.0% 0.0% 0.0%
6番手 1 1 0 5 7 14.3% 28.6% 28.6%
7番手 0 0 0 2 2 0.0% 0.0% 0.0%
8番手 0 1 0 2 3 0.0% 33.3% 33.3%
9番手 0 0 0 1 1 0.0% 0.0% 0.0%
10番手 0 0 0 1 1 0.0% 0.0% 0.0%
11番手 0 0 1 0 1 0.0% 0.0% 100.0%

(伊吹 雅也)

有力馬情報

エイシンリガーズ(牡2・田中淳司厩舎)



 デビューから2連勝で今年最初のウィナーズチャレンジを制覇。続く栄冠賞では、僚馬ベストグリーンから0秒8差の4着に敗れたものの、前半3ハロン34.5秒のラップを刻み、2歳馬離れした速力を示した。7月27日の1週前追い切りでは、厩舎の先輩にあたる重賞6勝馬・ストリームの胸を借りる形で併せ馬を行い、3ハロン35.1-1ハロン12.1の時計をマーク。地方重賞を8勝し、『グランダム・ジャパン2012』古馬シーズンの女王に輝いた祖母・エーシンクールディから受け継いだ芦毛の馬体が、門別の夜空に躍動するか。


カミハマッテイル(牡2・田中淳司厩舎)



 今年最初の1,200mのフレッシュチャレンジ(6月4日)では、のちに1,700mアタック・ウィナーズチャレンジを連勝したマロンソレイユを相手に、2馬身差をつけて逃げ切っている。2戦目のJRA認定ターフチャレンジ1(7月8日)は3着だったものの、初めての1,700mだったことを考えれば、及第点と言っていい走りを見せていた。母のカクシアジは13年に同じ田中淳司厩舎でデビュー後2歳牝馬限定重賞を3勝、『GRANDAME-JAPAN』2歳シーズンで総合優勝に輝いており、厩舎ゆかりの血統の持ち主が重賞の舞台で躍動するか注目だ。


ゴッドバロック(牡2・角川秀樹厩舎)



 1,100mのフレッシュチャレンジ(4月24日)を8馬身差で圧勝。このレースは出走した5頭中4頭が勝ち上がるというハイレベルな1戦だった。2戦目のウィナーズチャレンジ1(5月29日)で差す競馬にも対応して3着、続く栄冠賞(6月24日)では、ハイペースを中団から追走し、勝ったベストグリーンから1馬身1/2差の2着に食い込んでいるように、この時期の若駒らしからぬレースセンスが身上だ。ここもスピードを生かす先行勢を見ながら運び、持ち前の末脚を炸裂させてのタイトル奪還をもくろむ。


ベラジオエンペラー(牡2・田中淳司厩舎)



 1,000mのフレッシュチャレンジ(5月29日)を4馬身差で圧勝すると、続く1,200mのオープン「レバンガ北海道 新シーズン期待特別」(7月1日)では、後方待機策から直線半ばで馬群を割って差し切るという器用なレースを見せ、この距離では“鬼門”とも言える1番枠を克服した。母系にはスピルバーグ、トーセンラーといった複数のGI馬がおり、昨年の北海道市場サマーセールでは落札額1815万円(税込)の高い評価を得た1頭。デビューから2戦2勝と底を見せていない良血の持ち主が、初めての重賞でも好勝負が期待される。


リコーヒューズ(牡2・川島洋人厩舎)



 1,100mのフレッシュチャレンジ(6月5日)は、4コーナーで先頭に立つと後続の猛追を振り切った。勝ち時計の1分07秒4は、今年のフレッシュチャレンジの走破時計としては、栄冠賞1着馬ベストグリーン、同2着馬ゴッドバロックに次ぐもの。素質の高さでは、JpnIIIエーデルワイス賞3着の母リコーデリンジャー、1歳上の半兄で重賞2勝を挙げたリコースパローにも引けを取らないだろう。2戦目のルビー特別(7月15日)は揉まれる展開も影響してか4着に敗れたものの、巻き返す可能性は十分にある。


※五十音順

※出走馬は7月31日現在の情報をもとにしております。