netkeiba

HOKKAIDO KEIBA 2024

ポラリスサマースプリント

H3

1200m

ポラリスサマースプリント

レースガイド

真夏の流星群 スピードの彼方へ

競走名は"北極星"の意。2009年に「グランシャリオナイター」が開始された門別競馬場に新設された新スタンドには「ポラリス☆スタンド」と命名されている。2024年創設され、それまで古馬重賞であった北海道スプリントCが『全日本的なダート競走の体系整備』で3歳馬限定戦となったことにより、古馬重賞を補充する役割を果たしている。4月のエトワール賞、6月のグランシャリオ門別スプリントに続く古馬短距離戦線の第3弾。グランシャリオ門別スプリントから1ハロン延長したことと、各馬のコンディショニングが難しくなる夏の暑さが、勢力図にどう変化をもたらすか注目したい。



★「カウントアップS(スプリント)」対象競走


★1着馬の生産牧場に「シャンハイボビー」の2026年種付権利を付与【スタリオンシリーズ】

前年ハイライト

スタート直後の先行争いを制し、まずハナに立ったのはイッツクール。スペシャルエックスがやや離れた単独2番手につけ、これを3番手以下の各馬が追う形で3コーナーに入りました。その後、4コーナーでスペシャルエックスがイッツクールを捕らえにかかり、後続の各馬も続々とポジションを押し上げてゴール前の直線へ。残り200m地点を過ぎたところでスペシャルエックスとドウドウキリシマが抜け出し、最後はスペシャルエックスがドウドウキリシマを1馬身半突き放して、約1年ぶりの重賞制覇を果たしています。

データ分析

2024年に第1回が施行されたばかりのレースですので、本稿の集計対象は2024年7月以降にホッカイドウ競馬で施行された3歳以上、かつ1200m以下の重賞競走(2024年のポラリスサマースプリント・ウポポイオータムスプリント・道営スプリント、2025年のエトワール賞・グランシャリオ門別スプリント)としました。ちなみに、集計対象5レースの馬齢別成績を見ると、7歳以下の馬は[5-4-5-17](3着内率45.2%)、8歳以上の馬は[0-1-0-16](3着内率5.9%)です。高齢馬はあまり強調できません。

上位人気グループの馬が中心

集計対象5レースの単勝人気順別成績を見ると、3番人気以内の馬は[4-2-5-4](3着内率73.3%)、4番人気から6番人気の馬は[1-3-0-11](3着内率26.7%)、7番人気以下の馬は[0-0-0-18](3着内率0.0%)となっています。前評判が高い馬は、それなりに信頼できると見て良いでしょう。

表1単勝人気順別成績(集計対象5レース)
1着 2着 3着 4着 以下 総数 勝率 連対率 3着内率
1番人気 2 0 2 1 5 40.0% 40.0% 80.0%
2番人気 2 1 1 1 5 40.0% 60.0% 80.0%
3番人気 0 1 2 2 5 0.0% 20.0% 60.0%
4番人気 1 1 0 3 5 20.0% 40.0% 40.0%
5番人気 0 0 0 5 5 0.0% 0.0% 0.0%
6番人気 0 2 0 3 5 0.0% 40.0% 40.0%
7番人気 0 0 0 5 5 0.0% 0.0% 0.0%
8番人気 0 0 0 4 4 0.0% 0.0% 0.0%
9番人気 0 0 0 4 4 0.0% 0.0% 0.0%
10番人気 0 0 0 3 3 0.0% 0.0% 0.0%
11番人気 0 0 0 2 2 0.0% 0.0% 0.0%
岩橋勇二騎手が参戦してきたら見逃せない

集計対象5レースの騎手別成績を見ると、3着以内となった回数が3回以上の現役ジョッキーは、岩橋勇二騎手のみとなっています。なお、岩橋勇二騎手は騎乗していなかった2025年のエトワール賞を除くすべてのレースを勝っているうえ、本稿の集計対象ではない2024年のグランシャリオ門別スプリントでも優勝を果たしていました。このカテゴリにおいては騎乗機会5連勝中と言えますから、しっかりチェックしておきたいところです。

表2騎手別成績(集計対象5レース)
1着 2着 3着 4着 以下 総数 勝率 連対率 3着内率
岩橋勇二 4 0 0 0 4 100.0% 100.0% 100.0%
阿部龍 1 0 1 3 5 20.0% 20.0% 40.0%
小野楓馬 0 2 0 3 5 0.0% 40.0% 40.0%
石川倭 0 2 0 3 5 0.0% 40.0% 40.0%
落合玄太 0 1 1 3 5 0.0% 20.0% 40.0%
阿岸潤一朗 0 0 1 0 1 0.0% 0.0% 100.0%
吉村智洋 0 0 1 0 1 0.0% 0.0% 100.0%
桑村真明 0 0 1 3 4 0.0% 0.0% 25.0%
その他の騎手 0 0 0 18 18 0.0% 0.0% 0.0%
田中淳司調教師が好成績

集計対象5レースの調教師別成績を見ると、3着以内となった回数が3回以上の現役トレーナーは、田中淳司調教師のみとなっています。2024年のポラリスサマースプリントを制したスペシャルエックスも田中淳司調教師の管理馬でしたし、このカテゴリとは比較的相性が良いトレーナーと言えるでしょう。

表3調教師別成績(集計対象5レース)
1着 2着 3着 4着 以下 総数 勝率 連対率 3着内率
田中淳司 4 1 2 9 16 25.0% 31.3% 43.8%
小国博行 1 0 0 1 2 50.0% 50.0% 50.0%
小野望 0 2 0 0 2 0.0% 100.0% 100.0%
川島雅人 0 1 0 3 4 0.0% 25.0% 25.0%
米川昇 0 1 0 1 2 0.0% 50.0% 50.0%
角川秀樹 0 0 2 7 9 0.0% 0.0% 22.2%
佐久間雅貴 0 0 1 3 4 0.0% 0.0% 25.0%
その他の調教師 0 0 0 9 9 0.0% 0.0% 0.0%
1400mのレースをステップに臨む馬は堅実

集計対象5レースの前走距離別成績を見ると、1000m以下の馬は[0-1-0-6](3着内率14.3%)、1000m超1400m未満の馬は[3-3-4-23](3着内率30.3%)、1400mの馬は[2-1-1-0](3着内率100.0%)、1400m超の馬は[0-0-0-4](3着内率0.0%)となっています。2024年のポラリスサマースプリントにおいても、前走で1400mのレースを使っていたスペシャルエックスが優勝を果たしました。今後も該当馬は積極的に狙って良さそうです。

表4前走距離別成績(集計対象5レース)
1着 2着 3着 4着 以下 総数 勝率 連対率 3着内率
900m 0 0 0 1 1 0.0% 0.0% 0.0%
1000m 0 1 0 5 6 0.0% 16.7% 16.7%
1200m 3 3 4 23 33 9.1% 18.2% 30.3%
1400m 2 1 1 0 4 50.0% 75.0% 100.0%
1500m 0 0 0 1 1 0.0% 0.0% 0.0%
1600m 0 0 0 2 2 0.0% 0.0% 0.0%
1700m 0 0 0 1 1 0.0% 0.0% 0.0%

(伊吹 雅也)

有力馬情報

ケイアイロベージ(セ7・小野望厩舎)



 JRA所属時にGIIIユニコーンステークス(東京競馬場)3着などの実績を挙げ、今シーズンからホッカイドウ競馬へ移籍。今年最初の重賞・エトワール賞(4月24日)、グランシャリオ門別スプリント(6月5日)でそれぞれ2着に入るなど、当地の重賞戦線であと一歩の走りを続けてきた。JRAのオープンでも鋭い決め手を発揮していたように、重賞で各馬のペースが上がったときには真価を発揮しそう。20.21年に道営記念を連覇したクインズサターンに続き、当地で重賞タイトル獲得への期待も十分に持てそうだ。


ジャスパーメジャー(牡7・佐久間雅貴厩舎)



 昨年の当レースでは、先行策から粘りを見せて3着と善戦した。秋のウポポイオータムスプリント7着の後はオープン特別連勝でシーズンを締めくくり、昨シーズンは[6-1-1-1]と成長を示した1年となっただろう。8カ月の休養を挟んだ今年初戦のデルフィニウム特別(6月4日)は、重馬場という馬場状態もあったとはいえ、1分11秒7の好時計で勝利し、オフシーズンを挟み3連勝を飾っている。2カ月近くのブランクは課題になりそうだが、基本的に久々は苦にしないタイプ。昨年以上の成績も、十分に考えられる。


ストリーム(牡4・田中淳司厩舎)



 前走のグランシャリオ門別スプリントでは、先を行く僚馬・シシャモフレンドの2番手から直線で抜け出して今年初勝利、重賞6勝目を挙げた。2歳時から3シーズン連勝でタイトルを獲得、また他地区への遠征も笠松グランプリ1着など着実に結果を残しており、実力、スピード能力はもはや全国区といっても差し支えはない。たまに気性面でスイッチが入り切らない面があるのは課題だが、スムーズに運ぶことができた際の勝負強さは一級品。地元の夏の短距離王にむけ、ここも好勝負を期待できそうだ。


デステージョ(牡5・小国博行厩舎)



 今年初戦のエトワール賞をゴール前差し切り。2歳時に当地、遠征先の重賞戦線で、翌3歳時には高知の3歳三冠路線であと一歩の走りを続けてきた1頭だったが、33戦目にして悲願のタイトル獲得を果たした。揉まれ込むと脆い面を見せるものの、前走のエピファネイア・プレミアム(6月18日)では門別1,200mで6勝目、59kgの斤量で2勝目を挙げているように、コース適性は抜群とみてよさそう。今回は鞍上に笠松競馬のトップジョッキー・渡邊竜也騎手を迎え、2つ目のタイトル獲得を狙う。


ラッキーホープ(牡6・小国博行厩舎)



 デビューは3歳秋の門別1,200m戦と多少遅くなったものの、ここまで27戦を消化し、連対を外したのは僅か2度、一昨年11月から16戦連続で連対中と抜群の安定感を誇る。3走前の「丸くなるな、星になれ。特別」(5月8日)ではオープン昇級後初勝利を挙げるなど、C4の最下級条件からここまで、着実に階段を昇ってきた印象だ。しばしばスタートの課題が顔をもたげるものの、終いの脚の確実性はここでも目立つ存在。初めての重賞の舞台となるが、好勝負を演じてさらなる成長をアピールできるか注目したい。


※五十音順

※出走馬は7月24日現在の情報をもとにしております。