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HOKKAIDO KEIBA 2024

レースガイド

収穫の秋へ繋がる夏の躍動 マイル王決定戦

2015年、門別競馬場に新設された内回りコースを使用した1,600m重賞として創設される。18年の第4回から22年の第8回までは2,000mを舞台に行われていたが、23年の第9回よりマイルに再び施行距離が変更され、時期も秋から夏に移動されている。現在、古馬牡牝混合重賞としては唯一の内回り戦。スピードと持久力、騎手の腕前の総合的な力が試されるコースで、夏の古馬王者が決まる。



★「カウントアップM(ミドル・マイル)」対象競走


★1着馬の馬主に「カラヴァッジオ」の2026年種付権利を付与【スタリオンシリーズ】

前年ハイライト

スタート直後からジャスパードリームが積極的に飛ばし、2番手のエバニスタ・ベルピットらを大きく引き離して向正面へ。しかし、3コーナーで早々にベルピットがジャスパードリームを捕らえ、単独先頭で4コーナーを通過しました。後方から少しずつポジションを押し上げたドテライヤツが残り200m地点を過ぎたところで2番手に浮上したものの、前を行くベルピットとの差は詰まらず、独走態勢のままゴール。6馬身差の完勝で自身8度目の重賞制覇を果たしています。

データ分析

本稿の集計対象は2020年以降の過去5年としましたが、2022年までは施行時期が9月上旬から9月中旬、施行距離が2000mだった点にご注意ください。ちなみに、2023年以降の過去2年に限った前走距離別成績を見ると、1600m以下の馬は[1-0-0-9](3着内率10.0%)、1600m超の馬は[1-2-2-7](3着内率41.7%)です。今回より長い距離のレースをステップに臨む馬が優勢と見て良いかもしれません。

上位人気馬の成績はまずまず

過去5年の単勝人気順別成績を見ると、3番人気以内の馬は[4-4-2-5](3着内率66.7%)、4番人気から8番人気の馬は[1-1-2-21](3着内率16.0%)、9番人気以下の馬は[0-0-1-12](3着内率7.7%)となっています。伏兵が上位に食い込んだ例もあるとはいえ、まずは人気の中心となっている馬に注目するべきでしょう。

表1単勝人気順別成績(過去5年)
1着 2着 3着 4着 以下 総数 勝率 連対率 3着内率
1番人気 2 2 0 1 5 40.0% 80.0% 80.0%
2番人気 1 0 1 3 5 20.0% 20.0% 40.0%
3番人気 1 2 1 1 5 20.0% 60.0% 80.0%
4番人気 0 0 1 4 5 0.0% 0.0% 20.0%
5番人気 0 1 1 3 5 0.0% 20.0% 40.0%
6番人気 0 0 0 5 5 0.0% 0.0% 0.0%
7番人気 1 0 0 4 5 20.0% 20.0% 20.0%
8番人気 0 0 0 5 5 0.0% 0.0% 0.0%
9番人気 0 0 0 3 3 0.0% 0.0% 0.0%
10番人気 0 0 0 3 3 0.0% 0.0% 0.0%
11番人気 0 0 1 2 3 0.0% 0.0% 33.3%
12番人気 0 0 0 2 2 0.0% 0.0% 0.0%
13番人気 0 0 0 1 1 0.0% 0.0% 0.0%
14番人気 0 0 0 1 1 0.0% 0.0% 0.0%
田中淳司調教師が好成績

過去5年の調教師別成績を見ると、3着以内となった回数が3回以上の現役トレーナーは、田中淳司調教師のみとなっています。3着内率が55.6%に達していましたし、今後も管理馬を出走させてきたら目が離せません。

表2調教師別成績(過去5年)
1着 2着 3着 4着 以下 総数 勝率 連対率 3着内率
田中淳司 3 1 1 4 9 33.3% 44.4% 55.6%
角川秀樹 1 1 0 4 6 16.7% 33.3% 33.3%
川島洋人 0 1 1 0 2 0.0% 50.0% 100.0%
佐久間雅貴 0 0 2 4 6 0.0% 0.0% 33.3%
川島雅人 0 0 1 0 1 0.0% 0.0% 100.0%
その他の調教師 1 2 0 26 29 3.4% 10.3% 10.3%
枠順が明暗を分けそう

過去5年の馬番別成績を見ると、1番から5番の馬は[2-2-2-19](3着内率24.0%)、6番から10番の馬は[3-3-3-12](3着内率42.9%)、11番から16番の馬は[0-0-0-7](3着内率0.0%)となっています。なお、2023年以降の過去2年に限ると、1番から5番の馬は[0-1-0-9](3着内率10.0%)、6番から10番の馬は[2-1-2-3](3着内率62.5%)、11番から16番の馬は[0-0-0-4](3着内率0.0%)です。内外極端な枠に入った馬は過信禁物と見るべきでしょう。

表3馬番別成績(過去5年)
1着 2着 3着 4着 以下 総数 勝率 連対率 3着内率
1番 2 0 0 3 5 40.0% 40.0% 40.0%
2番 0 0 1 4 5 0.0% 0.0% 20.0%
3番 0 1 1 3 5 0.0% 20.0% 40.0%
4番 0 1 0 4 5 0.0% 20.0% 20.0%
5番 0 0 0 5 5 0.0% 0.0% 0.0%
6番 1 1 1 2 5 20.0% 40.0% 60.0%
7番 1 0 1 3 5 20.0% 20.0% 40.0%
8番 1 1 0 3 5 20.0% 40.0% 40.0%
9番 0 0 0 3 3 0.0% 0.0% 0.0%
10番 0 1 1 1 3 0.0% 33.3% 66.7%
11番 0 0 0 3 3 0.0% 0.0% 0.0%
12番 0 0 0 2 2 0.0% 0.0% 0.0%
13番 0 0 0 1 1 0.0% 0.0% 0.0%
14番 0 0 0 1 1 0.0% 0.0% 0.0%
前走好走馬を重視したい

過去5年の前走着順別成績を見ると、2着以内の馬は[2-4-3-10](3着内率47.4%)、3着から8着の馬は[3-1-2-20](3着内率23.1%)、9着以下の馬は[0-0-0-8](3着内率0.0%)となっています。なお、2023年以降の過去2年に限ると、2着以内の馬は[1-1-1-4](3着内率42.9%)、3着から5着の馬は[1-1-1-6](3着内率33.3%)、6着以下の馬は[0-0-0-6](3着内率0.0%)でした。大敗を喫した直後の馬は、疑ってかかるべきかもしれません。

表4前走着順別成績(過去5年)
1着 2着 3着 4着 以下 総数 勝率 連対率 3着内率
1着 2 3 1 6 12 16.7% 41.7% 50.0%
2着 0 1 2 4 7 0.0% 14.3% 42.9%
3着 1 0 0 4 5 20.0% 20.0% 20.0%
4着 1 0 0 2 3 33.3% 33.3% 33.3%
5着 0 1 1 5 7 0.0% 14.3% 28.6%
6着 0 0 1 4 5 0.0% 0.0% 20.0%
7着 0 0 0 2 2 0.0% 0.0% 0.0%
8着 1 0 0 3 4 25.0% 25.0% 25.0%
9着 0 0 0 3 3 0.0% 0.0% 0.0%
10着 0 0 0 3 3 0.0% 0.0% 0.0%
11着 0 0 0 1 1 0.0% 0.0% 0.0%
14着 0 0 0 1 1 0.0% 0.0% 0.0%

(伊吹 雅也)

有力馬情報

スコルピウス(セ9・米川昇厩舎)



 一昨年のシーズン途中にホッカイドウ競馬へ移籍。これまで1勝という成績にとどまっているものの、瑞穂賞で2年連続2着、道営記念でも過去2年3、4着と入着を重ねている。一昨年の当レースでは、ゴール前で大外から強襲したイダペガサスから0秒2差の4着に入っており、またかつては小回りの高知競馬場でも重賞戦線で上位に顔を覗かせていたように、内回りは苦にはならないだろう。前走の赤レンガ記念(6月19日)は末脚が不発で8着に敗れたが、ここで終わるような馬ではないはず。豊富な経験を糧に、捲土重来を期する。


ドラゴンゴクウ(牡6・桧森邦夫厩舎)



 2歳時に門別競馬場でデビュー後3勝を挙げ、その後JRAへ移籍。29戦2勝の実績を挙げ、ダート短距離路線を中心に活躍、3勝クラスでも5着に入着する実績を見せた。前走のエフフォーリア・プレミアム(7月2日)はデビュー以来初めての1周競馬ながら、勝ち馬から0秒5差の4着と善戦しており、長い距離への一定の適性を示している。JRAでは差し、追い込み馬として活躍してきたが、短距離でも結果を示してきた機動力は、内回りのマイルという舞台への適性でこそ発揮できそう。持ち前の末脚を生かし、上位進出を狙う。


ヒストリーメイカー(牡11・佐々木国明厩舎)



 シーズン2戦目のコスモバルク記念(5月8日)では、積極的に先手を主張する競馬を見せてレースを作り、11歳馬らしからぬ先行力をアピールして2着に粘り込んだ。続く赤レンガ記念では、いささかオーバーペースだった影響もあり、勝負どころで失速して最下位10着に敗れたが、佐賀所属時の23年に当地のグランプリ・中島記念を逃げ切っており、直線の短い内回りに替わっての変身は十分に見込められる。マイルの距離は初めてだが、自分のレーススタイルに持ち込めれば、巻き返す可能性はありそうだ。


ブリッツファング(牡6・川島洋人厩舎)



 3歳1月にデビューし、重賞初挑戦となったJpnII兵庫チャンピオンシップ(園田競馬場)でタイトル獲得を果たすと、続くJpnI・ジャパンダートダービーでは、勝ち馬から0秒2差の3着に入った。今シーズン途中からホッカイドウ競馬へ移籍し、イクイノックス・プレミアム(6月4日)3着、続く赤レンガ記念では4着と入着を重ねている。1,600mはデビュー2戦目のヒヤシンスステークス(東京競馬場)9着以来だが、転入3戦目での変わり身も十分にありそう。約3年2カ月ぶりの白星を掴めるかが焦点となりそうだ。


ベルピット(牡5・角川秀樹厩舎)



 今年初戦のドウデュース・プレミアム(4月23日)こそ、パッションクライの逃げ切りを許したものの、続くコスモバルク記念では7馬身差、前走の赤レンガ記念も8馬身差で圧勝しており、当地の古馬マイル・中距離重賞を完全制覇してシーズンを終えた昨年の能力をキープするどころか、それ以上の貫録を見せている。昨年の当レースでも4コーナーから先頭に立つと後続に6馬身差をつけており、内回りが能力発揮のためのネックになることはないだろう。16-17年オヤコダカ、18-19年スーパーステションに続く連覇に向け、視界は良好だ。


※五十音順

※出走馬は7月24日現在の情報をもとにしております。