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HOKKAIDO KEIBA 2024

レースガイド

さらなる未来を信じて 「3歳王者」の冠を目指す

1980年、現存するホッカイドウ競馬三冠競走としては最後に創設された重賞。当初は岩見沢競馬場・ダート1,900mの条件で施行されていた。開催競馬場や施行距離が何度か変遷してきたレースで、2007年に北海優駿と入れ替わる形で3歳三冠の最終戦に位置づけられ、15年の第36回より、現在と同じ門別競馬場・ダート1,800mの施行条件に改められている。およそ1カ月前の北海優駿から距離が1ハロン短縮され、3歳馬クラシック路線の総決算にふさわしい激戦が期待される。なお、16年より、北斗盃、北海優駿、王冠賞の3歳三冠達成馬の関係者に2000万円(二冠達成馬には250万円)のボーナスが支給される。



★1着馬の馬主に「グレナディアガーズ」の2026年種付権利を付与【スタリオンシリーズ】

前年ハイライト

レースの序盤は、スタート直後の先行争いから抜け出してハナに立ったパッションクライを、キタサンヒコボシ・プラセボらが追う展開。3コーナーでプラセボがパッションクライに並びかけると、中団からポジションを押し上げたブラックバトラーもこの2頭を捕らえにかかり、3頭が並走したままゴール前の直線に入りました。その後、残り200m地点のあたりでプラセボとブラックバトラーが抜け出し、2頭の一騎打ちに。結局、決勝線の手前で前に出たプラセボがブラックバトラーの追撃をクビ差だけ凌ぎ切り、自身初の重賞制覇を果たしています。

データ分析

臨戦過程が明暗を分けそう。過去5年の前走レース別成績を見ると、北海優駿の馬は[4-3-4-4](3着内率73.3%)、その他のレースの馬は[1-2-1-34](3着内率10.5%)です。ホッカイドウ競馬3歳馬三冠競走の2戦目にあたる北海優駿から直行してきた馬は、上位に食い込む可能性がかなり高いと見るべきでしょう。

上位人気馬が非常に堅実

過去5年の単勝人気順別成績を見ると、1番人気の馬は[2-2-1-0](3着内率100.0%)、2番人気から4番人気の馬は[2-3-2-8](3着内率46.7%)、5番人気から10番人気の馬は[1-0-2-22](3着内率12.0%)、11番人気以下の馬は[0-0-0-8](3着内率0.0%)となっています。昨年の優勝馬プラセボは単勝オッズ71.7倍(7番人気)の人気薄だったものの、前評判が低い馬は基本的に強調できません。

表1単勝人気順別成績(過去5年)
1着 2着 3着 4着 以下 総数 勝率 連対率 3着内率
1番人気 2 2 1 0 5 40.0% 80.0% 100.0%
2番人気 0 2 1 2 5 0.0% 40.0% 60.0%
3番人気 1 0 0 4 5 20.0% 20.0% 20.0%
4番人気 1 1 1 2 5 20.0% 40.0% 60.0%
5番人気 0 0 1 4 5 0.0% 0.0% 20.0%
6番人気 0 0 0 5 5 0.0% 0.0% 0.0%
7番人気 1 0 0 4 5 20.0% 20.0% 20.0%
8番人気 0 0 0 4 4 0.0% 0.0% 0.0%
9番人気 0 0 0 3 3 0.0% 0.0% 0.0%
10番人気 0 0 1 2 3 0.0% 0.0% 33.3%
11番人気 0 0 0 3 3 0.0% 0.0% 0.0%
12番人気 0 0 0 3 3 0.0% 0.0% 0.0%
13番人気 0 0 0 1 1 0.0% 0.0% 0.0%
14番人気 0 0 0 1 1 0.0% 0.0% 0.0%
桑村真明騎手らが好成績

過去5年の騎手別成績を見ると、3着以内となった回数が3回以上の現役ジョッキーは、石川倭騎手・桑村真明騎手・服部茂史騎手の3名となっています。今後もしっかりマークしておきたいところです。

表2騎手別成績(過去5年)
1着 2着 3着 4着 以下 総数 勝率 連対率 3着内率
桑村真明 2 1 1 1 5 40.0% 60.0% 80.0%
石川倭 1 2 0 1 4 25.0% 75.0% 75.0%
服部茂史 1 0 2 1 4 25.0% 25.0% 75.0%
小杉亮 1 0 0 0 1 100.0% 100.0% 100.0%
落合玄太 0 1 0 4 5 0.0% 20.0% 20.0%
井上俊彦 0 0 1 0 1 0.0% 0.0% 100.0%
山本咲希到 0 0 1 0 1 0.0% 0.0% 100.0%
その他の騎手 0 1 0 31 32 0.0% 3.1% 3.1%
前走好走馬が優勢

過去5年の前走着順別成績を見ると、2着以内の馬は[3-5-3-17](3着内率39.3%)、3着から5着の馬は[2-0-2-12](3着内率25.0%)、6着以下の馬は[0-0-0-9](3着内率0.0%)となっています。大敗直後の馬は評価を下げるべきでしょう。

表3前走着順別成績(過去5年)
1着 2着 3着 4着 以下 総数 勝率 連対率 3着内率
1着 3 3 1 13 20 15.0% 30.0% 35.0%
2着 0 2 2 4 8 0.0% 25.0% 50.0%
3着 1 0 1 5 7 14.3% 14.3% 28.6%
4着 1 0 0 4 5 20.0% 20.0% 20.0%
5着 0 0 1 3 4 0.0% 0.0% 25.0%
6着 0 0 0 2 2 0.0% 0.0% 0.0%
7着 0 0 0 4 4 0.0% 0.0% 0.0%
10着 0 0 0 2 2 0.0% 0.0% 0.0%
11着 0 0 0 1 1 0.0% 0.0% 0.0%
前走出走頭数も見逃せないポイント

過去5年の前走出走頭数別成績を見ると、8頭以下の馬は[1-1-1-15](3着内率16.7%)、9頭以上の馬は[4-4-4-23](3着内率34.3%)となっています。なお、2022年以降の過去3年に限ると、8頭以下の馬は[0-0-0-9](3着内率0.0%)、9頭以上の馬は[3-3-3-13](3着内率40.9%)でした。少頭数のレースをステップに臨む馬は、疑ってかかった方が良いかもしれません。

表4前走出走頭数別成績(過去5年)
1着 2着 3着 4着 以下 総数 勝率 連対率 3着内率
7頭 0 1 0 6 7 0.0% 14.3% 14.3%
8頭 1 0 1 9 11 9.1% 9.1% 18.2%
9頭 1 0 1 3 5 20.0% 20.0% 40.0%
10頭 1 1 0 3 5 20.0% 40.0% 40.0%
11頭 0 2 2 13 17 0.0% 11.8% 23.5%
12頭 2 1 1 4 8 25.0% 37.5% 50.0%

(伊吹 雅也)

有力馬情報

ウィルオレオール(牡3・小国博行厩舎)



 一冠目の北斗盃(5月1日)では果敢に先行策をとり、アタマ差の接戦を演じた。続く北海優駿がパスし、地方他地区として唯一、JpnI東京ダービー(6月11日、大井競馬場)に挑戦している。結果こそ13着と伴わなかったものの、JRA・南関東の強豪を相手にトップレベルの闘いを見せたことは今後に繋がるはずだ。ライバルのソルジャーフィルドとは3度対戦して3度とも先着を許しているものの、1戦ごとに着差は詰めており、成長の跡が見てとれるのも確か。3歳最後の大舞台で一矢報いる走りを演じ、平和賞(船橋競馬場)以来のタイトル獲得を狙う。


ジェーケーボンバー(牡3・廣森久雄厩舎)



 昨年のオフシーズンは大井競馬場で3戦を消化し、のちのJpnI羽田盃2着馬・ナイトオブファイアとも切磋琢磨を続けてきた。北斗盃4着、北海優駿(6月12日)3着で見せた末脚は、強敵を相手に揉まれてきた成長の成果とみていいだろう。今回のパートナーは、金沢競馬の名手・吉原寛人騎手。6月からここまでの1カ月半で重賞9勝と、現在まさに波に乗っているパートナーとのタッグは実に心強く、長い直線を生かしての豪脚が炸裂する可能性も十分。「最強の1勝馬」の称号を返上し、重賞初制覇となるか。


ゼロアワー(牝3・佐々木国明厩舎)



 2歳時に牝馬重賞3連勝を果たし、オフシーズンに川崎競馬へ移籍。勝ち星こそ挙げられなかったものの、東京2歳優駿牝馬(大井競馬場)、ユングフラウ賞(浦和競馬場)で続けて2着に入るなど、南関東の牝馬クラシック戦線でも上位に顔を覗かせていた。東京プリンセス賞(4月30日、大井競馬場)9着の後、古巣復帰戦となったフロイラインカップ(6月26日)は、終始後続を寄せ付けず大差圧勝。地元3歳牝馬では敵なしをあらためて証明した。牡馬の一線級を撃破し、18年クロスウィンド以来7年ぶりとなる牝馬での勝利を狙う。


ソルジャーフィルド(牡3・川島洋人厩舎)



 一冠目の北斗盃は先行するウィルオレオールとのマッチレースからアタマ差抜け出して勝利。前走の北海優駿は他馬の厳しいマークに遭い、4コーナーでは一旦進路を失うという絶体絶命の展開に持ち込まれたが、それでも直線で内ラチ沿いの進路を選択してからは鮮やかに抜け出すという、能力を改めて証明する走りで二冠制覇を成し遂げた。ここまでくると、期待されるのは23年ベルピット以来2年ぶり8頭目となるホッカイドウ競馬3歳三冠制覇のみ。ライバルたちの動きをかわし、世代の頂点に立つ。


バリウィール(牡3・小国博行厩舎)



 デビュー6戦目、1,700mのアタックチャレンジから、3連勝で重賞・南部駒賞(水沢競馬場)を制覇。オフも他地区参戦を続け、ネクストスター北日本(4月6日)で重賞2勝目を飾っている。前走の北海優駿では、初めての2,000mという課題がありながらも、4コーナーで一旦は先頭に立ち、ソルジャーフィルドから0秒8差の4着と見せ場を作ったのは収穫だろう。今回新たにタッグを組むのは、笠松競馬の若きリーディング・渡邊竜也騎手。トップジョッキーの手腕も借り、持ち前の先行力を生かせるか注目だ。


※五十音順

※出走馬は7月17日現在の情報をもとにしております。