
レースガイド
世代短距離女王へ “少女”から階段を駆け抜ける春
競走名“Fräulein”は、独語で「未婚の女性。お嬢さん」の意。2024年、ホッカイドウ競馬における3歳牝馬重賞の充実を図るため、中距離部門の重賞・フロイラインカップ(復刻)に並ぶ重賞として創設された。1周1,600mの外回りコースをおよそ半周する6ハロンの舞台は、短距離路線の根幹にあたる。ハイレベルな2歳戦を戦い抜いてきたホッカイドウ競馬に所属する3歳馬の短距離女王を決する1戦は、同舞台で行われる夏の星雲賞→北海道スプリントCにもつながるだろう。
★1着馬の馬主に「シャープアステカ」の2026年種付権利を付与【スタリオンシリーズ競走】
前年ハイライト
スタート直後の先行争いを制し、まずハナを切ったのはライトヴェール。これをコモリリーガル・ヨシノヒローインの2頭が追走し、ヴィヴィアンエイトがやや離れた4番手につける形で3コーナーへと入りました。その後、4コーナーでライトヴェールがコモリリーガルとヨシノヒローインを引き離しにかかり、単独先頭でゴール前の直線へ。そのままライトヴェールが内ラチ沿いで粘り込みを図ったものの、大外から伸びたヴィヴィアンエイトが決勝線の手前で並ぶ間もなくかわしきり、自身3度目の重賞制覇を果たしています。
データ分析
初めて施行された2024年のフロイラインスプリントは、前走の最終コーナーを1番手で通過した馬が4頭出走し、そのうちライトヴェールが2着に、コモリリーガルが3着に食い込みました。一方、前走の最終コーナー通過順が2番手以下だった10頭のうち、3着以内となったのはヴィヴィアンエイト(1着)だけです。前走の最終コーナーを先頭で通過した馬は、ひと通りチェックしておいた方が良いかもしれません。
上位人気馬に注目した方が良さそう
2024年のフロイラインスプリントは、単勝1番人気のヴィヴィアンエイトが1着、単勝2番人気のライトヴェールが2着となっています。なお、同じ3歳牝馬限定の重賞競走として施行された2024年のフロイラインカップでも、単勝1番人気のポルラノーチェが1着、単勝2番人気のヴィヴィアンエイトが2着となりました。人気の中心となっている馬は、相応に高く評価するべきでしょう。
1着 | 2着 | 3着 | 4着 以下 | 総数 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1番人気 | 1 | 0 | 0 | 0 | 1 | 100.0% | 100.0% | 100.0% |
2番人気 | 0 | 1 | 0 | 0 | 1 | 0.0% | 100.0% | 100.0% |
3番人気 | 0 | 0 | 0 | 1 | 1 | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
4番人気 | 0 | 0 | 1 | 0 | 1 | 0.0% | 0.0% | 100.0% |
5番人気 | 0 | 0 | 0 | 1 | 1 | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
6番人気 | 0 | 0 | 0 | 1 | 1 | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
7番人気 | 0 | 0 | 0 | 1 | 1 | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
8番人気 | 0 | 0 | 0 | 1 | 1 | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
9番人気 | 0 | 0 | 0 | 1 | 1 | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
10番人気 | 0 | 0 | 0 | 1 | 1 | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
11番人気 | 0 | 0 | 0 | 1 | 1 | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
12番人気 | 0 | 0 | 0 | 1 | 1 | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
13番人気 | 0 | 0 | 0 | 1 | 1 | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
14番人気 | 0 | 0 | 0 | 1 | 1 | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
昨年の上位馬を管理していたトレーナーは……
2024年のフロイラインスプリントは、齊藤正弘調教師の管理するヴィヴィアンエイトが1着、角川秀樹調教師の管理するライトヴェールが2着、米川昇調教師の管理するコモリリーガルが3着となっています。なお、同じ3歳牝馬限定の重賞競走として施行された2024年のフロイラインカップでも、齊藤正弘調教師の管理するヴィヴィアンエイトが2着に、米川昇調教師の管理するコモリリーガルが3着に食い込みました。これらのトレーナーは、この条件と相性が良い可能性もありそうです。
1着 | 2着 | 3着 | 4着 以下 | 総数 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
齊藤正弘 | 1 | 0 | 0 | 0 | 1 | 100.0% | 100.0% | 100.0% |
角川秀樹 | 0 | 1 | 0 | 1 | 2 | 0.0% | 50.0% | 50.0% |
米川昇 | 0 | 0 | 1 | 0 | 1 | 0.0% | 0.0% | 100.0% |
その他の調教師 | 0 | 0 | 0 | 10 | 10 | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
外枠有利なレースになるかも
2024年のフロイラインスプリントで3着以内となった3頭は、いずれも枠番が6枠か7枠でした。なお、同じ3歳牝馬限定の重賞競走として施行された2024年のフロイラインカップも、6枠から8枠の馬が1着から3着を占めています。外寄りの枠に入った馬を重視するべきかもしれません。
1着 | 2着 | 3着 | 4着 以下 | 総数 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1枠 | 0 | 0 | 0 | 1 | 1 | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
2枠 | 0 | 0 | 0 | 1 | 1 | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
3枠 | 0 | 0 | 0 | 2 | 2 | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
4枠 | 0 | 0 | 0 | 2 | 2 | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
5枠 | 0 | 0 | 0 | 2 | 2 | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
6枠 | 0 | 1 | 0 | 1 | 2 | 0.0% | 50.0% | 50.0% |
7枠 | 1 | 0 | 1 | 0 | 2 | 50.0% | 50.0% | 100.0% |
8枠 | 0 | 0 | 0 | 2 | 2 | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
前走好走馬をマークしておきたい
2024年のフロイラインスプリントで3着以内となった3頭は、いずれも前走の着順が2着以内でした。なお、同じ3歳牝馬限定の重賞競走として施行された2024年のフロイラインカップも、前走で3着以内に好走していた6頭のうち3頭が1着から3着を占めています。大敗直後の馬は疑ってかかるべきでしょう。
1着 | 2着 | 3着 | 4着 以下 | 総数 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1着 | 0 | 1 | 1 | 2 | 4 | 0.0% | 25.0% | 50.0% |
2着 | 1 | 0 | 0 | 0 | 1 | 100.0% | 100.0% | 100.0% |
3着 | 0 | 0 | 0 | 2 | 2 | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
5着 | 0 | 0 | 0 | 1 | 1 | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
6着 | 0 | 0 | 0 | 2 | 2 | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
7着 | 0 | 0 | 0 | 1 | 1 | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
9着 | 0 | 0 | 0 | 2 | 2 | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
14着 | 0 | 0 | 0 | 1 | 1 | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
(伊吹 雅也)
有力馬情報
- ☆イイデマイヒメ(牝3・村上正和厩舎)
- 昨年のサッポロクラシックカップ(8月8日)で、外から鋭い決め手で差し切り重賞初制覇。非凡なセンスの一端を示した。従えた相手もベラジオドリーム、ミラクルヴォイス、ジュゲムーンと、その後各地の重賞戦線で活躍しており、レースレベルの高さがうかがえる。その後は1周競馬へ対応しきれず、エーデルワイス賞を感冒で取り消したように順調さを欠くなどしたものの、わずかキャリア1戦で牡馬を撃破し、重賞を制した実力はまさに本物。ポテンシャルの高さを再び重賞の舞台でアピールし、2つ目のタイトルを狙う。
- ☆スティールブライト(牝3・角川秀樹厩舎)
- 能検時から非凡なダッシュ力を示し、昨シーズン開幕日のスーパーフレッシュチャレンジでデビューし2着。2戦目のアタックチャレンジで初勝利を上げると、その後は積極的に重賞戦線に挑み、初遠征のプリンセスカップ(10月30日、盛岡競馬場)でクビ差2着に入った。父のモーニンは初年度から産駒が頭角を現し、3世代で8頭が重賞を勝利。門別でもヨシノヒローインとリオンダリーナが重賞を制している。同じ角川厩舎所属としてフローラルカップ・リリーカップを制した半姉スティールグレイスに続く重賞勝利を狙う。
- ☆トレヴェナ(牝3・角川秀樹厩舎)
- デビューから3戦目のアタックチャレンジで初勝利を上げると、オープンに昇級した後も堅実な走り。重賞初挑戦となったフルールカップ(8月21日)でゼロアワーから1馬身半差の2着に入ったほか、金沢シンデレラカップ(9月21日)3着、ラブミーチャン記念(11月19日、笠松競馬場)5着など、遠征競馬でも一定の結果を残した。他流試合や強敵への挑戦など、レース経験を積むごとに実力を増してきた印象。重賞戦線ではあと一歩のところでタイトルを掴めるところまで迫っただけに、今回は「最強の1勝馬」の冠を返上できるかが焦点だろう。
- ☆ボディコンシャス(牝3・小野望厩舎)
- 4歳上の半姉は22年のJpnI・JBCレディスクラシックを制したアイコンテーラー。2歳時から栄冠賞(6月19日)5着、リリーカップ(7月25日)3着など頭角を現していた。オフシーズンの大井競馬では1,200mで初勝利を挙げ、前走の1,000m戦・鳥待月特別(4月16日)では、好ダッシュから終始後続を寄せ付けず4馬身差で快勝した。馬場状態も味方したとはいえ、走破時計58秒8は快速牝馬・アザワクが20年グランシャリオ門別スプリントでマークしたレコードタイムから0秒4差で、白砂への移行後は最速。自慢の速力を生かし、重賞初制覇を狙う。
- ☆ワンダーウーマン(牝3・石本孝博厩舎)
- JpnIII・エーデルワイス賞を制するなど、ホッカイドウ競馬デビューから浦和競馬へ移籍し、3年連続でNAR最優秀牝馬を受賞したスピーディキックの半妹。デビューは2歳6月と、ホッカイドウ競馬のなかでは比較的遅めではあったが、デビューから3戦目のアタックチャレンジで初勝利を上げると、続くウィナーズチャレンジ6(9月18日)も連勝し、重賞戦線へ駒を進めた。今年初戦の夏端月特別(4月16日)も好ダッシュを生かし、2着に5馬身差をつける完勝。キャリア7戦、成長力のある血統からも奥行きがうかがえ、「3度目の正直」で重賞制覇となるか。
- ※五十音順
※出走馬は5月8日現在の情報をもとにしております。