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HOKKAIDO KEIBA 2024

レースガイド

3歳クラシックの幕開け 輝け北斗の星

1977年、旭川競馬場・ダート1,600mの条件で第1回が行われる。その後90年代後半から2010年代半ばまでは1,000-1,200mの短距離で施行されていたが、門別競馬場に内回りコースが新設された15年、マイル重賞の目玉のひとつとして生まれ変わった。ホッカイドウ競馬の3歳三冠ロードの第一関門は、道中の動きにも注意が必要となる舞台設定。グランシャリオ(北斗七星)の名を冠する1戦は、スピードとスタミナ、そして騎手の技量のすべてが試される、スリリングなレース運びに注目したい。



★優勝馬の馬主に「フィエールマン」の2026年種付権利を付与(スタリオンシリーズ)


★1・2着馬に「第53回北海優駿」(6月12日)の優先出走権を付与

前年ハイライト

レースの序盤は、まずハナに立ったキタサンヒコボシをカプセル・パッションクライらが追う展開。向正面でパッションクライがキタサンヒコボシに並びかけ、3コーナーで単独先頭となりました。4コーナーではブラックバトラーが中団から一気にポジションを押し上げ、パッションクライに続く2番手でゴール前の直線へ。残り200m地点を過ぎたところでブラックバトラーがパッションクライをかわし、外から伸びてきたミソの追撃も凌ぎ切って、3歳馬三冠競走の初戦を制しています。

データ分析

枠順が明暗を分ける可能性もありそう。過去5年の枠番別成績を見ると、1枠の馬は[2-0-1-2](3着内率60.0%)、2枠から7枠の馬は[2-3-2-22](3着内率24.1%)、8枠の馬は[1-2-2-2](3着内率71.4%)です。なお、2022年以降の過去3年に限ると、1枠の馬は[2-0-1-0](3着内率100.0%)、2枠から7枠の馬は[1-1-0-15](3着内率11.8%)、8枠の馬は[0-2-2-1](3着内率80.0%)でした。内外極端な枠に入った馬はしっかりチェックしておきましょう。

堅く収まりがちな一戦

過去5年の単勝人気順別成績を見ると、3番人気以内の馬は[5-3-3-4](3着内率73.3%)、4番人気から7番人気の馬は[0-2-2-16](3着内率20.0%)、8番人気以下の馬は[0-0-0-6](3着内率0.0%)となっています。上位人気馬の信頼度が高いレースと言って良さそうです。

表1単勝人気順別成績(過去5年)
1着 2着 3着 4着 以下 総数 勝率 連対率 3着内率
1番人気 3 0 1 1 5 60.0% 60.0% 80.0%
2番人気 1 3 0 1 5 20.0% 80.0% 80.0%
3番人気 1 0 2 2 5 20.0% 20.0% 60.0%
4番人気 0 1 0 4 5 0.0% 20.0% 20.0%
5番人気 0 1 1 3 5 0.0% 20.0% 40.0%
6番人気 0 0 0 5 5 0.0% 0.0% 0.0%
7番人気 0 0 1 4 5 0.0% 0.0% 20.0%
8番人気 0 0 0 4 4 0.0% 0.0% 0.0%
9番人気 0 0 0 2 2 0.0% 0.0% 0.0%
近年は好走馬の鞍上が偏っている

過去5年の騎手別成績を見ると、3着以内となった回数が3回以上の現役ジョッキーは、桑村真明騎手、落合玄太騎手の2名となっています。なお、2022年以降の過去3年に限ると、桑村真明騎手が[1-1-1-0](3着内率100.0%)、石川倭騎手が[1-1-0-1](3着内率66.7%)、落合玄太騎手が[1-0-2-0](3着内率100.0%)だった一方で、その他の騎手は[0-1-0-15](3着内率6.3%)でした。引き続き同様の決着を警戒しておいた方が良いかもしれません。

表2騎手別成績(過去5年)
1着 2着 3着 4着 以下 総数 勝率 連対率 3着内率
桑村真明 1 1 1 2 5 20.0% 40.0% 60.0%
石川倭 1 1 0 2 4 25.0% 50.0% 50.0%
落合玄太 1 0 2 2 5 20.0% 20.0% 60.0%
井上俊彦 1 0 0 1 2 50.0% 50.0% 50.0%
服部茂史 0 2 0 3 5 0.0% 40.0% 40.0%
松井伸也 0 1 1 2 4 0.0% 25.0% 50.0%
阿部龍 0 0 1 3 4 0.0% 0.0% 25.0%
その他の騎手 1 0 0 11 12 8.3% 8.3% 8.3%
角川秀樹調教師と田中淳司調教師が好成績

過去5年の調教師別成績を見ると、3着以内となった回数が2回以上の現役トレーナーは、角川秀樹調教師、田中淳司調教師の2名となっています。今年も管理馬を出走させてくるようであれば、ひと通りマークしておくべきでしょう。

表3調教師別成績(過去5年)
1着 2着 3着 4着 以下 総数 勝率 連対率 3着内率
角川秀樹 1 1 1 2 5 20.0% 40.0% 60.0%
田中淳司 1 1 1 7 10 10.0% 20.0% 30.0%
米川昇 1 0 0 2 3 33.3% 33.3% 33.3%
佐久間雅貴 0 1 0 0 1 0.0% 100.0% 100.0%
小国博行 0 1 0 1 2 0.0% 50.0% 50.0%
山口竜一 0 0 1 0 1 0.0% 0.0% 100.0%
桧森邦夫 0 0 1 4 5 0.0% 0.0% 20.0%
齊藤正弘 0 0 1 1 2 0.0% 0.0% 50.0%
その他の調教師 2 1 0 9 12 16.7% 25.0% 25.0%
前走の距離に注目

過去5年の前走距離別成績を見ると、1700m未満の馬は[2-1-2-15](3着内率25.0%)、1700m以上の馬は[3-4-3-11](3着内率47.6%)となっています。なお、2022年以降の過去3年に限ると、1700m未満の馬は[0-0-1-9](3着内率10.0%)、1700m以上の馬は[3-3-2-7](3着内率53.3%)でした。前走が今回より長い距離のレースだった馬を重視したいところです。

表4前走距離別成績(過去5年)
1着 2着 3着 4着 以下 総数 勝率 連対率 3着内率
1000m 0 0 0 1 1 0.0% 0.0% 0.0%
1200m 0 1 2 6 9 0.0% 11.1% 33.3%
1400m 0 0 0 1 1 0.0% 0.0% 0.0%
1500m 0 0 0 2 2 0.0% 0.0% 0.0%
1600m 2 0 0 5 7 28.6% 28.6% 28.6%
1700m 3 4 3 10 20 15.0% 35.0% 50.0%
1800m 0 0 0 1 1 0.0% 0.0% 0.0%

(伊吹 雅也)

有力馬情報

ウィルオレオール(牡3・小国博行厩舎)



 レッドベルジュールの初年度産駒。2歳時に1,200mの栄冠賞(6月19日)で2着に入ると、その後も着実に成長を遂げ、平和賞(10月30日、船橋競馬場)で重賞初制覇、オフシーズンも果敢にダートグレード戦線に挑み続け、JpnIIIブルーバードC(1月22日、船橋競馬場)では、中団からしぶとく脚を伸ばし、地方最先着の3着と善戦している。デビュー当初から見せていた非凡なセンスは、距離を延ばしつつ開花しつつある様子。オフシーズンも強敵を相手に戦ってきた経験を生かし、地元重賞初制覇を狙う。


ジェーケーボンバー(牡3・福田真広厩舎)



 デビューは2歳8月と比較的遅めだったが、2歳時の門別では3戦1勝2着1回と堅実に駆けた。オフシーズンには大井競馬場で3戦し、勝てないまでも2着2回と一定以上の成績を残した。のちにJpnII京浜盃で3着に好走したナイトオブファイアとは3度対戦し、準重賞・'24セラフィナイト賞(12月26日、大井競馬場)では2馬身半差の2着にまで詰め寄っている。キャリアは浅いが、裏を返せば伸びしろの大きさはメンバー中でも随一と言えよう。南関東で強敵と戦ってきた経験を糧に、古巣復帰初戦で成長をアピールする。


シュネルカガ(牡3・桧森邦夫厩舎)



 父・シゲルカガは、15年に北海道スプリントカップを勝利。産駒数は決して多くはないものの、昨年門別競馬場でデビューした3頭は、本馬も含めすべてJRA認定を獲得している。1,700mのフレッシュチャレンジ(5月14日)を3馬身差で快勝すると、デビュー3戦目のターフチャレンジI(7月9日)では3着、続くコスモス賞(8月11日、札幌競馬場)では、中団から流れ込み4着と善戦している。近況こそ着外の競馬が続いているものの、豊富なスタミナは大きな強み。追い比べの展開になれば、浮上のチャンスもうかがえる。


ソルジャーフィルド(牡3・川島洋人厩舎)



 ブリーダーズゴールドジュニアカップ(8月22日)、サンライズカップ(10月2日)は、僚馬・リコースパローにわずかに及ばなかったものの、JpnIII・JBC2歳優駿(11月4日)では、持ち前の末脚を存分に生かして重賞初制覇。続くJpnI全日本2歳優駿(12月11日、川崎競馬場)も3着に食い込み、NAR2歳最優秀牡馬の座に輝いた。今年の京浜盃(3月26日、大井競馬場)も後方から鋭く脚を伸ばし4着と、地方競馬で世代有数の末脚をアピール。デビュー以来初めての内回りを克服し、3歳三冠ロードでも主役の座を狙う。


ミラクルヴォイス(牡3・佐久間雅貴厩舎)



 2歳の6月にデビューし、5戦目のネクストスター門別(10月3日)を力強く差し切って重賞制覇を果たした。南部駒賞を取り消し、冬場の休養を挟んだ後に臨んだネクストスター北日本(4月6日、水沢競馬場)は、初めての1周競馬ということもあってか道中のコーナーリングにスムーズさを欠いたものの、直線では激しい競り合いを演じ、勝ったバリウィールからハナ差の2着にまで追いつめた。馬体面でも成長がみられ、輸送と距離という2つの課題をクリアしたのは今回につながるはず。初のマイルを克服し、重賞2勝目を狙う。


※五十音順

※出走馬は4月24日現在の情報をもとにしております。