
レースガイド
3歳クラシックの幕開け 輝け北斗の星
1977年、旭川競馬場・ダート1,600mの条件で第1回が行われる。その後90年代後半から2010年代半ばまでは1,000-1,200mの短距離で施行されていたが、門別競馬場に内回りコースが新設された15年、マイル重賞の目玉のひとつとして生まれ変わった。ホッカイドウ競馬の3歳三冠ロードの第一関門は、道中の動きにも注意が必要となる舞台設定。グランシャリオ(北斗七星)の名を冠する1戦は、スピードとスタミナ、そして騎手の技量のすべてが試される、スリリングなレース運びに注目したい。
★優勝馬の馬主に「フィエールマン」の2026年種付権利を付与(スタリオンシリーズ)
★1・2着馬に「第53回北海優駿」(6月12日)の優先出走権を付与
前年ハイライト
レースの序盤は、まずハナに立ったキタサンヒコボシをカプセル・パッションクライらが追う展開。向正面でパッションクライがキタサンヒコボシに並びかけ、3コーナーで単独先頭となりました。4コーナーではブラックバトラーが中団から一気にポジションを押し上げ、パッションクライに続く2番手でゴール前の直線へ。残り200m地点を過ぎたところでブラックバトラーがパッションクライをかわし、外から伸びてきたミソの追撃も凌ぎ切って、3歳馬三冠競走の初戦を制しています。
データ分析
枠順が明暗を分ける可能性もありそう。過去5年の枠番別成績を見ると、1枠の馬は[2-0-1-2](3着内率60.0%)、2枠から7枠の馬は[2-3-2-22](3着内率24.1%)、8枠の馬は[1-2-2-2](3着内率71.4%)です。なお、2022年以降の過去3年に限ると、1枠の馬は[2-0-1-0](3着内率100.0%)、2枠から7枠の馬は[1-1-0-15](3着内率11.8%)、8枠の馬は[0-2-2-1](3着内率80.0%)でした。内外極端な枠に入った馬はしっかりチェックしておきましょう。
堅く収まりがちな一戦
過去5年の単勝人気順別成績を見ると、3番人気以内の馬は[5-3-3-4](3着内率73.3%)、4番人気から7番人気の馬は[0-2-2-16](3着内率20.0%)、8番人気以下の馬は[0-0-0-6](3着内率0.0%)となっています。上位人気馬の信頼度が高いレースと言って良さそうです。
1着 | 2着 | 3着 | 4着 以下 | 総数 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1番人気 | 3 | 0 | 1 | 1 | 5 | 60.0% | 60.0% | 80.0% |
2番人気 | 1 | 3 | 0 | 1 | 5 | 20.0% | 80.0% | 80.0% |
3番人気 | 1 | 0 | 2 | 2 | 5 | 20.0% | 20.0% | 60.0% |
4番人気 | 0 | 1 | 0 | 4 | 5 | 0.0% | 20.0% | 20.0% |
5番人気 | 0 | 1 | 1 | 3 | 5 | 0.0% | 20.0% | 40.0% |
6番人気 | 0 | 0 | 0 | 5 | 5 | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
7番人気 | 0 | 0 | 1 | 4 | 5 | 0.0% | 0.0% | 20.0% |
8番人気 | 0 | 0 | 0 | 4 | 4 | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
9番人気 | 0 | 0 | 0 | 2 | 2 | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
近年は好走馬の鞍上が偏っている
過去5年の騎手別成績を見ると、3着以内となった回数が3回以上の現役ジョッキーは、桑村真明騎手、落合玄太騎手の2名となっています。なお、2022年以降の過去3年に限ると、桑村真明騎手が[1-1-1-0](3着内率100.0%)、石川倭騎手が[1-1-0-1](3着内率66.7%)、落合玄太騎手が[1-0-2-0](3着内率100.0%)だった一方で、その他の騎手は[0-1-0-15](3着内率6.3%)でした。引き続き同様の決着を警戒しておいた方が良いかもしれません。
1着 | 2着 | 3着 | 4着 以下 | 総数 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
桑村真明 | 1 | 1 | 1 | 2 | 5 | 20.0% | 40.0% | 60.0% |
石川倭 | 1 | 1 | 0 | 2 | 4 | 25.0% | 50.0% | 50.0% |
落合玄太 | 1 | 0 | 2 | 2 | 5 | 20.0% | 20.0% | 60.0% |
井上俊彦 | 1 | 0 | 0 | 1 | 2 | 50.0% | 50.0% | 50.0% |
服部茂史 | 0 | 2 | 0 | 3 | 5 | 0.0% | 40.0% | 40.0% |
松井伸也 | 0 | 1 | 1 | 2 | 4 | 0.0% | 25.0% | 50.0% |
阿部龍 | 0 | 0 | 1 | 3 | 4 | 0.0% | 0.0% | 25.0% |
その他の騎手 | 1 | 0 | 0 | 11 | 12 | 8.3% | 8.3% | 8.3% |
角川秀樹調教師と田中淳司調教師が好成績
過去5年の調教師別成績を見ると、3着以内となった回数が2回以上の現役トレーナーは、角川秀樹調教師、田中淳司調教師の2名となっています。今年も管理馬を出走させてくるようであれば、ひと通りマークしておくべきでしょう。
1着 | 2着 | 3着 | 4着 以下 | 総数 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
角川秀樹 | 1 | 1 | 1 | 2 | 5 | 20.0% | 40.0% | 60.0% |
田中淳司 | 1 | 1 | 1 | 7 | 10 | 10.0% | 20.0% | 30.0% |
米川昇 | 1 | 0 | 0 | 2 | 3 | 33.3% | 33.3% | 33.3% |
佐久間雅貴 | 0 | 1 | 0 | 0 | 1 | 0.0% | 100.0% | 100.0% |
小国博行 | 0 | 1 | 0 | 1 | 2 | 0.0% | 50.0% | 50.0% |
山口竜一 | 0 | 0 | 1 | 0 | 1 | 0.0% | 0.0% | 100.0% |
桧森邦夫 | 0 | 0 | 1 | 4 | 5 | 0.0% | 0.0% | 20.0% |
齊藤正弘 | 0 | 0 | 1 | 1 | 2 | 0.0% | 0.0% | 50.0% |
その他の調教師 | 2 | 1 | 0 | 9 | 12 | 16.7% | 25.0% | 25.0% |
前走の距離に注目
過去5年の前走距離別成績を見ると、1700m未満の馬は[2-1-2-15](3着内率25.0%)、1700m以上の馬は[3-4-3-11](3着内率47.6%)となっています。なお、2022年以降の過去3年に限ると、1700m未満の馬は[0-0-1-9](3着内率10.0%)、1700m以上の馬は[3-3-2-7](3着内率53.3%)でした。前走が今回より長い距離のレースだった馬を重視したいところです。
1着 | 2着 | 3着 | 4着 以下 | 総数 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1000m | 0 | 0 | 0 | 1 | 1 | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
1200m | 0 | 1 | 2 | 6 | 9 | 0.0% | 11.1% | 33.3% |
1400m | 0 | 0 | 0 | 1 | 1 | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
1500m | 0 | 0 | 0 | 2 | 2 | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
1600m | 2 | 0 | 0 | 5 | 7 | 28.6% | 28.6% | 28.6% |
1700m | 3 | 4 | 3 | 10 | 20 | 15.0% | 35.0% | 50.0% |
1800m | 0 | 0 | 0 | 1 | 1 | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
(伊吹 雅也)
有力馬情報
- ☆ウィルオレオール(牡3・小国博行厩舎)
- レッドベルジュールの初年度産駒。2歳時に1,200mの栄冠賞(6月19日)で2着に入ると、その後も着実に成長を遂げ、平和賞(10月30日、船橋競馬場)で重賞初制覇、オフシーズンも果敢にダートグレード戦線に挑み続け、JpnIIIブルーバードC(1月22日、船橋競馬場)では、中団からしぶとく脚を伸ばし、地方最先着の3着と善戦している。デビュー当初から見せていた非凡なセンスは、距離を延ばしつつ開花しつつある様子。オフシーズンも強敵を相手に戦ってきた経験を生かし、地元重賞初制覇を狙う。
- ☆ジェーケーボンバー(牡3・福田真広厩舎)
- デビューは2歳8月と比較的遅めだったが、2歳時の門別では3戦1勝2着1回と堅実に駆けた。オフシーズンには大井競馬場で3戦し、勝てないまでも2着2回と一定以上の成績を残した。のちにJpnII京浜盃で3着に好走したナイトオブファイアとは3度対戦し、準重賞・'24セラフィナイト賞(12月26日、大井競馬場)では2馬身半差の2着にまで詰め寄っている。キャリアは浅いが、裏を返せば伸びしろの大きさはメンバー中でも随一と言えよう。南関東で強敵と戦ってきた経験を糧に、古巣復帰初戦で成長をアピールする。
- ☆シュネルカガ(牡3・桧森邦夫厩舎)
- 父・シゲルカガは、15年に北海道スプリントカップを勝利。産駒数は決して多くはないものの、昨年門別競馬場でデビューした3頭は、本馬も含めすべてJRA認定を獲得している。1,700mのフレッシュチャレンジ(5月14日)を3馬身差で快勝すると、デビュー3戦目のターフチャレンジI(7月9日)では3着、続くコスモス賞(8月11日、札幌競馬場)では、中団から流れ込み4着と善戦している。近況こそ着外の競馬が続いているものの、豊富なスタミナは大きな強み。追い比べの展開になれば、浮上のチャンスもうかがえる。
- ☆ソルジャーフィルド(牡3・川島洋人厩舎)
- ブリーダーズゴールドジュニアカップ(8月22日)、サンライズカップ(10月2日)は、僚馬・リコースパローにわずかに及ばなかったものの、JpnIII・JBC2歳優駿(11月4日)では、持ち前の末脚を存分に生かして重賞初制覇。続くJpnI全日本2歳優駿(12月11日、川崎競馬場)も3着に食い込み、NAR2歳最優秀牡馬の座に輝いた。今年の京浜盃(3月26日、大井競馬場)も後方から鋭く脚を伸ばし4着と、地方競馬で世代有数の末脚をアピール。デビュー以来初めての内回りを克服し、3歳三冠ロードでも主役の座を狙う。
- ☆ミラクルヴォイス(牡3・佐久間雅貴厩舎)
- 2歳の6月にデビューし、5戦目のネクストスター門別(10月3日)を力強く差し切って重賞制覇を果たした。南部駒賞を取り消し、冬場の休養を挟んだ後に臨んだネクストスター北日本(4月6日、水沢競馬場)は、初めての1周競馬ということもあってか道中のコーナーリングにスムーズさを欠いたものの、直線では激しい競り合いを演じ、勝ったバリウィールからハナ差の2着にまで追いつめた。馬体面でも成長がみられ、輸送と距離という2つの課題をクリアしたのは今回につながるはず。初のマイルを克服し、重賞2勝目を狙う。
- ※五十音順
※出走馬は4月24日現在の情報をもとにしております。