netkeiba

HOKKAIDO KEIBA 2024

レースガイド

春のスピード王座を目指して 2025重賞戦線が開幕

競走名(Étoile)はフランス語で「星」の意味。旭川競馬場・ダート1,000mの条件で2001年に第1回が施行される。第10回(2010年)より現在の1,200mに距離が改められた。今年度のホッカイドウ競馬における重賞戦線の幕開けは、11月の道営スプリントを頂点とする古馬短距離路線を占う1戦。冬場を遠征、休養とそれぞれの歩みを進めてきた快速馬たちと、新天地での飛躍を期する移籍馬が初めて相まみえることになり、勢力図を見極める意味でも重要だ。なお、第1回覇者・オースミダイナーは、当レースで国内最高齢重賞勝利記録を更新(13歳)している。



★『カウントアップS(スプリント)』対象競走


★1着馬の生産牧場に「ベンバトル」の2025年種付権利を付与【スタリオンシリーズ競走】

前年ハイライト

スタート直後から激しい先行争いが続き、イッツクール、スティールペガサス、サラキャサリンの3頭が併走する形で3コーナーへ。4コーナーでスティールペガサスがわずかに抜け出し、単独先頭でゴール前の直線に入りました。そこから後続が続々とスティールペガサスに迫り、大きく横に広がっての追い比べとなりましたが、決勝線の手前でピンクヴェノムとシュロスがスティールペガサスをかわし、ほぼ同時に入線。ハナ差だけ先着したシュロスが自身初の重賞タイトルを獲得しています。

データ分析

8月中旬に施行されていた2021年以前を含む過去5年の前走着順別成績を見ると、3着以内の馬は[3-3-3-14](3着内率39.1%)、4着以下の馬は[2-2-2-25](3着内率19.4%)です。ただし、2023年以降の過去2年に限ると、3着以内の馬は[0-0-1-7](3着内率12.5%)、4着以下の馬は[2-2-1-10](3着内率33.3%)でした。ごく近年の傾向を見る限り、大敗直後の馬であっても評価を下げる必要はないかもしれません。

2番人気以内の馬は堅実

過去5年の単勝人気順別成績を見ると、2番人気以内の馬は[2-2-3-3](3着内率70.0%)、3?8番人気の馬は[3-3-2-22](3着内率26.7%)、9番人気以下の馬は[0-0-0-14](3着内率0.0%)となっています。前評判の高い馬がそれなりに信頼できるレースと言えるでしょう。

表1単勝人気順別成績(過去5年)
1着 2着 3着 4着 以下 総数 勝率 連対率 3着内率
1番人気 1 1 0 3 5 20.0% 40.0% 40.0%
2番人気 1 1 3 0 5 20.0% 40.0% 100.0%
3番人気 1 1 0 3 5 20.0% 40.0% 40.0%
4番人気 1 0 0 4 5 20.0% 20.0% 20.0%
5番人気 0 2 0 3 5 0.0% 40.0% 40.0%
6番人気 0 0 1 4 5 0.0% 0.0% 20.0%
7番人気 1 0 0 4 5 20.0% 20.0% 20.0%
8番人気 0 0 1 4 5 0.0% 0.0% 20.0%
9番人気 0 0 0 5 5 0.0% 0.0% 0.0%
10番人気 0 0 0 4 4 0.0% 0.0% 0.0%
11番人気 0 0 0 4 4 0.0% 0.0% 0.0%
12番人気 0 0 0 1 1 0.0% 0.0% 0.0%
相性の良いトレーナーに注目したい

過去5年の調教師別成績を見ると、3着以内馬15頭のうち11頭を角川秀樹調教師と田中淳司調教師の管理馬が占めていました。両トレーナーの管理馬が出走してきたら、しっかりマークしておきたいところです。

表2調教師別成績(過去5年)
1着 2着 3着 4着 以下 総数 勝率 連対率 3着内率
田中淳司 2 2 1 10 15 13.3% 26.7% 33.3%
角川秀樹 1 2 3 2 8 12.5% 37.5% 75.0%
松本隆宏 1 0 1 2 4 25.0% 25.0% 50.0%
米川昇 1 0 0 1 2 50.0% 50.0% 50.0%
佐久間雅貴 0 1 0 6 7 0.0% 14.3% 14.3%
その他の調教師 0 0 0 18 18 0.0% 0.0% 0.0%
馬格が重要なポイント

過去5年の前走馬体重区分別成績を見ると、460kg未満の馬は[0-0-0-4](3着内率0.0%)、460kg以上520kg未満の馬は[5-5-5-25](3着内率37.5%)、520kg以上の馬は[0-0-0-10](3着内率0.0%)となっています。極端に小柄な馬や、極端に大柄な馬は強調できません。

表3前走馬体重区分別成績(過去5年)
1着 2着 3着 4着 以下 総数 勝率 連対率 3着内率
400kg台 0 0 0 1 1 0.0% 0.0% 0.0%
440kg台 0 0 0 1 1 0.0% 0.0% 0.0%
450kg台 0 0 0 2 2 0.0% 0.0% 0.0%
460kg台 0 0 2 0 2 0.0% 0.0% 100.0%
470kg台 0 1 0 3 4 0.0% 25.0% 25.0%
480kg台 0 2 0 3 5 0.0% 40.0% 40.0%
490kg台 1 0 0 6 7 14.3% 14.3% 14.3%
500kg台 2 1 1 6 10 20.0% 30.0% 40.0%
510kg台 2 1 2 7 12 16.7% 25.0% 41.7%
520kg台 0 0 0 7 7 0.0% 0.0% 0.0%
530kg台 0 0 0 3 3 0.0% 0.0% 0.0%
脚質が明暗を分ける可能性も

過去5年の前走最終コーナー通過順別成績を見ると、2番手以内の馬は[1-1-2-12](3着内率25.0%)、3番手から11番手の馬は[4-4-3-24](3着内率31.4%)、12番手以下の馬は[0-0-0-3](3着内率0.0%)となっています。なお、現在の施行時期へ移った2022年以降の過去3年に限ると、2番手以内の馬は[0-0-1-6](3着内率14.3%)、3番手から11番手の馬は[3-3-2-16](3着内率33.3%)、12番手以下の馬は[0-0-0-3](3着内率0.0%)でした。前走の最終コーナーを2番手以内や12番手以下で通過した馬は、扱いに注意するべきでしょう。

表4前走最終コーナー通過順別成績(過去5年)
1着 2着 3着 4着 以下 総数 勝率 連対率 3着内率
1番手 0 0 1 7 8 0.0% 0.0% 12.5%
2番手 1 1 1 5 8 12.5% 25.0% 37.5%
3番手 1 1 0 1 3 33.3% 66.7% 66.7%
4番手 1 1 0 6 8 12.50% 25.00% 25.0%
5番手 1 0 1 6 8 12.5% 12.5% 25.0%
6番手 0 1 1 4 6 0.0% 16.7% 33.3%
7番手 0 0 1 3 4 0.0% 0.0% 25.0%
8番手 1 0 0 2 3 33.3% 33.3% 33.3%
9番手 0 1 0 1 2 0.0% 50.0% 50.0%
10番手 0 0 0 1 1 0.0% 0.0% 0.0%
12番手 0 0 0 2 2 0.0% 0.0% 0.0%
17番手 0 0 0 1 1 0.0% 0.0% 0.0%

(伊吹 雅也)

有力馬情報


ヴィヴィアンエイト(牝4・齊藤正弘厩舎)





 デビューは2歳8月と当地デビュー馬のなかでは後れを取ったが、2戦目から積極的に重賞への挑戦を続け、ここまで重賞を3勝。北海道スプリントカップ(8月15日)でも地元最先着の4着と気を吐いた。前走の秋の鞍(9月19日、名古屋競馬場)で”門別デビュー馬”フークピグマリオンから0秒4差3着に入った後、再度の遠征へ向け調整中のアクシデントにより休養を余儀なくされたが、シーズントップに向けて順調に立て直された様子。豊富な経験を生かして牡馬の強豪を打ち破り、12年プリティゴールド以来となる、牝馬によるVを狙う。



ケイアイロベージ(セ7・小野望厩舎)


(撮影:下野雄規)


 今回がJRAからの移籍初戦。3歳1月末に中京競馬場でデビューし、キャリア4戦目のGIIIユニコーンステークスでは、中団から鋭く追い上げて3着に食い込んだ。5歳時からは短距離路線に矛先を向けられ、昨年3月の1,200m戦・千葉ステークス(中山競馬場)では、後方から馬群をさばいて差し切りオープン勝ちを収めている。半兄は20.21年と道営記念を連覇しているクインズサターンで、ホッカイドウ競馬にもゆかりのある血統の持ち主。初めての白砂にさえ対応できれば、いきなり好走しても不思議ではないだろう。



ストリーム(牡4・田中淳司厩舎)





 昨シーズンは始動戦のネクストスター北日本(4月18日)を皮切りに重賞を4勝と、年長馬に勝るとも劣らない走りを見せた。特に前走の笠松グランプリ(12月12日、笠松競馬場)では各地の強豪との激戦を制し、同レース史上初めてとなる、3歳馬による勝利を収めている。気性面の難しさを抱えており、人気を集めたレースで思わぬ取りこぼしを喫するシーンもみられるものの、序盤のポジション取りさえスムーズならば実力は発揮できるはず。シーズン初戦を白星で飾り、本格的な世代交代への足がかりをつかみたい。



デステージョ(牡5・小国博行厩舎)





 門別から高知へ移籍した3歳シーズンは、当地の3歳三冠路線に挑み、4月20日のYTNカップで韓国へ挑戦するユメノホノオのライバルとして立ちはだかった。昨年の二十四万石賞(10着)の後に門別へ再転入した後は6ハロン路線に照準を定められ、57→58→59kgと徐々に斤量が重くなるなかでオープン特別3連勝を収めた。道営スプリントでは内枠の影響もあってか、後方から6着まで脚を伸ばすのが精いっぱいという結果に終わったが、上がり3ハロンはメンバー中最速。自慢の末脚を生かし、2歳時から集めた期待に沿うべく、悲願の重賞初制覇を狙う。



トラジロウ(牡4・角川秀樹厩舎)





 昨年はコンディションが十分に整いきれなかった面があり、7戦2勝という成績にとどまったが、それでも星雲賞(7月11日)で2番手から抜け出し、後続に4馬身差をつけた走りは、世代トップの速力を示すに十分な内容であった。ここ4走はA1戦での5着2回が最高だが、2歳時に5連勝でイノセントカップ・ネクストスター門別を連勝した内容を考えれば、ここで終わるような馬ではないはずだ。ストリームともども、門別競馬場の白い砂に抜群の適性を示すダノンレジェンドの血があらためて開花し、復活のシーズンへ弾みをつけたい。



※五十音順

※出走馬は4月15日現在の情報をもとにしております。