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2023.11.3(金)

JBC2歳優駿

JpnIII1800m

レースガイド

視線は“3歳ダート三冠”へ 2歳馬の頂上決戦

前身は北海道2歳優駿。1974年に創設された当競走は、97年より中央競馬・全国地方競馬指定交流競走に指定され、2019年までに46回の歴史を数えた。2020年、JBCの第20回記念開催を機に、創設以来の宿願であった「2歳カテゴリー」として、北海道2歳優駿を発展させる形で誕生した。生産との密接な関連というJBCの意義を鑑み、当面は馬産地・北海道に位置する門別競馬場で実施する。

 ホッカイドウ競馬でその年デビューした2歳馬たちの頂点であり、来年から本格化する「3歳ダート3冠路線」にも直結する1戦。過去2年はJRA勢が連勝しているが、早期からダートで激戦を戦い抜いてきた地方馬と、素質が光るJRA勢とのせめぎ合いからは目が離せない。



★『未来優駿2023』対象競走


★1着馬の馬主に「パイロ」の2024年種付権利を付与【スタリオンシリーズ競走】

前年ハイライト

レースの序盤は、スタート直後から押してハナに立ったエコロアレスを、ベルピットらが追う展開。後方からの競馬となったゴライコウが向正面でポジションを押し上げ、3コーナーで先団の外めにつけました。その後もエコロアレスが先頭をキープしていたものの、ゴライコウが4コーナーで並びかけ、残り200m地点のあたりで単独先頭に。先団から伸びたベルピット、後方から追い込んだリアルミーがゴール前で迫ったものの、結局ゴライコウがセーフティリードを保ったまま押し切り、ダートグレード競走初制覇を果たしています。

データ分析

臨戦過程が明暗を分ける可能性もありそう。JBC2歳優駿として施行された過去3年の前走距離別成績を見ると、1500m以下の馬は[0-0-0-4](3着内率0.0%)、1500m超1700m以下の馬は[1-0-1-12](3着内率14.3%)、1700m超の馬は[2-3-2-16](3着内率30.4%)です。前走で長い距離のレースを使っていた馬ほど信頼できる一戦と言えるでしょう。

6番人気以内の馬が中心

北海道2歳優駿として施行された2019年以前を含む過去5年の単勝人気順別成績を見ると、6番人気以内の馬は[4-3-5-18](3着内率40.0%)、7番人気以下の馬は[1-2-0-35](3着内率7.9%)となっています。高額配当が飛び出した年もあるとはいえ、極端に前評判の低い馬は強調できません。

表1単勝人気順別成績(過去5年)
1着 2着 3着 4着以下 総数 勝率 連対率 3着内率
1番人気 0 3 0 2 5 0.0% 60.0% 60.0%
2番人気 0 0 2 3 5 0.0% 0.0% 40.0%
3番人気 1 0 0 4 5 20.0% 20.0% 20.0%
4番人気 0 0 2 3 5 0.0% 0.0% 40.0%
5番人気 0 0 1 4 5 0.0% 0.0% 20.0%
6番人気 3 0 0 2 5 60.0% 60.0% 60.0%
7番人気 0 0 0 5 5 0.0% 0.0% 0.0%
8番人気 0 1 0 4 5 0.0% 20.0% 20.0%
9番人気 1 0 0 4 5 20.0% 20.0% 20.0%
10番人気 0 0 0 5 5 0.0% 0.0% 0.0%
11番人気 0 0 0 5 5 0.0% 0.0% 0.0%
12番人気 0 0 0 5 5 0.0% 0.0% 0.0%
13番人気 0 1 0 4 5 0.0% 20.0% 20.0%
14番人気 0 0 0 3 3 0.0% 0.0% 0.0%
角川秀樹調教師をはじめとする地方勢も健闘している

北海道2歳優駿として施行された2019年以前を含む過去5年の調教師別成績を見ると、3着以内となった回数が2回以上の現役トレーナーは、角川秀樹調教師、田中淳司調教師の2名となっています。ちなみに、過去5年の所属別成績を見ると、地方の馬は[2-5-2-36](3着内率20.0%)、JRAの馬は[3-0-3-17](3着内率26.1%)となっていました。3着内率はJRA勢の方が高かったものの、3着以内馬15頭のうち9頭を地方所属馬が占めていますし、ほぼ互角と言って良さそうです。

表2調教師別成績(過去5年)
1着 2着 3着 4着以下 総数 勝率 連対率 3着内率
角川秀樹 1 2 0 7 10 10.0% 30.0% 30.0%
高柳瑞樹 1 0 0 0 1 100.0% 100.0% 100.0%
新谷功一 1 0 0 0 1 100.0% 100.0% 100.0%
中竹和也 1 0 0 0 1 100.0% 100.0% 100.0%
田中淳司 0 1 1 8 10 0.0% 10.0% 20.0%
田中正二 0 1 0 4 5 0.0% 20.0% 20.0%
奥村武 0 0 1 0 1 0.0% 0.0% 100.0%
川島雅人 0 0 1 0 1 0.0% 0.0% 100.0%
村山明 0 0 1 1 2 0.0% 0.0% 50.0%
矢野英一 0 0 1 0 1 0.0% 0.0% 100.0%
その他の調教師 1 1 0 33 35 2.9% 5.7% 5.7%
大敗直後の馬は割り引きが必要

北海道2歳優駿として施行された2019年以前を含む過去5年の前走着順別成績を見ると、3着以内の馬は[5-4-4-35](3着内率27.1%)、4着から5着の馬は[0-1-1-9](3着内率18.2%)、6着以下の馬は[0-0-0-9](3着内率0.0%)となっています。直近のパフォーマンスを素直に評価するべきでしょう。

表3前走着順別成績(過去5年)
1着 2着 3着 4着以下 総数 勝率 連対率 3着内率
1着 3 1 3 27 34 8.8% 11.8% 20.6%
2着 0 3 0 5 8 0.0% 37.5% 37.5%
3着 2 0 1 3 6 33.3% 33.3% 50.0%
4着 0 0 0 5 5 0.0% 0.0% 0.0%
5着 0 1 1 4 6 0.0% 16.7% 33.3%
6着 0 0 0 4 4 0.0% 0.0% 0.0%
7着 0 0 0 1 1 0.0% 0.0% 0.0%
8着 0 0 0 2 2 0.0% 0.0% 0.0%
9着 0 0 0 1 1 0.0% 0.0% 0.0%
10着 0 0 0 1 1 0.0% 0.0% 0.0%
前走時点での人気も重要なポイント

北海道2歳優駿として施行された2019年以前を含む過去5年の前走単勝人気順別成績を見ると、4番人気以内の馬は[4-4-5-33](3着内率28.3%)、5番人気から7番人気の馬は[1-1-0-11](3着内率15.4%)、8番人気以下の馬は[0-0-0-9](3着内率0.0%)となっています。なお、JBC2歳優駿として施行された過去3年の前走単勝人気順別成績を見ると、4番人気以内の馬は[3-3-3-23](3着内率28.1%)、5番人気以下の馬は[0-0-0-9](3着内率0.0%)となっていました。前走時点で人気薄だった馬は、過信禁物と見ておいた方が良いかもしれません。

表4前走単勝人気順別成績(過去5年)
1着 2着 3着 4着以下 総数 勝率 連対率 3着内率
1番人気 2 2 2 13 19 10.5% 21.1% 31.6%
2番人気 1 0 1 7 9 11.1% 11.1% 22.2%
3番人気 1 1 1 6 9 11.1% 22.2% 33.3%
4番人気 0 1 1 7 9 0.0% 11.1% 22.2%
5番人気 0 0 0 4 4 0.0% 0.0% 0.0%
6番人気 0 1 0 4 5 0.0% 20.0% 20.0%
7番人気 1 0 0 3 4 25.0% 25.0% 25.0%
8番人気 0 0 0 4 4 0.0% 0.0% 0.0%
9番人気 0 0 0 4 4 0.0% 0.0% 0.0%
12番人気 0 0 0 1 1 0.0% 0.0% 0.0%

(伊吹 雅也)

有力馬情報

エストレヤデベレン(牡2・武幸四郎厩舎)

(写真:(c)netkeiba)

 デビュー戦(9月17日、阪神競馬場)は今回と同じダート1,800mに出走。好位の外を追走すると、3コーナーから抑えきれない手応えで先頭に立ち、2着馬に7馬身差をつける快勝だった。ラストの余裕ある手応えからも、伸びしろの大きさを感じさせる。21年アイスジャイアント以来となる、キャリア1戦での当レース制覇となるか。


サンライズジパング(牡2・音無秀孝厩舎)

(写真:(c)netkeiba)

 6月11日のデビュー戦(東京競馬場)では、後にリステッドのアイビーSを勝ったダノンエアズロックの4着。夏を休養に充て、2戦目の未勝利戦(9月23日、阪神競馬場)は、4コーナーで外に膨らむ若さを見せながら、2着に4馬身差をつけた。父・キズナの産駒は前身の北海道2歳優駿をキメラヴェリテ(19年)が勝利しており、当地への相性も大丈夫だろう。


パッションクライ(牡2・山口竜一厩舎)



 フレッシュチャレンジを制した後の2戦目・JRA認定ウィナーズチャレンジ3(7月26日)では、のちに平和賞を制したカプセルの2着。前走のサンライズC(9月20日)は重賞初挑戦ながら、4コーナーで先頭に立つと後続の追撃を振り切り、重賞初制覇を飾った。デビューから距離を延ばしながら、着実に成長してきた勢いを駆って、2歳王者の座を狙う。


フォーエバーヤング(牡2・矢作芳人厩舎)

(写真:(c)netkeiba)

 母のフォーエヴァーダーリングは現役時代に米G2・サンタイネスSを勝利し、昨年のセレクトセールでは9800万円の好評価を得た。10月14日の新馬戦(京都競馬場)では、道中で砂を被る展開を器用に立ち回り、直線で馬群から鮮やかに抜け出した。豊富なレースセンスを武器にキャリアの浅さをカバーし、デビューから20日での重賞制覇となるか。


ブラックバトラー(牡2・田中淳司厩舎)



 1,700mのJRA認定フレッシュチャレンジ(6月15日)で大差勝ちを収めると、およそ2カ月の間隔をあけたブリーダーズゴールドジュニアC(8月10日)も連勝。サンライズCでは、前を行くパッションクライを捕まえきれずに2着と初めて土がついたが、キャリア3戦ということで伸びしろは大きいだろう。前哨戦の雪辱を果たせるか注目だ。


※五十音順

※出走馬は10月26日現在の情報をもとにしております。

ご注意:当ページの情報は、特定の馬の応援や勝馬の示唆をするものではありません。

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