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2023.8.29(火)

王冠賞

H21800m

レースガイド

ひと夏の成長を示して 3冠ロード最終章

1980年、岩見沢競馬場・ダート1,900mの条件で第1回が行われる。創設当初から主に7-8月ごろの夏季に施行され、2007年の第28回からは、現在と同じ3歳3冠競走の最終戦に定着した。同年以降しばらくは2000m以上の、トラックを1周半する長丁場として施行されていたが、15年の第36回より、現在と同じ1,800mに条件が変更され、19年からはダービーグランプリ(盛岡競馬場)を頂点とする「3歳秋のチャンピオンシップ」の1戦に位置づけられている。夏を越してさらなる成長を果たした3歳馬の集大成として、どのような熱戦が繰り広げられるか注目したい。



★『3歳秋のチャンピオンシップ』対象競走


★1着馬の馬主に「サトノクラウン」の2024年種付権利を付与【スタリオンシリーズ競走】

前年ハイライト

好スタートを決めたエンリルが先行争いを制し、1コーナーを単独先頭で通過。カイトキング・フクノアルズ・カーロデスティーノらがこれを追う展開となったものの、3コーナーから4コーナーでエンリルが2番手集団との差をさらに広げ、大きなリードを保ったままゴール前の直線に入りました。中団からポジションを押し上げたシルトプレも4コーナーを周り切ったところで単独2番手に浮上しましたが、結局エンリルがシルトプレに8馬身の差をつけて入線。ホッカイドウ競馬3歳三冠競走の最終戦で、自身2度目の重賞制覇を果たしています。

データ分析

前走で長い距離のレースを使っていた馬ほど好成績。過去5年の前走距離別成績を見ると、1700m未満の馬は[0-0-0-10](3着内率0.0%)、1700m以上2000m未満の馬は[0-2-2-24](3着内率14.3%)、2000m以上の馬は[5-3-3-6](3着内率64.7%)です。ちなみに、前走距離が2000m以上だった17頭は、いずれも北海優駿から直行してきた馬。今年もまずはこの組を重視するべきでしょう。

人気薄の馬が上位に食い込んだ例は少ない

過去5年の単勝人気順別成績を見ると、4番人気以内の馬は[5-4-4-7](3着内率65.0%)、5番人気以下の馬は[0-1-1-33](3着内率5.7%)となっています。前評判の低い馬は強調できません。

表1単勝人気順別成績(過去5年)
1着 2着 3着 4着 以下 総数 勝率 連対率 3着内率
1番人気 2 2 0 1 5 40.0% 80.0% 80.0%
2番人気 1 0 2 2 5 20.0% 20.0% 60.0%
3番人気 1 1 0 3 5 20.0% 40.0% 40.0%
4番人気 1 1 2 1 5 20.0% 40.0% 80.0%
5番人気 0 1 0 4 5 0.0% 20.0% 20.0%
6番人気 0 0 0 5 5 0.0% 0.0% 0.0%
7番人気 0 0 0 5 5 0.0% 0.0% 0.0%
8番人気 0 0 0 5 5 0.0% 0.0% 0.0%
9番人気 0 0 0 4 4 0.0% 0.0% 0.0%
10番人気 0 0 1 3 4 0.0% 0.0% 25.0%
11番人気 0 0 0 3 3 0.0% 0.0% 0.0%
12番人気 0 0 0 2 2 0.0% 0.0% 0.0%
13番人気 0 0 0 1 1 0.0% 0.0% 0.0%
14番人気 0 0 0 1 1 0.0% 0.0% 0.0%
相性の良いトレーナーに注目

過去5年の調教師別成績を見ると、3着以内となった回数が2回以上の現役トレーナーは、角川秀樹調教師・田中淳司調教師・松本隆宏調教師の3名となっています。なお、2017年以前を含む現役トレーナーの通算勝利数を見ると、7勝の堂山芳則調教師が単独トップ、5勝の角川秀樹調教師が単独2位でした。いずれもこのレースとは比較的相性が良いトレーナーと言えるでしょう。

表2調教師別成績(過去5年)
1着 2着 3着 4着以下 総数 勝率 連対率 3着内率
角川秀樹 1 1 0 3 5 20.0% 40.0% 40.0%
田中淳司 1 1 0 5 7 14.3% 28.6% 28.6%
堂山芳則 1 0 0 2 3 33.3% 33.3% 33.3%
松本隆宏 0 1 1 0 2 0.0% 50.0% 100.0%
米川昇 0 1 0 2 3 0.0% 33.3% 33.3%
田中正二 0 0 1 1 2 0.00% 0.00% 50.0%
その他の調教師 2 1 3 27 33 6.10% 9.10% 18.20%
前走好走馬が優勢

過去5年の前走着順別成績を見ると、2着以内の馬は[3-4-4-13](3着内率45.8%)、3着から5着の馬は[2-1-1-16](3着内率20.0%)、6着以下の馬は[0-0-0-11](3着内率0.0%)となっています。直近のパフォーマンスを素直に評価したいところです。

表3前走着順別成績(過去5年)
1着 2着 3着 4着以下 総数 勝率 連対率 3着内率
1着 2 2 1 11 16 12.5% 25.0% 31.3%
2着 1 2 3 2 8 12.5% 37.5% 75.0%
3着 1 0 0 3 4 25.0% 25.0% 25.0%
4着 1 0 0 4 5 20.0% 20.0% 20.0%
5着 0 1 1 9 11 0.0% 9.1% 18.2%
6着 0 0 0 2 2 0.00% 0.00% 0.00%
7着 0 0 0 3 3 0.00% 0.00% 0.00%
9着 0 0 0 2 2 0.00% 0.00% 0.00%
10着 0 0 0 3 3 0.00% 0.00% 0.00%
11着 0 0 0 1 1 0.00% 0.00% 0.00%
脚質が明暗を分けそう

過去5年の前走最終コーナー通過順別成績を見ると、4番手以内の馬は[5-4-5-20](3着内率41.2%)、5番手以下の馬は[0-1-0-20](3着内率4.8%)となっています。前走で中団や後方からレースを進めていた馬は、過信禁物と見ておいた方が良いかもしれません。

表4前走最終コーナー通過順別成績(過去5年)
1着 2着 3着 4着以下 総数 勝率 連対率 3着内率
1番手 4 1 1 9 15 26.7% 33.3% 40.0%
2番手 1 1 1 5 8 12.5% 25.0% 37.5%
3番手 0 2 1 4 7 0.0% 28.6% 42.9%
4番手 0 0 2 2 4 0.0% 0.0% 50.0%
5番手 0 0 0 7 7 0.0% 0.0% 0.0%
6番手 0 1 0 4 5 0.00% 20.0% 20.0%
7番手 0 0 0 2 2 0.00% 0.00% 0.00%
8番手 0 0 0 2 2 0.00% 0.00% 0.00%
9番手 0 0 0 5 5 0.00% 0.00% 0.00%

(伊吹 雅也)

有力馬情報

ズンガリプテルス(牡3・小国博行厩舎)



 北海優駿(ダービー)(6月15日)は重賞初挑戦に加え、初めての2,000mながら、上位2頭と離されながらも3着と善戦した。今回はそれ以来およそ2カ月半ぶりの実戦となるが、距離が1ハロン短縮されるのはプラスに働きそう。デビューからちょうど1年で重賞級まで成長するという、伸びしろの大きさには注目できるはずだ。


ディーエスエール(牡3・松本隆宏厩舎)



 昨年7月にデビューして以来、ここ門別で17戦を消化し、馬券圏内を外したのはわずか2度と安定した成績を誇っている。特に中距離戦に矛先を向けたここ3戦は3,2,1着と1つずつ着順を上げており、前々で運ぶ形が徐々に板についてきた様子。重賞挑戦は初めてだが、己のレーススタイルに持ちこんで粘り込みを図りたい。


ディオスメッセージ(牡3・村上正和厩舎)



 前走の星雲賞(8月15日)はおよそ1年ぶりの1,200m戦ではあったが、4コーナー最後方から馬群を割り、勝ったサルトアンヘルからアタマ差の2着にまで食い込んだ。ここまで白星はデビュー戦のみだが、その勝利が昨年5月のスーパーフレッシュチャレンジ2競走(1,700m)。早い時期から示してきた素質が、重賞の舞台で開花となるか。


ニシケンボブ(牡3・小国博行厩舎)



 昨年度のオフは兵庫へ移籍し、ゴールドジュニア(笠松競馬場)1着、菊水賞(園田競馬場)3着など活躍。北斗盃(5月4日)と北海優駿はベルピットの後塵を拝し2着に終わったが、着差は7馬身→3馬身と詰めているし、年長馬を相手にしたA1特別での2戦も堂々たる勝ちっぷり。豊富なセンスと経験を武器に、クラシック最終関門で逆転を狙う。


ベルピット(牡3・角川秀樹厩舎)



 デビューからここまで9戦7勝2着2回。ホッカイドウ競馬所属馬に土をつけられたのは当時の僚馬・オーマイグッネス(サンライズC)のみ。ここまでの2冠にあたる北斗盃・北海優駿でも、危なげない走りで圧勝劇を示してきた。狙うのはもちろん、21年ラッキードリーム以来、ホッカイドウ競馬史上2年ぶり7頭目の3冠制覇だ。


※五十音順

※出走馬は8月24日現在の情報をもとにしております。

ご注意:当ページの情報は、特定の馬の応援や勝馬の示唆をするものではありません。

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