レースガイド
ひと夏の成長を示して 3冠ロード最終章
1980年、岩見沢競馬場・ダート1,900mの条件で第1回が行われる。創設当初から主に7-8月ごろの夏季に施行され、2007年の第28回からは、現在と同じ3歳3冠競走の最終戦に定着した。同年以降しばらくは2000m以上の、トラックを1周半する長丁場として施行されていたが、15年の第36回より、現在と同じ1,800mに条件が変更され、19年からはダービーグランプリ(盛岡競馬場)を頂点とする「3歳秋のチャンピオンシップ」の1戦に位置づけられている。夏を越してさらなる成長を果たした3歳馬の集大成として、どのような熱戦が繰り広げられるか注目したい。
★『3歳秋のチャンピオンシップ』対象競走
★1着馬の馬主に「サトノクラウン」の2024年種付権利を付与【スタリオンシリーズ競走】
前年ハイライト
好スタートを決めたエンリルが先行争いを制し、1コーナーを単独先頭で通過。カイトキング・フクノアルズ・カーロデスティーノらがこれを追う展開となったものの、3コーナーから4コーナーでエンリルが2番手集団との差をさらに広げ、大きなリードを保ったままゴール前の直線に入りました。中団からポジションを押し上げたシルトプレも4コーナーを周り切ったところで単独2番手に浮上しましたが、結局エンリルがシルトプレに8馬身の差をつけて入線。ホッカイドウ競馬3歳三冠競走の最終戦で、自身2度目の重賞制覇を果たしています。
データ分析
前走で長い距離のレースを使っていた馬ほど好成績。過去5年の前走距離別成績を見ると、1700m未満の馬は[0-0-0-10](3着内率0.0%)、1700m以上2000m未満の馬は[0-2-2-24](3着内率14.3%)、2000m以上の馬は[5-3-3-6](3着内率64.7%)です。ちなみに、前走距離が2000m以上だった17頭は、いずれも北海優駿から直行してきた馬。今年もまずはこの組を重視するべきでしょう。
人気薄の馬が上位に食い込んだ例は少ない
過去5年の単勝人気順別成績を見ると、4番人気以内の馬は[5-4-4-7](3着内率65.0%)、5番人気以下の馬は[0-1-1-33](3着内率5.7%)となっています。前評判の低い馬は強調できません。
1着 | 2着 | 3着 | 4着 以下 | 総数 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1番人気 | 2 | 2 | 0 | 1 | 5 | 40.0% | 80.0% | 80.0% |
2番人気 | 1 | 0 | 2 | 2 | 5 | 20.0% | 20.0% | 60.0% |
3番人気 | 1 | 1 | 0 | 3 | 5 | 20.0% | 40.0% | 40.0% |
4番人気 | 1 | 1 | 2 | 1 | 5 | 20.0% | 40.0% | 80.0% |
5番人気 | 0 | 1 | 0 | 4 | 5 | 0.0% | 20.0% | 20.0% |
6番人気 | 0 | 0 | 0 | 5 | 5 | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
7番人気 | 0 | 0 | 0 | 5 | 5 | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
8番人気 | 0 | 0 | 0 | 5 | 5 | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
9番人気 | 0 | 0 | 0 | 4 | 4 | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
10番人気 | 0 | 0 | 1 | 3 | 4 | 0.0% | 0.0% | 25.0% |
11番人気 | 0 | 0 | 0 | 3 | 3 | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
12番人気 | 0 | 0 | 0 | 2 | 2 | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
13番人気 | 0 | 0 | 0 | 1 | 1 | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
14番人気 | 0 | 0 | 0 | 1 | 1 | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
相性の良いトレーナーに注目
過去5年の調教師別成績を見ると、3着以内となった回数が2回以上の現役トレーナーは、角川秀樹調教師・田中淳司調教師・松本隆宏調教師の3名となっています。なお、2017年以前を含む現役トレーナーの通算勝利数を見ると、7勝の堂山芳則調教師が単独トップ、5勝の角川秀樹調教師が単独2位でした。いずれもこのレースとは比較的相性が良いトレーナーと言えるでしょう。
1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 総数 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
角川秀樹 | 1 | 1 | 0 | 3 | 5 | 20.0% | 40.0% | 40.0% |
田中淳司 | 1 | 1 | 0 | 5 | 7 | 14.3% | 28.6% | 28.6% |
堂山芳則 | 1 | 0 | 0 | 2 | 3 | 33.3% | 33.3% | 33.3% |
松本隆宏 | 0 | 1 | 1 | 0 | 2 | 0.0% | 50.0% | 100.0% |
米川昇 | 0 | 1 | 0 | 2 | 3 | 0.0% | 33.3% | 33.3% |
田中正二 | 0 | 0 | 1 | 1 | 2 | 0.00% | 0.00% | 50.0% |
その他の調教師 | 2 | 1 | 3 | 27 | 33 | 6.10% | 9.10% | 18.20% |
前走好走馬が優勢
過去5年の前走着順別成績を見ると、2着以内の馬は[3-4-4-13](3着内率45.8%)、3着から5着の馬は[2-1-1-16](3着内率20.0%)、6着以下の馬は[0-0-0-11](3着内率0.0%)となっています。直近のパフォーマンスを素直に評価したいところです。
1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 総数 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1着 | 2 | 2 | 1 | 11 | 16 | 12.5% | 25.0% | 31.3% |
2着 | 1 | 2 | 3 | 2 | 8 | 12.5% | 37.5% | 75.0% |
3着 | 1 | 0 | 0 | 3 | 4 | 25.0% | 25.0% | 25.0% |
4着 | 1 | 0 | 0 | 4 | 5 | 20.0% | 20.0% | 20.0% |
5着 | 0 | 1 | 1 | 9 | 11 | 0.0% | 9.1% | 18.2% |
6着 | 0 | 0 | 0 | 2 | 2 | 0.00% | 0.00% | 0.00% |
7着 | 0 | 0 | 0 | 3 | 3 | 0.00% | 0.00% | 0.00% |
9着 | 0 | 0 | 0 | 2 | 2 | 0.00% | 0.00% | 0.00% |
10着 | 0 | 0 | 0 | 3 | 3 | 0.00% | 0.00% | 0.00% |
11着 | 0 | 0 | 0 | 1 | 1 | 0.00% | 0.00% | 0.00% |
脚質が明暗を分けそう
過去5年の前走最終コーナー通過順別成績を見ると、4番手以内の馬は[5-4-5-20](3着内率41.2%)、5番手以下の馬は[0-1-0-20](3着内率4.8%)となっています。前走で中団や後方からレースを進めていた馬は、過信禁物と見ておいた方が良いかもしれません。
1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 総数 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1番手 | 4 | 1 | 1 | 9 | 15 | 26.7% | 33.3% | 40.0% |
2番手 | 1 | 1 | 1 | 5 | 8 | 12.5% | 25.0% | 37.5% |
3番手 | 0 | 2 | 1 | 4 | 7 | 0.0% | 28.6% | 42.9% |
4番手 | 0 | 0 | 2 | 2 | 4 | 0.0% | 0.0% | 50.0% |
5番手 | 0 | 0 | 0 | 7 | 7 | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
6番手 | 0 | 1 | 0 | 4 | 5 | 0.00% | 20.0% | 20.0% |
7番手 | 0 | 0 | 0 | 2 | 2 | 0.00% | 0.00% | 0.00% |
8番手 | 0 | 0 | 0 | 2 | 2 | 0.00% | 0.00% | 0.00% |
9番手 | 0 | 0 | 0 | 5 | 5 | 0.00% | 0.00% | 0.00% |
(伊吹 雅也)
有力馬情報
- ☆ズンガリプテルス(牡3・小国博行厩舎)
- 北海優駿(ダービー)(6月15日)は重賞初挑戦に加え、初めての2,000mながら、上位2頭と離されながらも3着と善戦した。今回はそれ以来およそ2カ月半ぶりの実戦となるが、距離が1ハロン短縮されるのはプラスに働きそう。デビューからちょうど1年で重賞級まで成長するという、伸びしろの大きさには注目できるはずだ。
- ☆ディーエスエール(牡3・松本隆宏厩舎)
- 昨年7月にデビューして以来、ここ門別で17戦を消化し、馬券圏内を外したのはわずか2度と安定した成績を誇っている。特に中距離戦に矛先を向けたここ3戦は3,2,1着と1つずつ着順を上げており、前々で運ぶ形が徐々に板についてきた様子。重賞挑戦は初めてだが、己のレーススタイルに持ちこんで粘り込みを図りたい。
- ☆ディオスメッセージ(牡3・村上正和厩舎)
- 前走の星雲賞(8月15日)はおよそ1年ぶりの1,200m戦ではあったが、4コーナー最後方から馬群を割り、勝ったサルトアンヘルからアタマ差の2着にまで食い込んだ。ここまで白星はデビュー戦のみだが、その勝利が昨年5月のスーパーフレッシュチャレンジ2競走(1,700m)。早い時期から示してきた素質が、重賞の舞台で開花となるか。
- ☆ニシケンボブ(牡3・小国博行厩舎)
- 昨年度のオフは兵庫へ移籍し、ゴールドジュニア(笠松競馬場)1着、菊水賞(園田競馬場)3着など活躍。北斗盃(5月4日)と北海優駿はベルピットの後塵を拝し2着に終わったが、着差は7馬身→3馬身と詰めているし、年長馬を相手にしたA1特別での2戦も堂々たる勝ちっぷり。豊富なセンスと経験を武器に、クラシック最終関門で逆転を狙う。
- ☆ベルピット(牡3・角川秀樹厩舎)
- デビューからここまで9戦7勝2着2回。ホッカイドウ競馬所属馬に土をつけられたのは当時の僚馬・オーマイグッネス(サンライズC)のみ。ここまでの2冠にあたる北斗盃・北海優駿でも、危なげない走りで圧勝劇を示してきた。狙うのはもちろん、21年ラッキードリーム以来、ホッカイドウ競馬史上2年ぶり7頭目の3冠制覇だ。
- ※五十音順
※出走馬は8月24日現在の情報をもとにしております。
ご注意:当ページの情報は、特定の馬の応援や勝馬の示唆をするものではありません。
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