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2023.8.24(木)

フルールカップ

H31200m

レースガイド

女王への挑戦 乙女は夏に咲き誇る

2014年、2歳馬の番組を充実させる観点から、門別競馬場・ダート1,000mの条件で創設された。今年は1着賞金が300万円から400万円に増額され、距離も1,200mに変更、また上位2頭にエーデルワイス賞への優先出走権が付与され、リリーカップと位置づけを交換されるような形となっている。2歳牝馬限定重賞の第2弾、大一番へのステップとして、どのようなレースが繰り広げられるか注目したい。



★1・2着馬に「第26回エーデルワイス賞」(11月1日、門別競馬場)の優先出走権を付与


★1着馬の馬主に「アメリカンペイトリオット」の2024年種付権利を付与【スタリオンシリーズ競走】

前年ハイライト

スタート直後の先行争いを制したのはレモンアイカーでしたが、3コーナーで早くもエイシンレゲンダ・サワヤカローズがこれに並びかけ、エイシンレゲンダが先頭、サワヤカローズが2番手で4コーナーを通過。残り200m地点を過ぎたあたりで、中団から押し上げたリコシェがエイシンレゲンダ・サワヤカローズを捕らえにかかりました。一旦はリコシェが抜け出しかけたものの、これにゴールの直前で迫ったのが、馬群の後方からレースを進めていたアサクサロック。決勝線手前で外からリコシェを抜き去り、自身初の重賞制覇を果たしています。

データ分析

臨戦過程が明暗を分けるかも。門別ダ1000mで施行された過去5年の前走距離別成績を見ると、1200m未満の馬は[2-2-3-23](3着内率23.3%)、1200m以上の馬は[3-3-2-16](3着内率33.3%)となっていましたが、2020年以降の過去3年に限ると、1200m未満の馬は[1-0-1-20](3着内率9.1%)、1200m以上の馬は[2-3-2-5](3着内率58.3%)です。今年から施行コースが門別ダ1200mに替わるものの、前走で比較的長い距離のレースを使っていた馬に注目した方が良いかもしれません。

上位人気馬はそれなりに堅実だが……

過去5年の単勝人気順別成績を見ると、3番人気以内の馬は[4-3-3-5](3着内率66.7%)、4番人気以下の馬は[1-2-2-34](3着内率12.8%)となっています。上位人気グループの馬はまずまず優秀な成績を収めていますが、人気薄の伏兵が上位に食い込んだ例も決して少なくない点に注意しましょう。

表1単勝人気順別成績(過去5年)
1着 2着 3着 4着 以下 総数 勝率 連対率 3着内率
1番人気 3 1 0 1 5 60.0% 80.0% 80.0%
2番人気 1 0 1 3 5 20.0% 20.0% 40.0%
3番人気 0 2 2 1 5 0.0% 40.0% 80.0%
4番人気 0 0 1 4 5 0.0% 0.0% 20.0%
5番人気 0 0 0 5 5 0.0% 0.0% 0.0%
6番人気 1 0 0 4 5 20.0% 20.0% 20.0%
7番人気 0 1 0 4 5 0.0% 20.0% 20.0%
8番人気 0 0 0 5 5 0.0% 0.0% 0.0%
9番人気 0 1 0 4 5 0.0% 20.0% 20.0%
10番人気 0 0 0 4 4 0.0% 0.0% 0.0%
11番人気 0 0 0 3 3 0.0% 0.0% 0.0%
12番人気 0 0 1 1 2 0.0% 0.0% 50.0%
勝利数が多いのは角川秀樹調教師・田中淳司調教師

過去5年の調教師別成績を見ると、3着以内となった回数が2回以上の現役トレーナーは、角川秀樹調教師・田中淳司調教師の2名となっています。なお、調教師別の通算勝利数を見ると、4勝の田中淳司調教師が単独トップ、3勝の角川秀樹調教師が単独2位でした。いずれもこのレースとは比較的相性が良いトレーナーと言えそうです。

表2調教師別成績(過去5年)
1着 2着 3着 4着 以下 総数 勝率 連対率 3着内率
角川秀樹 2 1 1 8 12 16.7% 25.0% 33.3%
田中淳司 1 1 1 10 13 7.7% 15.4% 23.1%
小野望 1 0 0 3 4 25.0% 25.0% 25.0%
齊藤正弘 1 0 0 1 2 50.0% 50.0% 50.0%
佐々木国明 0 1 0 2 3 0.0% 33.3% 33.3%
小国博行 0 1 0 1 2 0.0% 50.0% 50.0%
田中正二 0 1 0 4 5 0.0% 20.0% 20.0%
米川昇 0 0 1 2 3 0.0% 0.0% 33.3%
その他の調教師 0 0 2 8 10 0.0% 0.0% 20.0%
初勝利直後の馬は過信禁物!?

過去5年の前走着順別成績を見ると、1着の馬は[4-2-2-21](3着内率27.6%)、2着以下の馬は[1-3-3-18](3着内率28.0%)となっています。ただし、2020年以降の過去3年に限ると1着の馬は[3-0-1-18](3着内率18.2%)、2着以下の馬は[0-3-2-7](3着内率41.7%)ですし、前走の着順が1着だったにもかかわらず3着以内となった4頭のうち3頭は、前走がオープンクラスのレースでした。フレッシュチャレンジ・アタックチャレンジを含む新馬ならびに未勝利のレースを勝ち上がった直後の馬は、評価を下げた方が良いかもしれません。

表3前走着順別成績(過去5年)
1着 2着 3着 4着 以下 総数 勝率 連対率 3着内率
1着 4 2 2 21 29 13.8% 20.7% 27.6%
2着 0 1 1 4 6 0.0% 16.7% 33.3%
3着 0 0 0 5 5 0.0% 0.0% 0.0%
4着 0 0 1 2 3 0.0% 0.0% 33.3%
5着 1 1 0 4 6 16.7% 33.3% 33.3%
8着 0 0 0 1 1 0.0% 0.0% 0.0%
10着 0 0 1 1 2 0.0% 0.0% 50.0%
11着 0 1 0 0 1 0.0% 100.0% 100.0%
13着 0 0 0 1 1 0.0% 0.0% 0.0%
馬格のない馬は不振

過去5年の前走馬体重区分別成績を見ると、460kg未満の馬は[2-2-3-24](3着内率22.6%)、460kg以上の馬は[3-3-2-15](3着内率34.8%)となっています。なお、2020年以降の過去3年に限ると、460kg未満の馬は[0-1-2-16](3着内率15.8%)、460kg以上の馬は[3-2-1-9](3着内率40.0%)でした。馬格も重要なポイントのひとつと言えそうです。

表4前走馬体重区分別成績(過去5年)
1着 2着 3着 4着 以下 総数 勝率 連対率 3着内率
400kg台 0 0 0 1 1 0.0% 0.0% 0.0%
410kg台 0 0 1 4 5 0.0% 0.0% 20.0%
420kg台 1 1 0 2 4 25.0% 50.0% 50.0%
430kg台 0 1 1 5 7 0.0% 14.3% 28.6%
440kg台 1 0 1 9 11 9.1% 9.1% 18.2%
450kg台 0 0 0 3 3 0.0% 0.0% 0.0%
460kg台 0 1 2 4 7 0.0% 14.3% 42.9%
470kg台 1 1 0 4 6 16.7% 33.3% 33.3%
480kg台 2 0 0 3 5 40.0% 40.0% 40.0%
490kg台 0 1 0 2 3 0.0% 33.3% 33.3%
500kg台 0 0 0 2 2 0.0% 0.0% 0.0%

(伊吹 雅也)

有力馬情報

オーソレリカ(牝2・佐々木国明厩舎)



 重賞初挑戦となった栄冠賞(6月27日)こそ後方ままの競馬で7着に敗れたが、続くリリーカップ(7月13日)では道中でスムーズに先行し、きっちりと2着争いを制していた。母・ユーリカは佐々木国明調教師が騎手時代、13年北斗盃に騎乗して3着。3度目の重賞挑戦で、母がなしえなかった重賞制覇、そして佐々木師にとっても厩舎開業後初のタイトル獲得を狙う。


シシャモフレンド(牝2・田中淳司厩舎)



 1,100mのフレッシュチャレンジ(5月25日)を1分07秒4の好時計で逃げ切り。およそ1カ月半の間隔をあけて臨んだリリーカップでも、好ダッシュから終始後続を寄せ付けず、2着馬に4馬身差をつけて逃げ切った。鞍上の落合玄太騎手もレース後のインタビューで「距離が延びても楽しみ」と評価する逸材が、1ハロン延長を克服しての重賞連覇を目指す。


シトラルテミニ(牝2・田中淳司厩舎)



 1,000mのフレッシュチャレンジ(5月24日)では2着馬に2馬身半差をつけての快勝。続くリリーカップでも3着と、デビューからの2戦は安定した成績を残している。重賞の舞台で、揉まれる形でもしぶとく上位争いを演じた前走の内容から、初めての1,200mにも対応できそう。2度目の重賞挑戦で、さらなる前進をもくろむ。


タントゥーム(牝2・角川秀樹厩舎)



 1,100mのフレッシュチャレンジ(5月24日)を5馬身差で圧勝すると、続くスフェーン特別(7月11日)では、前半3ハロン34秒9のハイラップを刻み3着に逃げ粘った。前走のサッポロクラシックカップ(7月27日)は単勝3番人気に支持されながら11着と敗れたが、スタート後に躓いてもので参考外とみてよさそう。豊富なスピードを前面に生かしての巻き返しとなるか。


ヨシノヒローイン(牝2・松本隆宏厩舎)



 1,000mのフレッシュチャレンジ(7月19日)は、勝ち馬に内をすくわれる形となって2着と敗れたが、続く1,200mのアタックチャレンジ(8月3日)では、2着に4馬身差をつけて圧勝した。父は既に17頭もの産駒が勝ち上がっている期待の新種牡馬・モーニンで、母のリンノストーンはホッカイドウ競馬所属として平和賞(船橋競馬場)を勝利。重賞の舞台で血統が開花するか。


※五十音順

※出走馬は8月18日現在の情報をもとにしております。

ご注意:当ページの情報は、特定の馬の応援や勝馬の示唆をするものではありません。

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