レースガイド
夏の大一番 女王への道を辿る
1989年、札幌競馬場・ダート2,400mの条件で第1回が行われる。当時の生産者が主導となって創設された重賞は、当時としては珍しい全国交流競走だった。95年からは旭川競馬場・ダート2,300mに、開催時期が夏に変更。09年から門別競馬場・ダート2,000mになり、14年からは牝馬限定のJpnIIIと施行条件の変遷をたどってきたが、ホッカイドウ競馬を代表する「真夏の祭典」としての位置づけは揺るがない。秋の大一番・JBCレディスクラシックを見据えた、有力な牝馬たちの走りに注目だ。
★『GRANDAME-JAPAN2023』古馬シーズン対象競走
★『カウントアップL(レディス)』対象競走
前年ハイライト
スタート直後の先行争いを制したノットイェットが引っ張る形で、レースは序盤から縦長の展開に。中団を追走していたグランブリッジらが3コーナーで先行勢との差を詰め、4コーナーでは早くもグランブリッジが先頭に立ちました。残り200m地点のあたりで一旦はグランブリッジが抜け出したものの、中団から伸びたプリティーチャンスがゴール前で急追し、最後は2頭が並んで入線。しかし、結局グランブリッジがクビ差だけリードを守り切り、前走の関東オークスに続く自身2度目のダートグレード競走制覇を果たしています。
データ分析
JRA勢が圧倒的に優勢。過去5年の所属別成績を見ると、地方の馬は[0-0-0-37](3着内率0.0%)、JRAの馬は[5-5-5-9](3着内率62.5%)です。3着以内となった地方所属馬は、JRA所属馬がすべて競走除外となった2007年の3着以内馬3頭を除くと、現在のところ2006年3着のジンクライシスが最後。牝馬限定競走となった2014年よりも前から続いている傾向なので、今年もまずはJRA勢に注目するべきでしょう。
過去5年の3着以内馬15頭はすべて単勝4番人気以内
過去5年の単勝人気順別成績を見ると、4番人気以内の馬は[5-5-5-5](3着内率75.0%)、5番人気以下の馬は[0-0-0-41](3着内率0.0%)となっています。前評判が高い馬を素直に重視した方が良いかもしれません。
1着 | 2着 | 3着 | 4着 以下 | 総数 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1番人気 | 1 | 1 | 3 | 0 | 5 | 20.0% | 40.0% | 100.0% |
2番人気 | 2 | 1 | 0 | 2 | 5 | 40.0% | 60.0% | 60.0% |
3番人気 | 2 | 0 | 2 | 1 | 5 | 40.0% | 40.0% | 80.0% |
4番人気 | 0 | 3 | 0 | 2 | 5 | 0.0% | 60.0% | 60.0% |
5番人気 | 0 | 0 | 0 | 5 | 5 | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
6番人気 | 0 | 0 | 0 | 5 | 5 | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
7番人気 | 0 | 0 | 0 | 5 | 5 | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
8番人気 | 0 | 0 | 0 | 5 | 5 | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
9番人気 | 0 | 0 | 0 | 4 | 4 | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
10番人気 | 0 | 0 | 0 | 4 | 4 | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
11番人気 | 0 | 0 | 0 | 4 | 4 | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
12番人気 | 0 | 0 | 0 | 3 | 3 | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
13番人気 | 0 | 0 | 0 | 2 | 2 | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
14番人気 | 0 | 0 | 0 | 2 | 2 | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
15番人気 | 0 | 0 | 0 | 2 | 2 | 0.00% | 0.00% | 0.00% |
JRA所属ジョッキーが優勢
過去5年の騎手別成績を見ると、3着以内となった回数が1回以上の13名は、いずれもJRA所属ジョッキーです。現在のところ最後に3着以内となった地方所属ジョッキーは2016年2着の桑村真明騎手ですし、JRA所属馬がすべて競走除外となった2007年を除くと、優勝を果たした地方所属ジョッキーは2003年の五十嵐冬樹騎手が最後。引き続きJRA所属ジョッキーの騎乗馬を高く評価するべきでしょう。
1着 | 2着 | 3着 | 4着 以下 | 総数 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
岩田康誠 | 1 | 1 | 0 | 0 | 2 | 50.0% | 100.0% | 100.0% |
戸崎圭太 | 1 | 1 | 0 | 0 | 2 | 50.0% | 100.0% | 100.0% |
M.デムーロ | 1 | 0 | 0 | 1 | 2 | 50.0% | 50.0% | 50.0% |
川田将雅 | 1 | 0 | 0 | 0 | 1 | 100.0% | 100.0% | 100.0% |
福永祐一 | 1 | 0 | 0 | 0 | 1 | 100.0% | 100.0% | 100.0% |
吉田隼人 | 0 | 1 | 0 | 0 | 1 | 0.0% | 100.0% | 100.0% |
古川吉洋 | 0 | 1 | 0 | 1 | 2 | 0.0% | 50.0% | 50.0% |
武豊 | 0 | 1 | 0 | 0 | 1 | 0.0% | 100.0% | 100.0% |
C.ルメール | 0 | 0 | 1 | 0 | 1 | 0.0% | 0.0% | 100.0% |
江田照男 | 0 | 0 | 1 | 0 | 1 | 0.0% | 0.0% | 100.0% |
松山弘平 | 0 | 0 | 1 | 0 | 1 | 0.0% | 0.0% | 100.0% |
藤岡佑介 | 0 | 0 | 1 | 0 | 1 | 0.0% | 0.0% | 100.0% |
武藤雅 | 0 | 0 | 1 | 0 | 1 | 0.0% | 0.0% | 100.0% |
その他の騎手 | 0 | 0 | 0 | 44 | 44 | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
前走が13頭立て以上のレースだった馬は信頼できる
過去5年の前走出走頭数別成績を見ると、8頭以下の馬は[0-0-0-5](3着内率0.0%)、9頭から12頭の馬は[1-2-0-34](3着内率8.1%)、13頭以上の馬は[4-3-5-7](3着内率63.2%)となっています。臨戦過程を比較する際は、前走の出走頭数にも注目しておきたいところです。
1着 | 2着 | 3着 | 4着 以下 | 総数 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
6頭 | 0 | 0 | 0 | 2 | 2 | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
7頭 | 0 | 0 | 0 | 1 | 1 | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
8頭 | 0 | 0 | 0 | 2 | 2 | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
9頭 | 0 | 1 | 0 | 6 | 7 | 0.0% | 14.3% | 14.3% |
10頭 | 0 | 1 | 0 | 8 | 9 | 0.0% | 11.1% | 11.1% |
11頭 | 1 | 0 | 0 | 12 | 13 | 7.7% | 7.7% | 7.7% |
12頭 | 0 | 0 | 0 | 8 | 8 | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
13頭 | 3 | 0 | 0 | 4 | 7 | 42.9% | 42.9% | 42.9% |
14頭 | 0 | 1 | 3 | 0 | 4 | 0.0% | 25.0% | 100.0% |
16頭 | 1 | 2 | 2 | 3 | 8 | 12.5% | 37.5% | 62.5% |
前走距離が明暗を分けそう
過去5年の前走距離別成績を見ると、1900m未満の馬は[2-3-0-42](3着内率10.6%)、1900m以上の馬は[3-2-5-4](3着内率71.4%)となっています。1800m以下のレースを経由してきた馬は、過信禁物と見ておいた方が良いかもしれません。
1着 | 2着 | 3着 | 4着 以下 | 総数 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1200m | 0 | 0 | 0 | 3 | 3 | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
1600m | 1 | 2 | 0 | 4 | 7 | 14.3% | 42.9% | 42.9% |
1700m | 0 | 1 | 0 | 6 | 7 | 0.0% | 14.3% | 14.3% |
1800m | 1 | 0 | 0 | 29 | 30 | 3.3% | 3.3% | 3.3% |
1900m | 0 | 1 | 1 | 0 | 2 | 0.0% | 50.0% | 100.0% |
2000m | 1 | 0 | 2 | 2 | 5 | 20.0% | 20.0% | 60.0% |
2100m | 2 | 1 | 2 | 1 | 6 | 33.3% | 50.0% | 83.3% |
2600m | 0 | 0 | 0 | 1 | 1 | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
(伊吹 雅也)
有力馬情報
- ☆ウワサノシブコ(牝5・佐久間雅貴厩舎)
- 2歳時に門別で2勝を挙げた後に浦和競馬へ移籍し、21年のユングフラウ賞を勝利。昨年夏にホッカイドウ競馬再転入後1勝を挙げた。今年初戦のナダル・プレミアム(4月26日)は心房細動により競走中止となったが、以後1戦ごとに着順を上げ、前哨戦のノースクイーンC(7月6日)では2馬身差の2着。復活へのキッカケをつかみ、JRAの強豪に挑む。
- ☆テリオスベル(牝6・田島俊明厩舎)
- 出脚こそ鈍いものの、鞍上の江田照男騎手が半周近く促して先手を奪い、前前で粘り込むという独特のレーススタイル。昨年暮れのクイーン賞(船橋競馬場)で重賞初制覇を挙げ、今年もダイオライト記念(船橋競馬場)2着、前走のマーキュリーC(盛岡競馬場)で同レース2年連続2着と、牡馬相手でも互角の走り。ここも己の戦法を貫き、昨年(3着)以上の結果を目指す。
- ☆ネーロルチェンテ(牝6・米川昇厩舎)
- 5月のヒダカソウCでは馬群の中団から鮮やかに抜け出し、3個目の重賞タイトル獲得を果たした。前走のノースクイーンCでは直線でやや頭が上がる仕草を見せて3着に敗れたが、デビュー以来最大タイの馬体重も微妙に影響した印象。当レースには3年連続での出走、21年には5着と掲示板に食い込んでおり、JRA勢に一矢報いる存在となるか。
- ☆パライバトルマリン(牝3・林徹厩舎)
(撮影:高橋正和)デビューから3戦は東京競馬場ダート1,600m戦で徐々に持ち時計を詰め、重賞初挑戦となった関東オークス(川崎競馬場)では、初距離・初の地方競馬場・初のナイターを克服した。関東オークスを制してからの当レース参戦は、昨年の覇者・グランブリッジと同じ。史上初めて、3歳馬によるVとなった昨年に続き、若き女王候補が躍動するか。- ☆プリティーチャンス(牝6・野中賢二厩舎)
- 昨年の当レースでは、直線で猛追しながらクビ差の2着と涙を呑んだが、続くレディスプレリュード(大井競馬場)では、持ち前の末脚を最大限に生かして重賞初制覇を飾った。一昨年の重賞初挑戦以来、牝馬限定戦では5戦すべて掲示板圏内と安定した戦績を誇っており、牝馬のダート路線では上位の存在。狙うはもちろん昨年のリベンジだ。
- ※五十音順
※出走馬は8月10日現在の情報をもとにしております。
ご注意:当ページの情報は、特定の馬の応援や勝馬の示唆をするものではありません。
レース一覧へ