レースガイド
若駒たちの躍動 2021世代最初の栄冠をめざせ
1976年、札幌競馬場・ダート1,200mの条件で第1回が行われる。その年デビューした2歳馬が出走する「全国で最も早い2歳重賞」というのは、毎年有望な若駒が数多くデビューするホッカイドウ競馬ならではの大きな特色といえる。牡馬ならJBC2歳優駿、牝馬ならエーデルワイス賞という、11月の両ダートグレード競走を頂点とする2歳重賞戦線の幕開け戦。今後のホッカイドウ競馬、さらには各地で活躍するであろうスター候補たちの走りから目が離せない。
★1着馬に「第55回函館2歳ステークス」(7月15日)への出走権を付与
★1着馬の馬主に「モズアスコット」の2024年種付権利を付与【スタリオンシリーズ競走】
前年ハイライト
レースの序盤は、好スタートを切ったライトニングブルーに内からポリゴンウェイヴが競りかける形となり、結局ポリゴンウェイヴが先頭、ライトニングブルーが2番手に。この2頭が1番手と2番手をキープしたまま4コーナーを通過しました。ゴール前の直線半ばでライトニングブルーがポリゴンウェイヴに並びかけ、決勝戦の手前でわずかにライトニングブルーが前へ出たものの、馬群の後方から大外を突いて伸びたコルドゥアンが最後の最後に急襲。内外大きく離れての接戦をハナ差で制し、この世代最初の国内重賞ウイナーに輝いています。
データ分析
過去5年の馬番別成績を見ると、1番から4番の馬は[1-1-0-18](3着内率10.0%)、5番から16番の馬は[4-4-5-33](3着内率28.3%)です。ちなみに、馬番が1番から4番、かつ前走の馬体重が500kg未満だった馬は[0-0-0-17](3着内率0.0%)と上位に食い込めていません。大型馬でない限り、内寄りの枠に入った馬は過信禁物と見るべきでしょう。
単勝1番人気の馬が不振
過去5年の単勝人気順別成績を見ると、1番人気の馬は[1-0-0-4](3着内率20.0%)、2番人気から4番人気の馬は[2-4-4-5](3着内率66.7%)、5番人気から7番人気の馬は[1-0-1-13](3着内率13.3%)、8番人気以下の馬は[1-1-0-29](3着内率6.5%)となっています。最上位人気の馬が期待を裏切りがちである点に注意したいところです。
1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 総数 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1番人気 | 1 | 0 | 0 | 4 | 5 | 20.0% | 20.0% | 20.0% |
2番人気 | 2 | 1 | 1 | 1 | 5 | 40.0% | 60.0% | 80.0% |
3番人気 | 0 | 2 | 2 | 1 | 5 | 0.0% | 40.0% | 80.0% |
4番人気 | 0 | 1 | 1 | 3 | 5 | 0.0% | 20.0% | 40.0% |
5番人気 | 1 | 0 | 0 | 4 | 5 | 20.0% | 20.0% | 20.0% |
6番人気 | 0 | 0 | 0 | 5 | 5 | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
7番人気 | 0 | 0 | 1 | 4 | 5 | 0.0% | 0.0% | 20.0% |
8番人気 | 0 | 0 | 0 | 5 | 5 | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
9番人気 | 0 | 0 | 0 | 5 | 5 | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
10番人気 | 0 | 0 | 0 | 5 | 5 | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
11番人気 | 0 | 0 | 0 | 5 | 5 | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
12番人気 | 0 | 0 | 0 | 4 | 4 | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
13番人気 | 0 | 1 | 0 | 3 | 4 | 0.0% | 25.0% | 25.0% |
14番人気 | 1 | 0 | 0 | 2 | 3 | 33.3% | 33.3% | 33.3% |
相性が良いのは角川秀樹厩舎と田中淳司厩舎
過去5年の調教師別成績を見ると、3着以内となった回数が4回以上だった現役トレーナーは、田中淳司調教師のみとなっています。ちなみに、過去全47回の調教師別勝利数を見ると、7勝の角川秀樹調教師が単独トップとなっており、その他の現役トレーナーはいずれも2勝以下でした。今年も角川秀樹調教師や田中淳司調教師の管理馬が出走してきたら見逃せません。
1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 総数 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
角川秀樹 | 2 | 1 | 0 | 10 | 13 | 15.4% | 23.1% | 23.1% |
田中淳司 | 1 | 2 | 3 | 12 | 18 | 5.6% | 16.7% | 33.3% |
米川昇 | 1 | 0 | 0 | 2 | 3 | 33.3% | 33.3% | 33.3% |
松本隆宏 | 0 | 1 | 1 | 3 | 5 | 0.0% | 20.0% | 40.0% |
その他の調教師 | 1 | 1 | 1 | 24 | 27 | 3.7% | 7.4% | 11.1% |
臨戦過程に注目
過去5年の前走レース別成績を見ると、3着以内となった回数が3回以上だったのは、ウィナーズチャレンジ・フレッシュチャレンジの2レースとなっています。ただし、フレッシュチャレンジの馬は3着内率が14.3%にとどまっているうえ、2019年以降の過去4年に限ると[0-1-1-19](3着内率9.5%)です。フレッシュチャレンジを勝ち上がったばかりの馬は、評価を下げるべきでしょう。
1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 総数 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
ウィナーズチャレンジ | 3 | 2 | 3 | 17 | 25 | 12.0% | 20.0% | 32.0% |
フレッシュチャレンジ | 1 | 2 | 1 | 24 | 28 | 3.6% | 10.7% | 14.3% |
スーパーフレッシュチャレンジ | 1 | 0 | 0 | 1 | 2 | 50.0% | 50.0% | 50.0% |
アタックチャレンジ | 0 | 1 | 1 | 6 | 8 | 0.0% | 12.5% | 25.0% |
その他のレース | 0 | 0 | 0 | 3 | 3 | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
馬格が明暗を分ける可能性も
過去5年の前走馬体重区分別成績を見ると、470kg未満の馬は[0-3-2-25](3着内率16.7%)、470kg以上の馬は[5-2-3-26](3着内率27.8%)となっています。なお、前走レースがアタックチャレンジ・スーパーフレッシュチャレンジ・フレッシュチャレンジだった馬に限ると、470kg未満の馬は[0-1-0-16](3着内率5.9%)、470kg以上の馬は[2-2-2-15](3着内率28.6%)でした。前走馬体重が470kg未満、かつその前走がオープンクラスのレースでなかった馬は強調できません。
1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 総数 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
420kg台 | 0 | 0 | 0 | 1 | 1 | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
430kg台 | 0 | 0 | 0 | 5 | 5 | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
440kg台 | 0 | 1 | 1 | 3 | 5 | 0.0% | 20.0% | 40.0% |
450kg台 | 0 | 1 | 1 | 7 | 9 | 0.0% | 11.1% | 22.2% |
460kg台 | 0 | 1 | 0 | 9 | 10 | 0.0% | 10.0% | 10.0% |
470kg台 | 2 | 0 | 0 | 6 | 8 | 25.0% | 25.0% | 25.0% |
480kg台 | 1 | 0 | 2 | 8 | 11 | 9.1% | 9.1% | 27.3% |
490kg台 | 0 | 1 | 0 | 7 | 8 | 0.0% | 12.5% | 12.5% |
500kg台 | 1 | 0 | 0 | 3 | 4 | 25.0% | 25.0% | 25.0% |
510kg台 | 0 | 1 | 0 | 0 | 1 | 0.0% | 100.0% | 100.0% |
520kg台 | 1 | 0 | 1 | 0 | 2 | 50.0% | 50.0% | 100.0% |
530kg台 | 0 | 0 | 0 | 1 | 1 | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
540kg台 | 0 | 0 | 0 | 1 | 1 | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
(伊吹 雅也)
有力馬情報
- ☆カプセル(牡2・田中淳司厩舎)
- デビュー戦のスーパーフレッシュチャレンジ競走(4月19日)は、1,000mの距離に戸惑いがあってか3着に敗れたが、2戦目の1,200m戦・アタックチャレンジ競走(5月25日)では、自らハイラップを刻み2着馬に5馬身差をつけた。毎年重賞でも好勝負を演じている「第1回能力検査一番時計馬」が、重賞の舞台でも高い素質を示す。
- ☆キタサンヒコボシ(牡2・五十嵐冬樹厩舎)
- 父は2018年のNARグランプリ年度代表馬・キタサンミカヅキ。5月3日の「2020年供用開始種牡馬産駒限定」フレッシュチャレンジ競走(1,000m)で軽快に逃げ切り、続くウィナーズチャレンジ1競走も、1ハロン延長に対応して2着と善戦した。ダートグレード競走3勝と短距離戦線で活躍した父に、種牡馬として初めての重賞タイトルを届けたい。
- ☆コールブランド(牡2・田中淳司厩舎)
- 5月10日に出走したフレッシュチャレンジ競走(1,100m)では、単勝オッズ1.1倍の圧倒的支持に応え、2着馬に3馬身差をつけて快勝した。4月13日、本走路のオーストラリア産珪砂を使った最初の能力検査では、この世代の一番時計となる47秒9の時計をマーク。潜在能力の高さでは、重賞の舞台でも引けを取らないだろう。
- ☆スティールマジック(牝2・角川秀樹厩舎)
- 4月26日のフレッシュチャレンジ競走(1,100m)では、勝ち時計1分06秒4の好時計で、2着に9馬身差をつける圧勝劇を演じた。2戦目のウィナーズチャレンジ1競走では出遅れて後手に回る形となり3着に敗れたが、気性面の課題が明確になったのは収穫のはず。同じ角川厩舎所属の19年バブルガムダンサー以来4年ぶりの、牝馬による同レース制覇を狙う。
- ☆ストリーム(牡2・田中淳司厩舎)
- 出走メンバー中唯一の2勝馬。初戦から中2週で臨んだデビュー2戦目のウィナーズチャレンジ1競走(6月8日)では、内々で脚を溜めると直線で力強く抜け出して連勝を果たした。鞍上の岩橋勇二騎手も「栄冠賞を意識できる馬」と好素材を認める1頭。09年オノユウ以来14年ぶりとなる、デビューから3連勝での同レース制覇に挑む。
- ※五十音順
※出走馬は6月22日現在の情報をもとにしております。
ご注意:当ページの情報は、特定の馬の応援や勝馬の示唆をするものではありません。
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