レースガイド
世代でたったひとつの栄光 「北のダービー馬」の座はどの馬に
1973年、岩見沢競馬場・ダート1,900mの条件で第1回が行われ、ホッカイドウ競馬の3歳三冠競走のなかでは最も古い歴史を有する。2007年より地方競馬の”ダービー”を集中的に開催する『ダービーWeek』(現・ダービーシリーズ)の1戦に組み込まれてからは、おおむね6月ころに開催されており、09年の第37回より現在の門別競馬場・ダート2,000mに施行条件が変更された。ブリーダーズゴールドC、道営記念も施行される門別の『チャンピオン・ディスタンス』で争われる1戦は、3歳馬の純粋な能力が試される舞台だろう。
★『ダービーシリーズ2023』対象競走
★1着馬の馬主に「ルヴァンスレーヴ」の2024年種付権利を付与【スタリオンシリーズ競走】
前年ハイライト
スタート直後の先行争いを制し、まずハナを切ったのはエンリル。スダワールドらがこれを追う形で向正面に入りました。3コーナーから4コーナーにかけての地点でレースが動き始め、先団の内めを追走していたシルトプレ、先団の外めを追走していたボニーマジェスティが、それぞれ先頭のエンリルに接近。残り200m地点のあたりでこの3頭が並走する態勢となりましたが、最内を突いたシルトプレがゴール手前で抜け出し、自身3度目の重賞制覇を果たしています。
データ分析
ホッカイドウ競馬3歳三冠競走の一戦目、北斗盃から直行してきた馬が中心。過去5年の前走レース別成績を見ると、北斗盃の馬は[4-4-2-19](3着内率34.5%)、北斗盃以外の馬は[1-1-3-20](3着内率20.0%)です。別路線組は扱いに注意しましょう。
1番人気馬は勝率8割
過去5年の単勝人気順別成績を見ると、1番人気の馬は[4-0-0-1](3着内率80.0%)、2-3番人気の馬は[0-1-4-5](3着内率50.0%)、4-9番人気の馬は[1-4-1-23](3着内率20.7%)、10番人気以下の馬は[0-0-0-10](3着内率0.0%)となっています。人気薄の馬が上位に食い込んだ例もあるとはいえ、人気の中心となっている馬を無理に嫌わない方が良いかもしれません。
1着 | 2着 | 3着 | 4着 以下 | 総数 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1番人気 | 4 | 0 | 0 | 1 | 5 | 80.0% | 80.0% | 80.0% |
2番人気 | 0 | 1 | 1 | 3 | 5 | 0.0% | 20.0% | 40.0% |
3番人気 | 0 | 0 | 3 | 2 | 5 | 0.0% | 0.0% | 60.0% |
4番人気 | 0 | 1 | 0 | 4 | 5 | 0.0% | 20.0% | 20.0% |
5番人気 | 0 | 0 | 0 | 5 | 5 | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
6番人気 | 0 | 0 | 0 | 5 | 5 | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
7番人気 | 0 | 2 | 1 | 2 | 5 | 0.0% | 40.0% | 60.0% |
8番人気 | 1 | 0 | 0 | 4 | 5 | 20.0% | 20.0% | 20.0% |
9番人気 | 0 | 1 | 0 | 3 | 4 | 0.0% | 25.0% | 25.0% |
10番人気 | 0 | 0 | 0 | 4 | 4 | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
11番人気 | 0 | 0 | 0 | 2 | 2 | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
12番人気 | 0 | 0 | 0 | 2 | 2 | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
13番人気 | 0 | 0 | 0 | 1 | 1 | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
14番人気 | 0 | 0 | 0 | 1 | 1 | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
このレースと相性が良い騎手に注目
過去5年の騎手別成績を見ると、3着以内となった回数が3回以上なのは、石川倭騎手・岩橋勇二騎手の2名となっています。ちなみに、石川倭騎手は2021年、2022年と当レース2連勝中ですし、岩橋勇二騎手も2021年が3着、2022年が2着と、ここ2年連続で好走を果たしました。それぞれ今後もしっかりマークしておきましょう。
1着 | 2着 | 3着 | 4着 以下 | 総数 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
石川倭 | 2 | 0 | 1 | 2 | 5 | 40.0% | 40.0% | 60.0% |
桑村真明 | 2 | 0 | 0 | 3 | 5 | 40.0% | 40.0% | 40.0% |
岩橋勇二 | 0 | 1 | 2 | 2 | 5 | 0.0% | 20.0% | 60.0% |
服部茂史 | 0 | 1 | 1 | 2 | 4 | 0.0% | 25.0% | 50.0% |
井上俊彦 | 0 | 1 | 0 | 2 | 3 | 0.0% | 33.3% | 33.3% |
坂下秀樹 | 0 | 1 | 0 | 0 | 1 | 0.0% | 100.0% | 100.0% |
松井伸也 | 0 | 1 | 0 | 3 | 4 | 0.0% | 25.0% | 25.0% |
落合玄太 | 0 | 0 | 1 | 2 | 3 | 0.0% | 0.0% | 33.3% |
その他の騎手 | 1 | 0 | 0 | 23 | 24 | 4.2% | 4.2% | 4.2% |
直近のパフォーマンスを素直に評価したい
過去5年の前走着順別成績を見ると、1着の馬は[4-0-2-8](3着内率42.9%)、2-5着の馬は[1-4-3-19](3着内率29.6%)、6着以下の馬は[0-1-0-12](3着内率7.7%)となっています。なお、前走のレースが北斗盃以外だった馬に限ると、1着の馬は[1-0-2-6](3着内率33.3%)、2着以下の馬は[0-1-1-14](3着内率12.5%)です。北斗盃組を含む大敗直後の馬や、前走が北斗盃でなかったにもかかわらずその前走を勝ち切れなかった馬は、強調できません。
1着 | 2着 | 3着 | 4着 以下 | 総数 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1着 | 4 | 0 | 2 | 8 | 14 | 28.6% | 28.6% | 42.9% |
2着 | 0 | 1 | 0 | 6 | 7 | 0.0% | 14.3% | 14.3% |
3着 | 0 | 2 | 1 | 6 | 9 | 0.0% | 22.2% | 33.3% |
4着 | 1 | 0 | 2 | 4 | 7 | 14.3% | 14.3% | 42.9% |
5着 | 0 | 1 | 0 | 3 | 4 | 0.0% | 25.0% | 25.0% |
6着 | 0 | 0 | 0 | 2 | 2 | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
8着 | 0 | 0 | 0 | 2 | 2 | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
9着 | 0 | 0 | 0 | 1 | 1 | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
11着 | 0 | 0 | 0 | 3 | 3 | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
12着 | 0 | 0 | 0 | 1 | 1 | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
13着 | 0 | 0 | 0 | 2 | 2 | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
14着 | 0 | 1 | 0 | 1 | 2 | 0.0% | 50.0% | 50.0% |
前走の距離も見逃せないポイント
過去5年の前走距離別成績を見ると、1600m以下の馬は[4-4-3-26](3着内率29.7%)、1600m超1800m未満の馬は[0-1-0-12](3着内率7.7%)、1800m以上の馬は[1-0-2-1](3着内率75.0%)となっています。なお、前走のレースが北斗盃以外だった馬に限ると、1800m未満の馬は[0-1-1-19](3着内率9.5%)、1800m以上の馬は[1-0-2-1](3着内率75.0%)でした。前走が北斗盃を除く1800m未満のレースだった馬は、上位に食い込む可能性が低いと見るべきでしょう。
1着 | 2着 | 3着 | 4着 以下 | 総数 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1000m | 0 | 0 | 0 | 1 | 1 | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
1200m | 0 | 0 | 1 | 2 | 3 | 0.0% | 0.0% | 33.3% |
1600m | 4 | 4 | 2 | 23 | 33 | 12.1% | 24.2% | 30.3% |
1700m | 0 | 1 | 0 | 12 | 13 | 0.0% | 7.7% | 7.7% |
1800m | 1 | 0 | 2 | 1 | 4 | 25.0% | 25.0% | 75.0% |
(伊吹 雅也)
有力馬情報
- ☆キングオブザナイル(牡3・小久保智厩舎)
- (写真:(c)netkeiba)本競走への他地区所属馬の参戦は18年以来。今年3月にJRA未勝利戦を制した後に浦和競馬へ移籍。南関東3冠レースの羽田盃(大井競馬場)では13着に敗れたが、続く東京ダービートライアル(大井競馬場)で2着に逃げ粘った。登録馬中唯一2,000mの距離を経験しているのは大きな強みとなりそうで、風穴を開ける存在となるか注目だ。
- ☆ズンガリプテルス(牡3・小国博行厩舎)
- 前走の雨月賞(5月17日)は、タフな展開で前を捕まえきれず2着だったが、当地門別では複勝圏を外していない安定感は大きな魅力。昨年度最後のフレッシュチャレンジで単勝7番人気の低評価を覆した後、オフシーズンにJRA1勝クラスで経験を積み、着実に成長を遂げている。金沢の名手・吉原寛人騎手を背に、通算2勝目でのダービー制覇なるか。
- ☆ニシケンボブ(牡3・小国博行厩舎)
- オフシーズンは兵庫所属として重賞戦線を駆け、菊水賞(園田競馬場)3着の後にホッカイドウ競馬へ再移籍。北斗盃(5月4日)ではベルピットに水をあけられたが、続くA1特別戦・ハクチョウゲ特別(5月24日)では、年長馬と同斤量という条件ながら、1,700mを1分49秒0の時計で快勝し力を示した。強敵相手に渡り合った経験が大舞台で花開くか。
- ☆プルタオルネ(牡3・小国博行厩舎)
- 北斗盃ではおよそ5カ月の休養明けも影響してか6着と本来の動きを見せることはできなかった印象だが、続くB3特別戦・クンシラン特別(5月17日)では、2着とは言え一旦は先頭に立ちレースぶりの良化を示した。2歳時から遠征にも積極的に臨み、重賞・平和賞(船橋競馬場)を勝利。戦法の幅も広がり、さらなる前進を目指す。
- ☆ベルピット(牡3・角川秀樹厩舎)
- 昨年5月に門別競馬場でデビューし、ここまでに8戦6勝2着2回、重賞3勝と抜群の安定感を誇る。クラシック1冠目の北斗盃は、初めての内回りと道中で揉まれ込む展開をはねのけて3コーナーから満を持して先頭に立ち、2着に7馬身差をつける圧勝劇を演じた。昨年のシルトプレに続く2冠制覇へのチャレンジは、大目標への通過点となるか。
(五十音順、文・山下広貴)
※出走馬は6月9日現在の情報をもとにしております。
ご注意:当ページの情報は、特定の馬の応援や勝馬の示唆をするものではありません。
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