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2023.6.1(木)

北海道スプリントカップ

JpnIII1200m

レースガイド

短距離界の頂点へ 初夏の風とともに疾走せよ

前身は地元馬限定の短距離重賞として施行されていた金杯。1997年、前年11月に発足された「ダート競走格付け委員会」によりGIII(当時)の格付けが付され、札幌競馬場・1,000mの条件で第1回が行われた。ホッカイドウ競馬で年度最初に行われるダートグレード競走は、秋の大一番・JBCスプリント(大井競馬場)にもつながる1戦。昨年11月に発表された「全日本的なダート競走の体系整備」に伴い、2024年から3歳馬限定戦、8月中旬施行に移行されるため、「3歳以上・春季」の条件で行われるのは今回をもってひと区切りとなる。



★『カウントアップS(スプリント)』対象競走

前年ハイライト

レースの序盤は、最内枠からハナに立ったダンシングプリンスをヒロシゲゴールドらが追う展開。3コーナーから4コーナーでリュウノユキナも差を詰めてきましたが、ダンシングプリンスが単独先頭をキープしたまま4コーナーを通過しました。ゴール前の直線ではスマートダンディーが大外から先行勢に迫ったものの、最後はダンシングプリンスがクビ差だけ凌いで入線。2走前のカペラステークス、前走のリヤドダートスプリントに続く自身3度目の重賞制覇を果たしています。

データ分析

臨戦過程に注目したい一戦。過去5年の前走レース別成績を見ると、東京スプリントの馬は[1-2-2-4](3着内率55.6%)、天王山ステークスの馬は[1-1-1-1](3着内率75.0%)、その他のレースの馬は[3-3-1-50](3着内率12.3%)です。ちなみに、今年は例年であれば天王山ステークスが施行される時期に、同条件の京都競馬場グランドオープン記念が施行されました。この京都競馬場グランドオープン記念や東京スプリントから直行してきた馬は、相応に高く評価するべきでしょう。

人気薄の馬が上位に食い込んだ例は少ない

過去5年の単勝人気順別成績を見ると、3番人気以内の馬は[4-5-2-4](3着内率73.3%)、4番人気から8番人気の馬は[1-1-2-21](3着内率16.0%)、9番人気以下の馬は[0-0-0-30](3着内率0.0%)となっています。堅く収まりがちなレースと見ておいた方が良いかもしれません。

表1単勝人気順別成績(過去5年)
1着 2着 3着 4着以下 総数 勝率 連対率 3着内率
1番人気 2 2 1 0 5 40.0% 80.0% 100.0%
2番人気 1 1 1 2 5 20.0% 40.0% 60.0%
3番人気 1 2 0 2 5 20.0% 60.0% 60.0%
4番人気 0 0 1 4 5 0.0% 0.0% 20.0%
5番人気 0 0 1 4 5 0.0% 0.0% 20.0%
6番人気 1 0 0 4 5 20.0% 20.0% 20.0%
7番人気 0 0 0 5 5 0.0% 0.0% 0.0%
8番人気 0 1 0 4 5 0.0% 20.0% 20.0%
9番人気 0 0 0 5 5 0.0% 0.0% 0.0%
10番人気 0 0 0 5 5 0.0% 0.0% 0.0%
11番人気 0 0 0 4 4 0.0% 0.0% 0.0%
12番人気 0 0 0 4 4 0.0% 0.0% 0.0%
13番人気 0 0 0 4 4 0.0% 0.0% 0.0%
14番人気 0 0 0 4 4 0.0% 0.0% 0.0%
15番人気 0 0 0 2 2 0.0% 0.0% 0.0%
16番人気 0 0 0 2 2 0.0% 0.0% 0.0%
落合玄太騎手が好成績をマーク

過去5年の騎手別成績を見ると、3着以内となった回数が3回以上なのは、落合玄太騎手(3回)のみとなっています。2020年にはメイショウアイアンを、2022年にはダンシングプリンスを優勝へと導いていますから、このレースと相性が良いジョッキーと見て良さそう。今後もしっかりマークしておきたいところです。

表2騎手別成績(過去5年)
1着 2着 3着 4着以下 総数 勝率 連対率 3着内率
落合玄太 2 1 0 1 4 50.0% 75.0% 75.0%
岩田康誠 1 0 0 0 1 100.0% 100.0% 100.0%
北村宏司 1 0 0 0 1 100.0% 100.0% 100.0%
浜中俊 1 0 0 0 1 100.0% 100.0% 100.0%
柴田善臣 0 1 1 0 2 0.0% 50.0% 100.0%
山本聡哉 0 1 0 0 1 0.0% 100.0% 100.0%
酒井学 0 1 0 0 1 0.0% 100.0% 100.0%
秋山真一郎 0 1 0 0 1 0.0% 100.0% 100.0%
武豊 0 1 0 1 2 0.0% 50.0% 50.0%
阿部龍 0 0 1 4 5 0.0% 0.0% 20.0%
松山弘平 0 0 1 1 2 0.0% 0.0% 50.0%
その他の騎手 0 0 1 48 49 0.0% 0.0% 2.0%
前走好走馬が優勢

過去5年の前走着順別成績を見ると、2着以内の馬は[3-3-3-18](3着内率33.3%)、3着から7着の馬は[2-3-1-27](3着内率18.2%)、8着以下の馬は[0-0-0-10](3着内率0.0%)となっています。なお、2019年以降の過去4年に限ると、2着以内の馬は[2-3-3-13](3着内率38.1%)、3着から5着の馬は[2-2-0-15](3着内率21.1%)、6着以下の馬は[0-0-0-14](3着内率0.0%)でした。大敗直後の馬は評価を下げるべきでしょう。

表3前走着順別成績(過去5年)
1着 2着 3着 4着以下 総数 勝率 連対率 3着内率
1着 2 2 2 12 18 11.1% 22.2% 33.3%
2着 1 1 1 6 9 11.1% 22.2% 33.3%
3着 1 1 0 7 9 11.1% 22.2% 22.2%
4着 0 1 0 8 9 0.0% 11.1% 11.1%
5着 1 0 0 4 5 20.0% 20.0% 20.0%
6着 0 1 0 6 7 0.0% 14.3% 14.3%
7着 0 0 1 2 3 0.0% 0.0% 33.3%
8着 0 0 0 3 3 0.0% 0.0% 0.0%
9着 0 0 0 2 2 0.0% 0.0% 0.0%
10着 0 0 0 3 3 0.0% 0.0% 0.0%
11着 0 0 0 1 1 0.0% 0.0% 0.0%
12着 0 0 0 1 1 0.0% 0.0% 0.0%
前走が少頭数のレースだった馬は不振

過去5年の前走出走頭数別成績を見ると、12頭以下の馬は[3-1-0-46](3着内率8.0%)、13頭以上の馬は[2-5-4-9](3着内率55.0%)となっています。なお、2020年以降の過去3年に限ると、12頭以下の馬は[1-0-0-24](3着内率4.0%)、13頭以上の馬は[2-4-2-5](3着内率61.5%)です。少頭数のレースを経由してきた馬は強調できません。

表4前走出走頭数別成績(過去5年)
1着 2着 3着 4着以下 総数 勝率 連対率 3着内率
6頭 0 0 0 1 1 0.0% 0.0% 0.0%
8頭 0 0 0 2 2 0.0% 0.0% 0.0%
9頭 0 0 0 8 8 0.0% 0.0% 0.0%
10頭 1 0 0 0 1 100.0% 100.0% 100.0%
11頭 1 0 0 20 21 4.8% 4.8% 4.8%
12頭 1 1 0 15 17 5.9% 11.8% 11.8%
13頭 1 1 1 2 5 20.0% 40.0% 60.0%
14頭 0 0 1 0 1 0.0% 0.0% 100.0%
15頭 1 2 1 2 6 16.7% 50.0% 66.7%
16頭 0 2 1 5 8 0.0% 25.0% 37.5%

(伊吹 雅也)

有力馬情報

アイオライト(牡6・武藤善則厩舎)

(写真:(c)netkeiba)



  2歳夏にデビューし、重賞初挑戦となったJpnI・全日本2歳優駿(川崎競馬場)でアタマ差2着と善戦。古馬になってからも3年続けてリステッド競走を制し、昨秋のJpnII・浦和記念でも3着に逃げ粘った。1,200mから2,000mで馬券圏内に入るという、条件を問わず好走するオールマイティーさは、地力勝負が求められる門別の舞台で大いに生きるはずだ。


ケイアイドリー(牡6・村山明厩舎)

(撮影:稲葉訓也)



  昨年末からりんくうS・大和Sと阪神競馬場ダート1,200mのオープン特別を連勝。初めての重賞挑戦となったJpnIII・黒船賞(高知競馬場)は8着に敗れたものの、続くJpnIII・東京スプリント(大井競馬場)では、リュウノユキナから3/4馬身差の2着に食い込んだ。「3度目の正直」で、半兄・ケイアイパープルに続くダートグレード競走勝利を狙う。


ジャスティン(牡7・矢作芳人厩舎)

(撮影:高橋正和)



  4歳時の2020年に8戦5勝、ダートグレード競走で3勝を挙げるなど本格化。6歳となったの昨年もJpnIII・クラスターC(盛岡競馬場)とGIII・カペラS(中山競馬場)でそれぞれ3着に入り、今年に入ってからは2年ぶりに海外の重賞を転戦した。鞍上の坂井瑠星騎手共々、世界の大舞台で揉まれた経験を糧に、およそ2年半ぶりの重賞タイトル獲得をもくろむ。


スティールペガサス(牡6・角川秀樹厩舎)


  昨年の当レースで地方馬最先着の5着に入った後は6戦5勝。敗れた1戦も昨年の笠松グランプリ(4着)のみと、ここ1年は地元戦でパーフェクトの成績を挙げている。前哨戦のエトワール賞(4月27日)も、好位から力強く抜け出す堂々たる走り。今年重賞2勝の桑村真明騎手・角川秀樹調教師の師弟コンビが、地元の総大将としてJRAの快速馬を迎え撃つ。


ダンシングプリンス(牡7・宮田敬介厩舎)


  昨年の当レース覇者。秋のJpnI・JBCスプリント(盛岡競馬場)でもその速力を遺憾なく発揮し、砂の短距離王の座に輝いた。12、13年セレスハント以来4頭目の連覇を見据えて今年も鞍上に迎えるのは、昨年初のホッカイドウ競馬リーディングを獲得した落合玄太騎手。すでに当レース2勝を挙げている若武者は、心強いパートナーになるはずだ。




(五十音順、文・山下広貴)

※出走馬は5月25日現在の情報をもとにしております。

ご注意:当ページの情報は、特定の馬の応援や勝馬の示唆をするものではありません。

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