レースガイド
3歳馬の王道 北斗星煌めくクラシックロード
1977年、旭川競馬場・ダート1,600mの条件で第1回が行われる。80年の王冠賞創設でホッカイドウ競馬3歳三冠競走が揃って以来、三冠の第一関門として定着している。2000年前後からしばらくは1,000から1,200mの短距離で施行されることが主流だったが、15年に門別競馬場に内回りコースが創設されて以後は、内回り・1,600mの条件で固定されている。スピードと持久力、騎手の力量に加え、開幕間もない時期で各馬のコンディショニングも問われるスリリングなレース展開に注目だ。
★1・2着馬に「第51回北海優駿(ダービー)」(6月15日、門別競馬場)の優先出走権を付与
★1着馬の馬主に「フィエールマン」の2024年種付権利を付与【スタリオンシリーズ競走】
前年ハイライト
スタート直後にまず飛び出したのはエンリル。2番手にスダワールドが続き、この2頭がやや後続を引き離して3コーナーに入りました。3から4コーナーでシルトプレ・マナホクの2頭がポジションを押し上げたものの、エンリルが単独先頭をキープしたまま4コーナーを通過。しかし、単勝オッズ1.5倍の1番人気に支持されていたシルトプレがゴール前の直線で末脚を伸ばし、残り100m地点のあたりでエンリルをかわしきって、鎌倉記念に続く自身2度目の重賞制覇を果たしています。
データ分析
臨戦過程を比較する際は、前走の出走頭数にも注目した方が良さそう。過去5年の前走出走頭数別成績を見ると、6頭以下の馬は[0-1-0-11](3着内率8.3%)、7から11頭の馬は[2-4-4-25](3着内率28.6%)、12頭以上の馬は[3-0-1-1](3着内率80.0%)です。極端な少頭数のレースを経由してきた馬は、上位に食い込む可能性が低いと見るべきでしょう。
堅く収まりがちな一戦
過去5年の単勝人気順別成績を見ると、3番人気以内の馬は[5-4-3-3](3着内率80.0%)、4から7番人気の馬は[0-1-2-17](3着内率15.0%)、8番人気以下の馬は[0-0-0-17](3着内率0.0%)となっています。2022年も単勝1から3番人気の3頭がそのまま1から3着を占め、3連単の配当は870円にとどまりました。前評判の高い馬は相応に高く評価したいところです。
1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 総数 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1番人気 | 4 | 0 | 0 | 1 | 5 | 80.0% | 80.0% | 80.0% |
2番人気 | 1 | 4 | 0 | 0 | 5 | 20.0% | 100.0% | 100.0% |
3番人気 | 0 | 0 | 3 | 2 | 5 | 0.0% | 0.0% | 60.0% |
4番人気 | 0 | 1 | 0 | 4 | 5 | 0.0% | 20.0% | 20.0% |
5番人気 | 0 | 0 | 0 | 5 | 5 | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
6番人気 | 0 | 0 | 0 | 5 | 5 | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
7番人気 | 0 | 0 | 2 | 3 | 5 | 0.0% | 0.0% | 40.0% |
8番人気 | 0 | 0 | 0 | 4 | 4 | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
9番人気 | 0 | 0 | 0 | 3 | 3 | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
10番人気 | 0 | 0 | 0 | 2 | 2 | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
11番人気 | 0 | 0 | 0 | 2 | 2 | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
12番人気 | 0 | 0 | 0 | 2 | 2 | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
13番人気 | 0 | 0 | 0 | 2 | 2 | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
14番人気 | 0 | 0 | 0 | 2 | 2 | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
角川秀樹調教師、田中淳司調教師らが好成績をマーク
過去5年の調教師別成績を見ると、3着以内となった回数が2回以上の現役調教師は、角川秀樹調教師、田中淳司調教師、堂山芳則調教師の3名となっています。なお、2017年以前を含む調教師別の通算勝利数を見ると、4勝をマークしている角川秀樹調教師が鈴木英二元調教師(6勝)に次ぐ単独2位となっていました。今後も管理馬が出走してきたらしっかりマークしておきましょう。
1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 総数 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
堂山芳則 | 1 | 0 | 1 | 1 | 3 | 33.3% | 33.3% | 66.7% |
川島洋人 | 1 | 0 | 0 | 2 | 3 | 33.3% | 33.3% | 33.3% |
米川昇 | 1 | 0 | 0 | 3 | 4 | 25.0% | 25.0% | 25.0% |
田中淳司 | 0 | 3 | 1 | 7 | 11 | 0.0% | 27.3% | 36.4% |
角川秀樹 | 0 | 1 | 1 | 4 | 6 | 0.0% | 16.7% | 33.3% |
桧森邦夫 | 0 | 0 | 1 | 2 | 3 | 0.0% | 0.0% | 33.3% |
齊藤正弘 | 0 | 0 | 1 | 1 | 2 | 0.0% | 0.0% | 50.0% |
その他の調教師 | 2 | 1 | 0 | 17 | 20 | 10.0% | 15.0% | 15.0% |
どちらかと言えば前走好走馬が優勢
過去5年の前走着順別成績を見ると、2着以内の馬は[2-5-4-17](3着内率39.3%)、3着以下の馬は[3-0-1-20](3着内率16.7%)となっています。なお、前走の着順が3着以下だったにもかかわらず3着以内となった4頭のうち3頭は、前走が南関東地区の重賞競走だった馬です。大敗直後の馬は基本的に過信禁物と見ておいた方が良いかもしれません。
1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 総数 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1着 | 1 | 3 | 4 | 10 | 18 | 5.6% | 22.2% | 44.4% |
2着 | 1 | 2 | 0 | 7 | 10 | 10.0% | 30.0% | 30.0% |
3着 | 0 | 0 | 0 | 6 | 6 | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
4着 | 0 | 0 | 0 | 10 | 10 | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
5着 | 1 | 0 | 0 | 2 | 3 | 33.3% | 33.3% | 33.3% |
6着 | 0 | 0 | 0 | 2 | 2 | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
7着 | 0 | 0 | 1 | 0 | 1 | 0.0% | 0.0% | 100.0% |
10着 | 1 | 0 | 0 | 0 | 1 | 100.0% | 100.0% | 100.0% |
11着 | 1 | 0 | 0 | 0 | 1 | 100.0% | 100.0% | 100.0% |
小柄な馬は割り引きが必要
過去5年の前走馬体重区分別成績を見ると、460kg未満の馬は[0-0-2-12](3着内率14.3%)、460kg以上の馬は[5-5-3-25](3着内率34.2%)となっています。各馬の馬格も重要なポイントと言えるでしょう。
1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 総数 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
420kg台 | 0 | 0 | 0 | 3 | 3 | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
430kg台 | 0 | 0 | 1 | 0 | 1 | 0.0% | 0.0% | 100.0% |
440kg台 | 0 | 0 | 0 | 5 | 5 | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
450kg台 | 0 | 0 | 1 | 4 | 5 | 0.0% | 0.0% | 20.0% |
460kg台 | 2 | 1 | 0 | 1 | 4 | 50.0% | 75.0% | 75.0% |
470kg台 | 0 | 1 | 0 | 2 | 3 | 0.0% | 33.3% | 33.3% |
480kg台 | 0 | 0 | 2 | 5 | 7 | 0.0% | 0.0% | 28.6% |
490kg台 | 1 | 1 | 0 | 4 | 6 | 16.7% | 33.3% | 33.3% |
500kg台 | 2 | 0 | 1 | 6 | 9 | 22.2% | 22.2% | 33.3% |
510kg台 | 0 | 2 | 0 | 4 | 6 | 0.0% | 33.3% | 33.3% |
520kg台 | 0 | 0 | 0 | 3 | 3 | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
(伊吹 雅也)
有力馬情報
☆エアポートライナー(牡3歳・田中淳司厩舎)
デビュー2戦目の栄冠賞(6月28日)では、不良馬場・ハイペースの大激戦で0秒2差の4着に食らいついた。その後は休養を挟み、昨年秋からここまで門別・大井でコンスタントに6戦を消化。2走前の若獅子特別(大井競馬場)では、今回と同じ1,600mの距離で差のない3着と接戦を演じている。能検時から高評価を集めていた素質馬が、クラシックの舞台で開花なるか注目だ。
☆ズンガリプテルス(牡3歳・小国博行厩舎)
昨シーズン最後のフレッシュチャレンジ(8月31日)を5馬身差で快勝すると、その後地元のオープン戦線で堅実に入着を重ね、年末にはJRA1勝クラス・ひいらぎ賞(中山競馬場)にも参戦した。オフシーズンはJRAで2戦し、いずれも1秒程度の着差でまとめる走り。ハイレベルな舞台で勝負を重ねた経験を糧に、古巣復帰初戦でさらなる前進をもくろむ。
☆ニシケンボブ(牡3歳・小国博行厩舎)
昨年は地元の2歳オープンで3勝を挙げ、暮れの全日本2歳優駿(川崎競馬場)にも駒を進めた。オフシーズンは園田競馬に籍を置き、ゴールドジュニア(笠松競馬場)で重賞初制覇を飾ると、兵庫ユースC(姫路競馬場)・菊水賞(園田競馬場)と連続3着。小回りの競馬場で磨いた機動力を武器に、内回りマイルのトリッキーな舞台で2つ目のタイトル獲得を狙う。
☆プルタオルネ(牡3歳・小国博行厩舎)
昨年6月のデビュー戦(1,000m)では、のちの重賞馬・アサクサロックを差し切り。その後は距離延長にも対応しており、10月の平和賞(船橋競馬場)では直線の追い比べを制し、同レース5年ぶりのホッカイドウ競馬勢勝利をもたらした。全日本2歳優駿では10着と敗れたが、JRAや他地区へ遠征を重ねた経験値はメンバー中上位。冬場も門別で鍛錬を重ね、シーズン初戦に臨む。
☆ベルピット(牡3歳・角川秀樹厩舎)
昨年はブリーダーズゴールドジュニアC(7月28日)、サッポロクラシックC(8月24日)を連勝。大一番・JBC2歳優駿(11月3日)でも地元馬最先着の2着と健闘し、北海道競馬記者クラブ年度代表馬(2歳部門)に選出された。今年初戦の牡羊座特別(4月19日)も、4コーナーから悠々と抜け出すと2着に8馬身差をつける圧勝。昨年の2歳戦線の主役が、満を持して3冠ロードに挑む。
(五十音順、文・山下広貴)
※出走馬は4月27日現在の情報をもとにしております。
ご注意:当ページの情報は、特定の馬の応援や勝馬の示唆をするものではありません。
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