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2022.11.3(木)

JBC2歳優駿

JpnIII1800m

レースガイド

選ばれし若駒の激闘 馬産地発2歳王者決定戦

長くホッカイドウ競馬の2歳戦線総決算として位置づけられ、1997年からダートグレード競走に指定された北海道2歳優駿が前身。JBC第20回記念開催となった2020年、創設以来の宿願であった「2歳カテゴリー」を創設するため、従来の同競走を発展させて創設された。日本最大の馬産地で発展し、有力な2歳馬を多数輩出してきたホッカイドウ競馬の、2歳戦線総決算とも呼べる1戦。地方競馬・中央競馬から選ばれた、有望な若駒たちによる激戦から目が離せない。



★『2歳チャンピオンシリーズ2022』対象競走

★1着馬の馬主に「サンダースノー」の2023年種付権利を付与【スタリオンシリーズ競走】

前年ハイライト

スタート直後の先行争いを制し、まずハナを切ったのはエンリル。3~4コーナーでオディロン、シャルフジンの2頭が先頭に立ち、ゴール前の直線に入りました。残り200m地点を迎えたところで、馬場の内めからはナッジが、外めからはアイスジャイアントとリコーヴィクターが先行する2頭に追い付き、最後は差し馬3頭の追い比べに。
結局アイスジャイアントが2着のナッジに1馬身1/2の差をつけて入線し、デビュー戦からの連勝でダートグレード競走初制覇を果たしています。

データ分析

臨戦過程が明暗を分ける可能性もありそう。JBC2歳優駿として施行された2020年以降の前走距離別成績を見ると、1600m以下の馬は[0-0-0-7](3着内率0.0%)、1600m超の馬は[2-2-2-15](3着内率28.6%)です。北海道2歳優駿として施行された2019年以前は1600m以下のレースを経由してきた馬も善戦していましたが、今後は評価を下げた方が良いかもしれません。

6番人気以内の馬が中心

北海道2歳優駿として施行された2019年以前を含む過去5年の単勝人気順別成績を見ると、6番人気以内の馬は[5-3-5-17](3着内率43.3%)、7番人気以下の馬は[0-2-0-32](3着内率5.9%)となっています。好配当決着となった年も少なくありませんが、極端に前評判の低い馬は苦戦する可能性が高いと見るべきでしょう。

表1単勝人気順別成績(過去5年)
単勝人気順 1着 2着 3着 4着以下 総数 勝率 連対率 3着内率
1番人気 1 2 0 2 5 20.0% 60.0% 60.0%
2番人気 0 0 2 3 5 0.0% 0.0% 40.0%
3番人気 1 1 0 3 5 20.0% 40.0% 40.0%
4番人気 0 0 2 3 5 0.0% 0.0% 40.0%
5番人気 0 0 1 4 5 0.0% 0.0% 20.0%
6番人気 3 0 0 2 5 60.0% 60.0% 60.0%
7番人気 0 0 0 5 5 0.0% 0.0% 0.0%
8番人気 0 1 0 4 5 0.0% 20.0% 20.0%
9番人気 0 0 0 5 5 0.0% 0.0% 0.0%
10番人気 0 0 0 4 4 0.0% 0.0% 0.0%
11番人気 0 0 0 4 4 0.0% 0.0% 0.0%
12番人気 0 0 0 4 4 0.0% 0.0% 0.0%
13番人気 0 1 0 3 4 0.0% 25.0% 25.0%
14番人気 0 0 0 3 3 0.0% 0.0% 0.0%
角川秀樹調教師ほか地方勢も健闘

北海道2歳優駿として施行された2019年以前を含む過去5年の調教師別成績を見ると、3着以内となった回数が2回以上の現役調教師は、角川秀樹調教師、中竹和也調教師の2名となっています。
なお、過去5年の所属別成績を見ると、地方の馬は[2-4-2-34](3着内率19.0%)、JRAの馬は[3-1-3-15](3着内率31.8%)でした。3着内率には差があるものの、3着内馬の数は地方勢がJRA勢を上回っていますし、ほぼ互角と言って良さそうです。

表2調教師別成績(過去5年)
調教師 1着 2着 3着 4着以下 総数 勝率 連対率 3着内率
角川秀樹 1 1 0 6 8 12.5% 25.0% 25.0%
中竹和也 1 1 0 0 2 50.0% 100.0% 100.0%
高柳瑞樹 1 0 0 0 1 100.0% 100.0% 100.0%
牧浦充徳 1 0 0 0 1 100.0% 100.0% 100.0%
田中淳司 0 1 0 8 9 0.0% 11.1% 11.1%
田中正二 0 1 0 2 3 0.0% 33.3% 33.3%
奥村武 0 0 1 1 2 0.0% 0.0% 50.0%
川島雅人 0 0 1 0 1 0.0% 0.0% 100.0%
川島洋人 0 0 1 0 1 0.0% 0.0% 100.0%
村山明 0 0 1 1 2 0.0% 0.0% 50.0%
矢野英一 0 0 1 0 1 0.0% 0.0% 100.0%
その他の調教師 1 1 0 31 33 3.0% 6.1% 6.1%
大敗直後の馬は割り引きが必要

北海道2歳優駿として施行された2019年以前を含む過去5年の前走着順別成績を見ると、5着以内の馬は[5-5-5-38](3着内率28.3%)、6着以下の馬は[0-0-0-11](3着内率0.0%)となっています。たとえ前走が格の高いレースだったとしても、大きく敗れたばかりの馬は強調できません。

表3前走着順別成績(過去5年)
前走着順別成績 1着 2着 3着 4着以下 総数 勝率 連対率 3着内率
1着 3 1 2 22 28 10.7% 14.3% 21.4%
2着 0 2 0 6 8 0.0% 25.0% 25.0%
3着 2 1 2 3 8 25.0% 37.5% 62.5%
4着 0 0 0 3 3 0.0% 0.0% 0.0%
5着 0 1 1 4 6 0.0% 16.7% 33.3%
6着 0 0 0 5 5 0.0% 0.0% 0.0%
7着 0 0 0 1 1 0.0% 0.0% 0.0%
8着 0 0 0 3 3 0.0% 0.0% 0.0%
9着 0 0 0 1 1 0.0% 0.0% 0.0%
10着 0 0 0 1 1 0.0% 0.0% 0.0%
脚質も重要なポイント

北海道2歳優駿として施行された2019年以前を含む過去5年の前走最終コーナー通過順別成績を見ると、3番手以内の馬は[4-4-2-24](3着内率29.4%)、4~6番手の馬は[0-0-3-18](3着内率14.3%)、7番手以下の馬は[1-1-0-7](3着内率22.2%)となっています。
なお、2018年以降の過去4年に限ると、3番手以内の馬は[4-4-1-22](3着内率29.0%)、4~6番手の馬は[0-0-3-15](3着内率16.7%)、7番手以下の馬は[0-0-0-6](3着内率0.0%)でした。先行力が高い馬ほど信頼できるレースと見て良いでしょう。

表4前走最終コーナー通過順別成績(過去5年)
前走最終コーナー通過順 1着 2着 3着 4着以下 総数 勝率 連対率 3着内率
1番手 2 0 1 10 13 15.4% 15.4% 23.1%
2番手 1 3 1 9 14 7.1% 28.6% 35.7%
3番手 1 1 0 5 7 14.3% 28.6% 28.6%
4番手 0 0 1 10 11 0.0% 0.0% 9.1%
5番手 0 0 1 6 7 0.0% 0.0% 14.3%
6番手 0 0 1 2 3 0.0% 0.0% 33.3%
7番手 0 1 0 4 5 0.0% 20.0% 20.0%
8番手 1 0 0 2 3 33.3% 33.3% 33.3%
10番手 0 0 0 1 1 0.0% 0.0% 0.0%

(伊吹 雅也)

有力情報馬



☆エコロアレス(牡2歳・栗東=森秀行厩舎)


 阪神ダート1400mのデビュー戦(10月9日)では、最内枠からダッシュよく先手を奪うと2着馬に5馬身差をつけて逃げ切り、非凡なセンスを示した。デビューから25日での勝利となれば、前身の北海道2歳優駿を含めても最短(交流重賞となった97年以降)となる。昨年の覇者・アイスジャイアントもキャリア2戦目で頂点に立っただけに、軽視は禁物だ。


☆オーマイグッネス(牡2歳・角川秀樹厩舎)


 逃げて圧勝したデビュー2戦目のJRA認定アタックチャレンジ競走(5月31日)を契機に先行力を磨き続け、本番と同舞台で行われた前走・サンライズカップでは、それまで3度続けて苦杯を嘗めさせられたベルピットから、ついに勝利をもぎ取った。同厩舎のライバルと切磋琢磨した経験を糧に、連勝で頂点を狙う。


☆スギノプリンセス(牝2歳・田中正二厩舎)


 デビューから3戦は勝利を挙げられなかったが、距離を延ばした4戦目の未勝利戦から4連勝。特に前走のブロッサムカップ(10月4日)は、余裕のある手応えで抜け出して後続を3馬身突き放した。地元勢唯一の牝馬として、当レース初(北海道2歳優駿を含めると15年タイニーダンサー以来)の「女王戴冠」を目指す。


☆ナチュラルリバー(牡2歳・栗東=武英智厩舎)


 7月末のJRA札幌開催でデビュー。2戦目までは芝で惜敗を続けたが、3戦目の未勝利戦(9月3日、札幌競馬場)では、3コーナー手前からスパートを開始すると4コーナーで先頭集団に取りつき、直線では1頭別次元の反応を見せて2着馬に8馬身差をつけた。ダートで鮮やかな変身を遂げた素質馬が、重賞の舞台でも躍動するか。


☆ベルピット(牡2歳・角川秀樹厩舎)


 ブリーダーズゴールドジュニアカップ(7月28日)、サッポロクラシックカップ(8月24日)と、デビューから無敗で重賞を連勝。前哨戦のサンライズカップ(9月22日)ではハナ差2着に敗れたが、常に2歳馬戦線のトップを歩んできただけに、悲観することはないだろう。地元・ホッカイドウ競馬の総大将として、JBCのタイトル奪還をもくろむ。




(五十音順、文・山下広貴)

※出走馬は10月27日現在の情報をもとにしております。

ご注意:当ページの情報は、特定の馬の応援や勝馬の示唆をするものではありません。

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