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2022.10.20(木)

エーデルワイス賞

JpnIII1200m

レースガイド

うら若き乙女の集大成 ゆずれない「北の女王」の称号

1998年、札幌競馬場・ダート1,700mの条件で第1回が行われる。当初は中距離を舞台に行われていたが、03年の第6回に初めて、現在と同じ門別競馬場・ダート1,200mの条件で行われた。ダートグレード競走としては唯一の2歳牝馬限定戦で、過去24回のうちホッカイドウ競馬所属馬が12勝、JRA所属馬10勝、地方他地区所属馬2勝(岩手・佐賀各1勝)と、地元馬がやや優勢。特に近5年は地元馬の勝利が続いており、2歳馬のレベルが高いホッカイドウ競馬を象徴するレースとなっている。



★『GRANDAME-JAPAN2022』2歳シーズン対象競走

前年ハイライト

レースの序盤は、スタート直後の先行争いから抜け出したナックドロップスを、ヒストリックノヴァらが追う展開。4コーナーでヒストリックノヴァがナックドロップスに並びかけ、後続の集団も2頭に接近し、ゴール前の直線は大きく横に広がっての追い比べとなりました。
残り200mの地点を過ぎたあたりでヒストリックノヴァが先頭に立ち、そのまま粘り込みを図りましたが、ここでインコースを突いて追い込んできたのがスピーディキック。入線直前にヒストリックノヴァを内から差し切り、ダートグレード競走初制覇を果たしています。

データ分析

ごく近年に限ると、馬格のない馬は不振。過去2年の前走馬体重区分別成績を見ると、470kg未満の馬は[1-0-0-17](3着内率5.6%)、470kg以上の馬は[1-2-2-6](3着内率45.5%)です。ただし、2017~2019年の前走馬体重区分別成績を見ると、470kg未満の馬は[3-3-3-26](3着内率25.7%)、470kg以上の馬は[0-0-0-12](3着内率0.0%)。以前はむしろ大型馬が苦戦していましたから、この点をどう見るかがひとつのポイントかもしれません。

上位人気グループの馬が中心

過去5年の単勝人気順別成績を見ると、5番人気以内の馬は[4-5-3-13](3着内率48.0%)、6~11番人気の馬は[1-0-2-27](3着内率10.0%)、12番人気以下の馬は[0-0-0-21](3着内率0.0%)となっています。低評価を覆して上位に食い込んだ馬もいますが、まずは前評判が比較的高い馬に注目すべきでしょう。

表1単勝人気順別成績(過去5年)
単勝人気順 1着 2着 3着 4着以下 総数 勝率 連対率 3着内率
1番人気 1 2 0 2 5 20.0% 60.0% 60.0%
2番人気 1 1 0 3 5 20.0% 40.0% 40.0%
3番人気 1 0 1 3 5 20.0% 20.0% 40.0%
4番人気 1 2 0 2 5 20.0% 60.0% 60.0%
5番人気 0 0 2 3 5 0.0% 0.0% 40.0%
6番人気 0 0 0 5 5 0.0% 0.0% 0.0%
7番人気 1 0 0 4 5 20.0% 20.0% 20.0%
8番人気 0 0 0 5 5 0.0% 0.0% 0.0%
9番人気 0 0 0 5 5 0.0% 0.0% 0.0%
10番人気 0 0 1 4 5 0.0% 0.0% 20.0%
11番人気 0 0 1 4 5 0.0% 0.0% 20.0%
12番人気 0 0 0 5 5 0.0% 0.0% 0.0%
13番人気 0 0 0 5 5 0.0% 0.0% 0.0%
14番人気 0 0 0 5 5 0.0% 0.0% 0.0%
15番人気 0 0 0 4 4 0.0% 0.0% 0.0%
16番人気 0 0 0 2 2 0.0% 0.0% 0.0%
角川秀樹調教師をはじめとする地元勢が優勢

過去5年の調教師別成績を見ると、3着以内となった回数が2回以上なのは、小野望調教師、角川秀樹調教師、川島洋人調教師の3名となっています。ちなみに、過去5年の3着以内馬15頭中、JRAの所属馬は3頭だけで、残る12頭はいずれもホッカイドウ競馬の所属馬でした。今年も地元勢を高く評価したいところです。

表2調教師別成績(過去5年)
調教師 1着 2着 3着 4着以下 総数 勝率 連対率 3着内率
角川秀樹 2 1 1 9 13 15.4% 23.1% 30.8%
小野望 1 1 0 4 6 16.7% 33.3% 33.3%
石本孝博 1 0 0 0 1 100.0% 100.0% 100.0%
田中淳司 1 0 0 8 9 11.1% 11.1% 11.1%
加藤士津八 0 1 0 0 1 0.0% 100.0% 100.0%
栗田徹 0 1 0 0 1 0.0% 100.0% 100.0%
川島洋人 0 0 2 2 4 0.0% 0.0% 50.0%
山口竜一 0 0 1 1 2 0.0% 0.0% 50.0%
田中正二 0 0 1 1 2 0.0% 0.0% 50.0%
その他の調教師 0 1 0 36 37 0.0% 2.7% 2.7%
圧倒的に外枠有利

過去5年の枠番別成績を見ると、1~4枠の馬は[0-0-1-36](3着内率2.7%)、5~8枠の馬は[5-5-4-25](3着内率35.9%)となっています。2021年も6~8枠の馬が1~3着を占めましたし、内寄りの枠に入った馬は過信禁物と見ておいた方が良いかもしれません。

表3枠番別成績(過去5年)
枠番別成績 1着 2着 3着 4着以下 総数 勝率 連対率 3着内率
1枠 0 0 0 8 8 0.0% 0.0% 0.0%
2枠 0 0 0 9 9 0.0% 0.0% 0.0%
3枠 0 0 1 9 10 0.0% 0.0% 10.0%
4枠 0 0 0 10 10 0.0% 0.0% 0.0%
5枠 1 2 0 7 10 10.0% 30.0% 30.0%
6枠 2 1 2 5 10 20.0% 30.0% 50.0%
7枠 0 0 1 9 10 0.0% 0.0% 10.0%
8枠 2 2 1 4 9 22.2% 44.4% 55.6%
リリーカップから直行してきた馬が好成績

過去5年の前走レース別成績を見ると、3着以内となった回数が2回以上の特別競走は、リリーカップ、フローラルカップの2レースとなっています。特に前走がリリーカップだった馬は、3着内率45.5%と好走率も優秀でした。今年も該当馬がいたらマークしておくべきでしょう。

表4前走馬体重区分別成績(過去5年)
前走馬体重区分別 1着 2着 3着 4着以下 総数 勝率 連対率 3着内率
リリーカップ 4 1 0 6 11 36.4% 45.5% 45.5%
フローラルカップ 1 0 4 14 19 5.3% 5.3% 26.3%
その他のレース 0 4 1 41 46 0.0% 8.7% 10.9%

(伊吹 雅也)

有力情報馬



☆アサクサロック(牝2歳・齊藤正弘厩舎)


 デビューから2戦目の未勝利戦(6月28日、1,000m)を、勝ち時計1分00秒0の好時計で勝利。続くフルールカップ(7月14日)では後方追走の厳しい展開ながらも、大外から豪快に差し切って1番人気に応えた。約3カ月の休み明け、初めての1,200mという2つのハンデも、非凡なスピードとレースセンスを生かし切れば乗り越えられるはずだ。



☆エコロアイ(牝2歳・栗東=森秀行厩舎)


 ダート1,200mのデビュー戦(8月28日、新潟競馬場)を単勝1番人気に応えて逃げ切り。続くききょうステークス(9月17日、中京競馬場)では6着に敗れたが、芝のスピード競馬でも行き脚を示せたのは収穫だったはずだ。手綱を取るのは前走に続き、今年日本ダービー6勝目を挙げたレジェンド・武豊騎手。09年オノユウ以来の当レース制覇をもくろむ。



☆スティールグレイス(牝2歳・角川秀樹厩舎)


 デビューから5戦して、敗戦は重賞初挑戦の栄冠賞(6月28日)のみ。その後はフローラルカップ(8月10日)、リリーカップ(9月21日)を連勝という、14年ステファニーラン以来8年ぶりの成果を挙げた。異なる条件、異なる位置取りで2つのタイトルを獲得したのは高い能力の証拠。地元ホッカイドウ競馬勢の実績最右翼として、JRAの素質馬を迎え撃つ。



☆トモジャミ(牝2歳・美浦=鈴木伸尋厩舎)


 前走の未勝利戦(9月17日、中山競馬場)では、大外枠からスムーズに先行集団に取りつくと、直線では余裕たっぷりの手応えで抜け出し、2着馬に3馬身、3着馬にはさらに7馬身差をつける圧勝劇を演じた。デビュー以来2、2、1着と、連対を外していない安定感も大きな魅力。長距離輸送とナイター競馬を克服し、重賞制覇となるか注目だ。



☆マルカラピッド(牝2歳・栗東=今野貞一厩舎)


 芝のデビュー戦は、出遅れの影響もあって最下位14着に敗れたが、ダートに矛先を向けた未勝利戦(9月19日、中京競馬場)で大変身したのは、現役時にドバイゴールデンシャヒーンを連覇したマインドユアビスケッツを父に持つ血統のなせる業だろう。今年のファーストシーズンサイアーランク1位を走るその父に、初タイトルをもたらすか。



(五十音順、文・山下広貴)

※出走馬は10月13日現在の情報をもとにしております。

ご注意:当ページの情報は、特定の馬の応援や勝馬の示唆をするものではありません。

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