netkeiba

2022.8.16(火)

王冠賞

H21800m

レースガイド

夜空に輝く王者の冠 三冠ロード最終章

1980年、岩見沢競馬場・ダート1,900mの条件で第1回が行われる。ホッカイドウ競馬の3歳三冠戦線の一戦として行われ、幾度かの番組整備を経て、07年から三冠競走の最終戦として定着している。
07,08年には旭川競馬場2,100m、09~14年は門別競馬場2,600mで行われていたが、15年の第36回から現在の1,800mに変更。19年からは、ダービーグランプリ(盛岡競馬場)を頂点とする地方競馬のシリーズ競走「3歳秋のチャンピオンシップ」の一戦にも位置づけられた。北海優駿からおよそ2カ月、1ハロン短縮という条件で繰り広げられるドラマに注目したい。



★「3歳秋のチャンピオンシップ」対象競走

★1~2着馬に「第8回旭岳賞」(9月15日、門別競馬場)への優先出走権を付与

★1着馬の馬主に「サトノクラウン」の2023年種付権利を付与【スタリオンシリーズ競走】

前年ハイライト

レースの序盤は逃げたペイシャスカイをラッキードリーム、ギャラントマナー、リーチの3頭が追う展開。2番手につけていたリーチが3コーナー手前で先頭に立ち、3~4コーナーではラッキードリームが2番手にポジションを押し上げ、この2頭が後続を引き離しながら4コーナーを通過しました。
ゴール前の直線半ばでラッキードリームがリーチをかわすと、後方から追い込んだクラウォーの追撃も凌ぎ切り、そのまま先頭で入線。ホッカイドウ競馬史上6頭目となる、3歳馬三冠競走の完全制覇を達成しています。

データ分析

前走で長い距離のレースを使っていた馬ほど好成績。過去5年の前走距離別成績を見ると、1700m未満の馬は[0-0-0-11](3着内率0.0%)、1700mの馬は[0-1-1-12](3着内率14.3%)、1800mの馬は[1-2-0-8](3着内率27.3%)、2000mの馬は[4-2-4-7](3着内率58.8%)です。ちなみに、前走距離が2000mだった17頭は、いずれも北海優駿から直行してきた馬。まずはこの組を重視したうえで、前走がその他のレースだった馬も、前走距離を参考に評価しましょう。

単勝6番人気以下の馬は10年連続で3着以内なし

過去5年の単勝人気順別成績を見ると、5番人気以内の馬は[5-5-5-10](3着内率60.0%)、6番人気以下の馬は[0-0-0-28](3着内率0.0%)となっています。単勝6番人気以下だったにもかかわらず3着以内となったのは、現在のところ2011年1着のビューティーリヨ(単勝8番人気)が最後。前評判の低い馬は、思い切って評価を下げた方が良いかもしれません。

表1単勝人気順別成績(過去5年)
単勝人気順 1着 2着 3着 4着以下 総数 勝率 連対率 3着内率
1番人気 2 1 1 1 5 40.0% 60.0% 80.0%
2番人気 1 0 2 2 5 20.0% 20.0% 60.0%
3番人気 1 2 0 2 5 20.0% 60.0% 60.0%
4番人気 0 1 2 2 5 0.0% 20.0% 60.0%
5番人気 1 1 0 3 5 20.0% 40.0% 40.0%
6番人気 0 0 0 5 5 0.0% 0.0% 0.0%
7番人気 0 0 0 5 5 0.0% 0.0% 0.0%
8番人気 0 0 0 5 5 0.0% 0.0% 0.0%
9番人気 0 0 0 4 4 0.0% 0.0% 0.0%
10番人気 0 0 0 4 4 0.0% 0.0% 0.0%
11番人気 0 0 0 2 2 0.0% 0.0% 0.0%
12番人気 0 0 0 1 1 0.0% 0.0% 0.0%
13番人気 0 0 0 1 1 0.0% 0.0% 0.0%
14番人気 0 0 0 1 1 0.0% 0.0% 0.0%
相性の良いジョッキーが騎乗している馬に注目

過去5年の騎手別成績を見ると、3着以内となった回数が2回以上なのは、井上俊彦騎手、桑村真明騎手、服部茂史騎手の3名となっています。
なお、2016年以前を含む現役騎手の通算勝利数を見ると、4勝の五十嵐冬樹騎手が単独トップ、3勝の阿部龍騎手が単独2位、2勝の服部茂史騎手が単独3位となっていました。これらのジョッキーが参戦してきたら、相応に高く評価すべきでしょう。

表2騎手別成績(過去5年)
騎手 1着 2着 3着 4着以下 総数 勝率 連対率 3着内率
服部茂史 1 0 1 2 4 25.0% 25.0% 50.0%
阿部龍 1 0 0 4 5 20.0% 20.0% 20.0%
五十嵐冬樹 1 0 0 2 3 33.3% 33.3% 33.3%
坂下秀樹 1 0 0 0 1 100.0% 100.0% 100.0%
石川倭 1 0 0 0 1 100.0% 100.0% 100.0%
桑村真明 0 2 0 3 5 0.0% 40.0% 40.0%
井上俊彦 0 1 2 1 4 0.0% 25.0% 75.0%
岩橋勇二 0 1 0 3 4 0.0% 25.0% 25.0%
宮崎光行 0 1 0 3 4 0.0% 25.0% 25.0%
阪野学 0 0 1 2 3 0.0% 0.0% 33.3%
村上忍 0 0 1 0 1 0.0% 0.0% 100.0%
その他の騎手 0 0 0 18 18 0.0% 0.0% 0.0%
馬格がポイント

過去5年の前走馬体重区分別成績を見ると、460kg未満の馬は[0-0-0-7](3着内率0.0%)、460kg以上490kg未満の馬は[2-1-0-16](3着内率15.8%)、490kg以上の馬は[3-4-5-15](3着内率44.4%)となっています。
なお、2019年以降の過去3年に限ると、490kg未満の馬は[0-0-0-10](3着内率0.0%)、490kg以上の馬は[3-3-3-13](3着内率40.9%)です。近年の傾向からも、馬格のない馬はあまり強調できません。

表3前走馬体重区分別成績(過去5年)
前走馬体重区分 1着 2着 3着 4着以下 総数 勝率 連対率 3着内率
420kg台 0 0 0 1 1 0.0% 0.0% 0.0%
430kg台 0 0 0 1 1 0.0% 0.0% 0.0%
440kg台 0 0 0 1 1 0.0% 0.0% 0.0%
450kg台 0 0 0 4 4 0.0% 0.0% 0.0%
460kg台 1 0 0 3 4 25.0% 25.0% 25.0%
470kg台 1 0 0 3 4 25.0% 25.0% 25.0%
480kg台 0 1 0 10 11 0.0% 9.1% 9.1%
490kg台 1 0 2 4 7 14.3% 14.3% 42.9%
500kg台 1 2 1 6 10 10.0% 30.0% 40.0%
510kg台 1 1 1 2 5 20.0% 40.0% 60.0%
520kg台 0 0 1 2 3 0.0% 0.0% 33.3%
530kg台 0 0 0 1 1 0.0% 0.0% 0.0%
540kg台 0 1 0 0 1 0.0% 100.0% 100.0%
脚質が明暗を分けそう

過去5年の前走最終コーナー通過順別成績を見ると、4番手以内の馬は[5-3-5-19](3着内率40.6%)、5番手以下の馬は[0-2-0-19](3着内率9.5%)となっています。なお、2019年以降の過去3年に限ると、4番手以内の馬は[3-3-3-13](3着内率40.9%)、5番手以下の馬は[0-0-0-10](3着内率0.0%)でした。直近のレースで先行していなかった馬は、過信禁物と見るべきでしょう。

表4前走最終コーナー通過順(過去5年)
前走最終コーナー通過順 1着 2着 3着 4着以下 総数 勝率 連対率 3着内率
1番手 4 1 1 7 13 30.8% 38.5% 46.2%
2番手 1 1 2 5 9 11.1% 22.2% 44.4%
3番手 0 1 1 5 7 0.0% 14.3% 28.6%
4番手 0 0 1 2 3 0.0% 0.0% 33.3%
5番手 0 0 0 7 7 0.0% 0.0% 0.0%
6番手 0 2 0 5 7 0.0% 28.6% 28.6%
7番手 0 0 0 2 2 0.0% 0.0% 0.0%
8番手 0 0 0 1 1 0.0% 0.0% 0.0%
9番手 0 0 0 4 4 0.0% 0.0% 0.0%

(伊吹 雅也)

有力情報馬



☆エンリル(牡3歳・角川秀樹厩舎)


 2歳時に重賞初挑戦で臨んだ兼六園ジュニアカップ(金沢競馬場)で、2着に3馬身差をつけて快勝。今年に入り、クラシック第1冠の北斗盃(4月28日)も、直線半ばまでシルトプレに抵抗して2着と善戦した。前走の北海優駿(ダービー)(6月16日)こそ4着と敗れたが、距離が1ハロン短縮された3冠の最終関門で、持ち前の逃げ脚がさらに生きる可能性がありそうだ。



☆カーロデスティーノ(牝3歳・佐久間雅貴厩舎)


 2歳時にブロッサムカップでアタマ差の接戦を演じ、ローレル賞(川崎競馬場)にも駒を進めた(7着)。その後川崎競馬へ移籍してからは5戦して未勝利に終わったが、再転入初戦の前走「ホクレンBB肥料特別」(7月14日)で古馬を相手に競り合いを制し、デビューから2勝目を挙げた。強敵にもまれた経験を武器に、18年クロスウィンド以来4年ぶりの牝馬によるVを狙う。



☆シルトプレ(牡3歳・米川昇厩舎)


 船橋所属として雲取賞3着・京浜盃5着(それぞれ大井競馬場)と3歳重賞で善戦を重ね、クラシックロードを歩むためにホッカイドウ競馬へ再転入。北斗盃では2着馬に1馬身差、北海優駿では1馬身半差をつけ、2冠の激戦を勝ち抜いてきた。昨年のラッキードリームに続く、2年連続7頭目のホッカイドウ競馬3冠獲得に向けて、ここも意地を見せられるか。



☆ボニーマジェスティ(牡3歳・田中淳司厩舎)


 JRAでのデビュー戦では大敗を喫したが、ホッカイドウ競馬移籍後は5戦で1着3回、2着1回、3着1回と堅実な走り。重賞初挑戦となった北海優駿で2着、前走の1,800m戦「ひがしかぐら花まつり特別」(7月28日)では、かつての2冠馬スティールキングを下しての快勝と、長い距離にも対応しつつある。ダービーでの1馬身半差を逆転し、重賞初制覇となるか注目だ。



☆マナホク(牡3歳・桧森邦夫厩舎)


 今年は開幕日のひだかオープン(4月13日)から始動し、およそ8カ月ぶりの実戦ながら鮮やかに差し切り。北斗盃・北海優駿でそれぞれ3着に入るなど、安定した走りを続けてきた。前走のJRA交流「アンタレス特別」(7月20日)では5着と、今年初めて馬券圏内を外したが、5月の段階で古馬A級戦を勝利した実力を考えれば、巻き返しの可能性は十分だ。


(五十音順、文・山下広貴)

※出走馬は8月11日現在の情報をもとにしております。

ご注意:当ページの情報は、特定の馬の応援や勝馬の示唆をするものではありません。

レース一覧へ