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2022.8.11(木)

ブリーダーズゴールドカップ

JpnIII2000m

レースガイド

世界にも通ずる「女王」の称号 ホッカイドウ競馬真夏の祭典

1989年に創設。馬産地・北海道の生産者が主導し、当時としては珍しかった中央・地方全国交流競走として開催が実現した。95年からは開催時期が夏季に移動し、ホッカイドウ競馬を代表する「夏の大一番」として定着。2014年の第26回からは、3歳以上牝馬限定のJpnIIIに条件が変更され、「女の祭典」として装いを一新した。昨年の優勝馬・マルシュロレーヌ[JRA]はその後、本家・アメリカのブリーダーズゴールドカップディスタフに参戦。日本調教馬として初めて米ブリーダーズゴールドカップ競走を制するという快挙を成し遂げており、さらなる飛躍へのステップとしても注目だ。



★『GRANDAME-JAPAN2022』古馬シーズン対象競走

★『カウントアップL(レディス)』対象競走

前年ハイライト

ほぼ揃ったスタートからまず先頭に立ったのはリネンファッション。アッシェンプッテル、マルシュロレーヌ、メモリーコウが2番手グループを形成し、この隊列が保たれたままゴール前の直線に入りました。
逃げ粘るリネンファッションを残り100m地点で捕らえたのは、単勝オッズ1.5倍と断然の支持を集めていたマルシュロレーヌ。結局リネンファッションに1/2馬身の差をつけて入線し、自身4度目のダートグレード競走制覇を果たしています。

データ分析

JRA勢が圧倒的に優勢。過去5年の所属別成績を見ると、地方の馬は[0-0-0-36](3着内率0.0%)、JRAの馬は[5-5-5-9](3着内率62.5%)です。3着以内となった地方所属馬は、JRA所属馬がすべて競走除外となった2007年の1~3着馬を除くと、現在のところ2006年3着のジンクライシスが最後。牝馬限定競走となった2014年よりも前から続いている傾向ですし、まずはJRA勢に注目すべきでしょう。

人気薄の馬が上位に食い込んだ例は少ない

過去5年の単勝人気順別成績を見ると、4番人気以内の馬は[4-5-5-6](3着内率70.0%)、5番人気以下の馬は[1-0-0-39](3着内率2.5%)となっています。単勝5番人気以下だったにもかかわらず3着以内となったのは、2017年1着のマイティティーのみでした。前評判が高い馬を素直に重視した方が良いかもしれません。

表1単勝人気順別成績(過去5年)
単勝人気順 1着 2着 3着 4着以下 総数 勝率 連対率 3着内率
1番人気 1 2 2 0 5 20.0% 60.0% 100.0%
2番人気 2 0 0 3 5 40.0% 40.0% 40.0%
3番人気 1 0 2 2 5 20.0% 20.0% 60.0%
4番人気 0 3 1 1 5 0.0% 60.0% 80.0%
5番人気 0 0 0 5 5 0.0% 0.0% 0.0%
6番人気 1 0 0 4 5 20.0% 20.0% 20.0%
7番人気 0 0 0 5 5 0.0% 0.0% 0.0%
8番人気 0 0 0 5 5 0.0% 0.0% 0.0%
9番人気 0 0 0 4 4 0.0% 0.0% 0.0%
10番人気 0 0 0 4 4 0.0% 0.0% 0.0%
11番人気 0 0 0 4 4 0.0% 0.0% 0.0%
12番人気 0 0 0 2 2 0.0% 0.0% 0.0%
13番人気 0 0 0 2 2 0.0% 0.0% 0.0%
14番人気 0 0 0 2 2 0.0% 0.0% 0.0%
15番人気 0 0 0 2 2 0.0% 0.0% 0.0%
JRA所属ジョッキーが優勢

過去5年の騎手別成績を見ると、3着以内となった回数が1回以上の12名はいずれもJRA所属ジョッキーです。現在のところ最後に3着以内となった地方所属ジョッキーは2016年2着の桑村真明騎手ですし、JRA所属馬がすべて競走除外となった2007年を除くと、優勝を果たした地方所属ジョッキーは2003年の五十嵐冬樹騎手が最後。今年もJRA所属ジョッキーの騎乗馬を高く評価するべきでしょう。

表2騎手別成績(過去5年)
騎手 1着 2着 3着 4着以下 総数 勝率 連対率 3着内率
岩田康誠 1 1 0 0 2 50.0% 100.0% 100.0%
戸崎圭太 1 1 0 0 2 50.0% 100.0% 100.0%
M.デムーロ 1 0 0 1 2 50.0% 50.0% 50.0%
川田将雅 1 0 0 0 1 100.0% 100.0% 100.0%
池添謙一 1 0 0 1 2 50.0% 50.0% 50.0%
C.ルメール 0 1 1 0 2 0.0% 50.0% 100.0%
古川吉洋 0 1 0 1 2 0.0% 50.0% 50.0%
武豊 0 1 0 0 1 0.0% 100.0% 100.0%
松山弘平 0 0 1 0 1 0.0% 0.0% 100.0%
藤岡佑介 0 0 1 0 1 0.0% 0.0% 100.0%
武藤雅 0 0 1 0 1 0.0% 0.0% 100.0%
福永祐一 0 0 1 0 1 0.0% 0.0% 100.0%
その他の騎手 0 0 0 42 42 0.0% 0.0% 0.0%
前走が13頭立て以上のレースだった馬は信頼できる

過去5年の前走出走頭数別成績を見ると、8頭以下の馬は[0-0-0-9](3着内率0.0%)、9~12頭の馬は[1-2-0-30](3着内率9.1%)、13頭以上の馬は[4-3-5-6](3着内率66.7%)となっています。臨戦過程を比較する際は、前走の出走頭数にも注目しておきたいところです。

表3前走出走頭数別成績(過去5年)
前走出走頭数別成績 1着 2着 3着 4着以下 総数 勝率 連対率 3着内率
5頭 0 0 0 1 1 0.0% 0.0% 0.0%
6頭 0 0 0 1 1 0.0% 0.0% 0.0%
7頭 0 0 0 1 1 0.0% 0.0% 0.0%
8頭 0 0 0 6 6 0.0% 0.0% 0.0%
9頭 0 1 0 6 7 0.0% 14.3% 14.3%
10頭 0 1 0 9 10 0.0% 10.0% 10.0%
11頭 1 0 0 6 7 14.3% 14.3% 14.3%
12頭 0 0 0 9 9 0.0% 0.0% 0.0%
13頭 2 1 1 4 8 25.0% 37.5% 50.0%
14頭 1 0 2 0 3 33.3% 33.3% 100.0%
16頭 1 2 2 2 7 14.3% 42.9% 71.4%
近年は前走も2000m以上のレースだった馬が堅実

過去5年の前走距離別成績を見ると、1900m未満の馬は[3-2-1-42](3着内率12.5%)、1900m以上の馬は[2-3-4-3](3着内率75.0%)となっています。なお、2019年以降の過去3年に限ると、2000m未満の馬は[1-2-0-24](3着内率11.1%)、2000m以上の馬は[2-1-3-1](3着内率85.7%)でした。前走が今回より短い距離のレースだった馬は、過信禁物と見ておいた方が良いかもしれません。

表4前走距離別成績(過去5年)
前走距離別成績 1着 2着 3着 4着以下 総数 勝率 連対率 3着内率
1200m 0 0 0 3 3 0.0% 0.0% 0.0%
1600m 1 2 0 4 7 14.3% 42.9% 42.9%
1700m 1 0 1 5 7 14.3% 14.3% 28.6%
1800m 1 0 0 30 31 3.2% 3.2% 3.2%
1900m 0 1 1 0 2 0.0% 50.0% 100.0%
2000m 1 0 1 1 3 33.3% 33.3% 66.7%
2100m 1 2 2 1 6 16.7% 50.0% 83.3%
2600m 0 0 0 1 1 0.0% 0.0% 0.0%

(伊吹 雅也)

有力情報馬



☆グランブリッジ(牝3歳・JRA栗東=新谷功一厩舎)


 昨年9月のデビュー戦こそ7着に敗れたものの、その後5戦して馬券圏内を外していない堅実派。重賞初挑戦となった関東オークス(6月15日、川崎競馬場)でも、2番手から力強く抜け出して勝利をつかんだ。430kg台という比較的小柄な馬体から繰り出される、パワフルな走りが持ち味。55kgの斤量を克服すれば、当レース史上どの馬もなしえていない、3歳馬による勝利の可能性も十分だ。



☆テリオスベル(牝5歳・JRA美浦=田島俊明厩舎)


 今年に入り、オープン入り初戦のスレイプニルステークス(6月18日、東京競馬場)を逃げ切り。続くマーキュリーカップ(7月18日、盛岡競馬場)は3コーナーから果敢に先頭を奪う構えを見せ、重賞初挑戦から勝ち馬とクビ差2着と能力を証明した。積極策から結果を残すパターンが多く、ここもアグレッシブな競馬で重賞初制覇をもくろむ。



☆ネーロルチェンテ(牝5歳・米川昇厩舎)


 今シーズンは内回りのヒダカソウC(5月19日)を除けば1、2、1着。地元の前哨戦・ノースクイーンカップ(7月7日)は逃げたクーファアチャラを直線で差し切り、2歳時のブロッサムカップ以来となる重賞制覇を飾った。昨年の同レースでは、地元馬再先着となる5着と善戦。ひさびさのタイトルを獲得した勢いに乗り、昨年以上の結果を示して地元の意地をアピールしたい。



☆ノットイェット(牝4歳・松本隆宏厩舎)


 JRAではダートのマイル前後で2勝を挙げ、今シーズンからホッカイドウ競馬に移籍。転入初戦のオープン格、ハービンジャー・プレミアム(7月20日)では、今回と同じ2,000m戦でマイペースの逃げを打ち、地元の中距離戦線上位のサンビュートから1馬身半差の2着と善戦した。移籍2戦目だが、距離経験を糧に強豪に立ち向かう。



☆プリティーチャンス(牝5歳・JRA栗東=野中賢二厩舎)


 オープン昇級後は白星こそないものの、みやこS・アンタレスS(いずれも阪神競馬場)でそれぞれ4着に入るなど、牡馬の一線級が相手でも互角の走りを続けている。初めての地方競馬参戦となったクイーン賞(船橋競馬場)でも3着に入ったように、ナイター競馬も経験済み。豊富な経験を武器に、6度目の重賞挑戦で悲願のタイトル獲得をもくろむ。


(五十音順、文・山下広貴)

※出走馬は8月4日現在の情報をもとにしております。



ご注意:当ページの情報は、特定の馬の応援や勝馬の示唆をするものではありません。

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