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2022.8.10(水)

フローラルカップ

H31600m

レースガイド

新花絢爛 乙女たちの真夏の挑戦譚

2001年、旭川競馬場・ダート1,600mの条件で第1回が行われる。創設当初から今まで、一貫してマイル前後の距離で施行されている。今年は開催時期が1カ月ほど前倒しされ、フルールカップに続く2歳牝馬重賞戦線の第2弾として位置づけられる1戦。秋の1,700m戦・ブロッサムカップにもつながる内回りマイル重賞は、短距離戦での勝ち上がり組と、長い距離での経験を持つ組との戦力比較が争点となりそうだ。



★1~2着馬に「第10回ブロッサムカップ」(10月4日、門別競馬場)の優先出走権を付与

★1着馬の馬主に「ダノンプレミアム」の2023年種付権利を付与【スタリオンシリーズ競走】

前年ハイライト

レースの序盤は、好スタートを決めたツーシャドーがハナを切り、サラヘレン、グランツらがこれを追う展開。中団を追走していたコスモポポラリタとエイシンヌプリが3~4コーナーでポジションを押し上げたものの、ツーシャドーが先頭をキープしたままゴール前の直線に入りました。
残り200m過ぎの地点で一旦はツーシャドーが後続を引き離しましたが、残り100mを過ぎてからコスモポポラリタが急襲し、ツーシャドーと並んで入線。結局コスモポポラリタがハナ差で先着し、自身初の重賞制覇を果たしています。

データ分析

外寄りの枠に入った馬は割り引きが必要。過去5年の3着以内馬15頭はすべて馬番が1~10番でしたし、同じく過去5年の3着以内馬15頭中13頭は枠番が1~6枠です。一方、馬番が11~16番の馬は2017年以降[0-0-0-8](3着内率0.0%)、枠番が7~8枠の馬は2017年以降[1-0-1-16](3着内率11.1%)と、それぞれ苦戦していました。多頭数となった場合は特に枠順を重視すべきでしょう。

3番人気以内の馬はまずまず堅実

過去5年の単勝人気順別成績を見ると、3番人気以内の馬は[4-4-2-5](3着内率66.7%)、4~10番人気の馬は[1-1-3-28](3着内率15.2%)、11番人気以下の馬は[0-0-0-6](3着内率0.0%)となっています。上位人気グループの馬がそれなりに信頼できるレースと言えそうです。

表1単勝人気順別成績(過去5年)
単勝人気順 1着 2着 3着 4着以下 総数 勝率 連対率 3着内率
1番人気 2 0 1 2 5 40.0% 40.0% 60.0%
2番人気 2 2 0 1 5 40.0% 80.0% 80.0%
3番人気 0 2 1 2 5 0.0% 40.0% 60.0%
4番人気 0 0 1 4 5 0.0% 0.0% 20.0%
5番人気 0 0 0 5 5 0.0% 0.0% 0.0%
6番人気 1 0 0 4 5 20.0% 20.0% 20.0%
7番人気 0 0 0 5 5 0.0% 0.0% 0.0%
8番人気 0 0 0 5 5 0.0% 0.0% 0.0%
9番人気 0 1 1 2 4 0.0% 25.0% 50.0%
10番人気 0 0 1 3 4 0.0% 0.0% 25.0%
11番人気 0 0 0 3 3 0.0% 0.0% 0.0%
12番人気 0 0 0 2 2 0.0% 0.0% 0.0%
13番人気 0 0 0 1 1 0.0% 0.0% 0.0%
好走例や通算勝利数の多いトレーナーに注目

過去5年の調教師別成績を見ると、3着以内となった回数が2回以上なのは、角川秀樹調教師、櫻井拓章調教師、田中淳司調教師、米川昇調教師の4名となっています。なお、調教師別の通算勝利数を見ると、4勝の角川秀樹調教師が単独トップ、3勝の田中淳司調教師、米川昇調教師が2位タイでした。このレースと相性が良いトレーナーの管理馬は、相応に高く評価するべきでしょう。

表2調教師別成績(過去5年)
調教師 1着 2着 3着 4着以下 総数 勝率 連対率 3着内率
田中淳司 1 1 1 7 10 10.0% 20.0% 30.0%
櫻井拓章 1 1 0 0 2 50.0% 100.0% 100.0%
小国博行 1 0 0 1 2 50.0% 50.0% 50.0%
松本隆宏 1 0 0 0 1 100.0% 100.0% 100.0%
川島洋人 1 0 0 3 4 25.0% 25.0% 25.0%
角川秀樹 0 2 0 6 8 0.0% 25.0% 25.0%
米川昇 0 1 1 2 4 0.0% 25.0% 50.0%
山口竜一 0 0 1 1 2 0.0% 0.0% 50.0%
川島雅人 0 0 1 1 2 0.0% 0.0% 50.0%
田中正二 0 0 1 2 3 0.0% 0.0% 33.3%
その他の調教師 0 0 0 16 16 0.0% 0.0% 0.0%
馬格がポイント

過去5年の前走馬体重区分別成績を見ると、440kg未満の馬は[0-0-2-7](3着内率22.2%)、440kg以上500kg未満の馬は[5-5-3-23](3着内率36.1%)、500kg以上の馬は[0-0-0-9](3着内率0.0%)となっています。なお、2019年以降の過去3年に限ると、440kg未満の馬は[0-0-0-5](3着内率0.0%)、440kg以上500kg未満の馬は[3-3-3-10](3着内率47.4%)、500kg以上の馬は[0-0-0-5](3着内率0.0%)でした。極端な大型馬や極端に小柄な馬は、それぞれ過信禁物と見ておいた方が良いかもしれません。

表3前走馬体重区分別成績(過去5年)
前走馬体重区分 1着 2着 3着 4着以下 総数 勝率 連対率 3着内率
410kg台 0 0 0 2 2 0.0% 0.0% 0.0%
420kg台 0 0 1 3 4 0.0% 0.0% 25.0%
430kg台 0 0 1 2 3 0.0% 0.0% 33.3%
440kg台 2 0 0 5 7 28.6% 28.6% 28.6%
450kg台 2 2 0 6 10 20.0% 40.0% 40.0%
460kg台 0 1 1 5 7 0.0% 14.3% 28.6%
470kg台 0 0 1 6 7 0.0% 0.0% 14.3%
480kg台 1 2 0 0 3 33.3% 100.0% 100.0%
490kg台 0 0 1 1 2 0.0% 0.0% 50.0%
500kg台 0 0 0 7 7 0.0% 0.0% 0.0%
510kg台 0 0 0 1 1 0.0% 0.0% 0.0%
520kg台 0 0 0 1 1 0.0% 0.0% 0.0%
前走で先行していた馬が優勢

過去5年の前走最終コーナー通過順別成績を見ると、4番手以内の馬は[3-5-3-22](3着内率33.3%)、5番手以下の馬は[2-0-2-17](3着内率19.0%)となっています。
なお、2019年以降の過去3年に限ると、3番手以内の馬は[2-3-2-7](3着内率50.0%)、4番手以下の馬は[1-0-1-13](3着内率13.3%)でした。直近のレースで先行できた馬は素直に信頼して良さそうです。

表4前走最終コーナー通過順別成績(過去5年)
前走最終コーナー通過順 1着 2着 3着 4着以下 総数 勝率 連対率 3着内率
1番手 1 2 0 4 7 14.3% 42.9% 42.9%
2番手 0 1 2 4 7 0.0% 14.3% 42.9%
3番手 1 2 0 7 10 10.0% 30.0% 30.0%
4番手 1 0 1 7 9 11.1% 11.1% 22.2%
5番手 0 0 0 4 4 0.0% 0.0% 0.0%
6番手 0 0 0 4 4 0.0% 0.0% 0.0%
7番手 0 0 0 2 2 0.0% 0.0% 0.0%
8番手 0 0 0 2 2 0.0% 0.0% 0.0%
9番手 1 0 2 1 4 25.0% 25.0% 75.0%
11番手 0 0 0 2 2 0.0% 0.0% 0.0%
12番手 1 0 0 1 2 50.0% 50.0% 50.0%
13番手 0 0 0 1 1 0.0% 0.0% 0.0%

(伊吹 雅也)

有力情報馬



☆オンネマトカ(牝2歳・田中淳司厩舎)


 5月4日のデビュー戦(1,100m)を勝利した後は5、8着とひと息の競馬が続いているが、南関東の牡馬三冠・羽田盃(大井)を制したトランセンデンスの半妹という血統と、楽な手応えで800m49秒3という好時計をマークした能力検査(4月7日)の内容から、ここで終わるような素質ではないのは確か。父は新種牡馬・ゴールドアクターで、距離延長もプラスに働きそうだ。



☆リコシェ(牝2歳・佐々木国明厩舎)


 デビュー戦の「JRA認定スーパーフレッシュチャレンジ競走1」(4月20日)で2着に入ると、2戦目で初勝利。栄冠賞(6月28日)では小差の5着、前走のフルールカップ(7月14日)もアサクサロックの末脚に屈したが、直線で一旦は抜け出して半馬身差2着と善戦するなど、重賞でもあと一歩の走りを続けてきた。「三度目の正直」で重賞初制覇を果たせるか。



☆サヤオンニ(牝2歳・田中正二厩舎)


 米GI・ブリーダーズカップターフを制したタリスマニックの初年度産駒。重賞初挑戦となったデビュー3戦目の前走・フルールカップでは、後方2番手からゴール前に鋭く差を詰め、3着馬とはクビ差の4着と善戦した。デビュー以来ここまで、1,000m戦を続けて使われてきたが、距離が延びて道中でゆったりと運べるのは歓迎材料。自慢の末脚を生かせるか。



☆ハシレヨオトメ(牝2歳・田中淳司厩舎)


 7月21日のデビュー戦(1,100m・牝馬限定戦)は、軽快なダッシュから終始後続を寄せ付けなかった。新種牡馬である父・インカンテーションは、すでに当地門別で5頭の産駒がJRA認定を獲得。キャリア1戦、初めての1,600mと、克服すべき課題は残るものの、種牡馬としての能力をアピールする父に、産駒として初めての重賞タイトルをもたらすことができるか注目だ。



☆パワトゥザピープル(牝2歳・米川昇厩舎)


 5月12日のデビュー戦(1,100m)を力強く差し切った後は、1,200mのオープン・重賞で馬券圏外が続いているが、勝ち馬との着差は確実に近づけてきた。産駒が芝・ダートを問わず結果を出すキズナを父に持ち、母は門別で4連勝を挙げた後、南関東の牝馬三冠路線で活躍したイエスアイキャン。距離延長と強豪にもまれた経験を糧に、上位進出をもくろむ。


(五十音順、文・山下広貴)

※出走馬は8月4日現在の情報をもとにしております。



ご注意:当ページの情報は、特定の馬の応援や勝馬の示唆をするものではありません。

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