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2022.7.28(木)

ブリーダーズゴールドジュニアカップ

H11700m

レースガイド

勝負の夏、若駒たちはそれぞれの道へ

2007年、2歳戦主体のホッカイドウ競馬を活性化する目的で創設。当初は旭川競馬場・ダート1,600mの条件で行われていた。09年に門別競馬場での開催に一本化されて以降は、1,800m→内回り1,600mと距離の変遷を経て、18年の第12回より現在の1,700mで定着している。今シーズン最初の2歳中距離重賞で、JBC2歳優駿を頂点とする王道路線を占うほか、JRA・札幌競馬場で行われる2歳オープン特別・クローバー賞の選定順位を決定するという意味でも重要な一戦だ。



★「クローバー賞」(8月21日、札幌競馬場)推薦馬選考競走

★1着馬の馬主に「シニスターミニスター」の2023年種付権利を付与【スタリオンシリーズ競走】

前年ハイライト

スタート直後の先行争いを制してまずハナに立ったのはモーニングショー。2番手にシャルフジンがつけ、淡々とした流れのまま3コーナーに入ります。4コーナーでシャルフジンがモーニングショーに並びかけると、ゴール前の直線では単独先頭に。
逃げ粘った2着のモーニングショーを5馬身、後方から追い込んだダイナソーをさらに2馬身突き放す完勝で自身初の重賞制覇を果たしました。

データ分析

馬格が明暗を分けそう。過去5年の前走馬体重区分別成績を見ると、460kg未満の馬は[2-2-2-6](3着内率50.0%)、460kg以上490kg未満の馬は[2-3-2-15](3着内率31.8%)、490kg以上の馬は[1-0-1-14](3着内率12.5%)となっています。比較的小柄な馬を中心視すべきレースと言えるでしょう。

人気薄の馬が上位に食い込んだ例も多い

過去5年の単勝人気順別成績を見ると、1番人気の馬は[2-2-0-1](3着内率80.0%)、2~8番人気の馬は[3-3-5-24](3着内率31.4%)、9番人気以下の馬は[0-0-0-10](3着内率0.0%)となっています。単勝1番人気の馬がそれなりに信頼できる一方、3着以内馬15頭中7頭を単勝5番人気以下の馬が占めるなど、前評判が低かった馬の好走例も少なくありません。

表1単勝人気順別成績(過去5年)
単勝人気順 1着 2着 3着 4着以下 総数 勝率 連対率 3着内率
1番人気 2 2 0 1 5 40.0% 80.0% 80.0%
2番人気 0 1 0 4 5 0.0% 20.0% 20.0%
3番人気 0 2 0 3 5 0.0% 40.0% 40.0%
4番人気 1 0 0 4 5 20.0% 20.0% 20.0%
5番人気 0 0 3 2 5 0.0% 0.0% 60.0%
6番人気 1 0 0 4 5 20.0% 20.0% 20.0%
7番人気 0 0 2 3 5 0.0% 0.0% 40.0%
8番人気 1 0 0 4 5 20.0% 20.0% 20.0%
9番人気 0 0 0 5 5 0.0% 0.0% 0.0%
10番人気 0 0 0 4 4 0.0% 0.0% 0.0%
11番人気 0 0 0 1 1 0.0% 0.0% 0.0%
田中淳司調教師が好成績をマーク

過去5年の調教師別成績を見ると、3着以内となった回数は田中淳司調教師(5回)が単独トップ、角川秀樹調教師(3回)が単独2位、桧森邦夫調教師(2回)が単独3位となっています。なお、田中淳司調教師は3着内率も41.7%と優秀な水準に達していました。このレースとは相性が良いようです。

表2調教師別成績(過去5年)
調教師 1着 2着 3着 4着以下 総数 勝率 連対率 3着内率
角川秀樹 2 1 0 10 13 15.4% 23.1% 23.1%
田中淳司 1 1 3 7 12 8.3% 16.7% 41.7%
桧森邦夫 1 0 1 3 5 20.0% 20.0% 40.0%
川島洋人 1 0 0 2 3 33.3% 33.3% 33.3%
佐々木国明 0 1 0 1 2 0.0% 50.0% 50.0%
米川昇 0 1 0 1 2 0.0% 50.0% 50.0%
田中正二 0 0 1 1 2 0.0% 0.0% 50.0%
その他の調教師 0 1 0 10 11 0.0% 9.1% 9.1%
外寄りの枠に入った馬が優勢

過去5年の枠番別成績を見ると、1~5枠の馬は[2-1-2-18](3着内率21.7%)、6~8枠の馬は[3-4-3-17](3着内率37.0%)となっています。なお、2018年以降の過去4年に限ると、1~5枠の馬は[2-0-1-15](3着内率16.7%)、6~8枠の馬は[2-4-3-13](3着内率40.9%)でした。外寄りの枠に入った馬を高く評価すべきでしょう。

表3枠番別成績(過去5年)
枠番別成績 1着 2着 3着 4着以下 総数 勝率 連対率 3着内率
1枠 0 0 2 3 5 0.0% 0.0% 40.0%
2枠 1 0 0 4 5 20.0% 20.0% 20.0%
3枠 0 0 0 5 5 0.0% 0.0% 0.0%
4枠 0 1 0 2 3 0.0% 33.3% 33.3%
5枠 1 0 0 4 5 20.0% 20.0% 20.0%
6枠 1 2 0 4 7 14.3% 42.9% 42.9%
7枠 1 1 2 6 10 10.0% 20.0% 40.0%
8枠 1 1 1 7 10 10.0% 20.0% 30.0%
前走を勝ち切った馬は信頼できる

過去5年の前走着順別成績を見ると、1着の馬は[2-4-4-11](3着内率47.6%)、2着以下の馬は[3-1-1-24](3着内率17.2%)となっています。なお、前走の着順が2着以下、かつ前走のレースが栄冠賞以外だった馬は2017年以降[0-0-1-12](3着内率7.7%)とあまり上位に食い込めていません。前走を勝ち切った馬と、栄冠賞を経由してきた馬に注目したいレースです。

表4前走着順別成績(過去5年)
前走着順別成績 1着 2着 3着 4着以下 総数 勝率 連対率 3着内率
1着 2 4 4 11 21 9.5% 28.6% 47.6%
2着 0 0 0 4 4 0.0% 0.0% 0.0%
3着 0 0 0 5 5 0.0% 0.0% 0.0%
4着 1 1 0 3 5 20.0% 40.0% 40.0%
5着 0 0 0 3 3 0.0% 0.0% 0.0%
6着 1 0 0 1 2 50.0% 50.0% 50.0%
7着 0 0 0 3 3 0.0% 0.0% 0.0%
8着 0 0 0 3 3 0.0% 0.0% 0.0%
9着 1 0 0 0 1 100.0% 100.0% 100.0%
10着 0 0 0 1 1 0.0% 0.0% 0.0%
11着 0 0 1 1 2 0.0% 0.0% 50.0%

(伊吹 雅也)

有力情報馬



☆コルドゥアン(牡2歳=米川昇厩舎)


 父は11年に門別競馬場でデビューし、大井移籍後の翌年に東京ダービーを制したプレティオラス。デビューから4戦目の栄冠賞では、急遽乗り替わった石堂響騎手の手綱に応え、単勝オッズ310.1倍という低評価を覆した。祖母は1,800mのTCK女王盃(大井競馬場)など、ダートグレード競走で2着3回のオルレアン。血統と持ち前の末脚をもってすれば、距離延長も克服できるはずだ。



☆ディオスメッセージ(牡2歳=村上正和厩舎)


 5月3日の1,700m戦「JRA認定スーパーフレッシュチャレンジ競走II」を、ゴール前で力強く差し切ってデビュー勝ちを収めた。その後1,200mでの2戦は2着、8着だったが、それぞれ0秒5差、0秒4差と小差。母のウィンメッセージは、01年サンライズC1着、エーデルワイス賞・北海道2歳優駿3着と、現役時代に門別1,800m戦で活躍しており、距離延長でこそ真価を発揮できそうだ。



☆ブライトカラー(牡2歳=角川秀樹厩舎)


 6月1日のデビュー戦(1,000m)では好位の内を追走してから直線での追い比べを制し、注目の新種牡馬・マインドユアビスケッツに、父として初めての白星をもたらした。半兄のブライトフラッグは一昨年に3連勝で当レースを制覇し、大井移籍後の翌21年に東京ダービーで3着と善戦。史上初の兄弟制覇に向け、距離延長を克服できるかが争点となりそうだ。



☆ベルピット(牡2歳=角川秀樹厩舎)


 5月26日のデビュー戦(1,100m)は、2着馬に7馬身差をつけての逃げ切り。続くパール特別(6月29日)では、今回と同じ1,700mの舞台で、前を行く僚馬・オーマイグッネスをゴール前で鮮やかに差し切って連勝した。走破時計の1分47秒8は、同じ日に行われた古馬C2特別より1秒9速いもの。重賞の舞台でも、素質の高さは引けを取らない。



☆ポリゴンウェイヴ(牡2歳=田中淳司厩舎)


 3月10日の第1回能力検査で、800m47秒5の一番時計をマークした素質馬。デビューから3戦目の栄冠賞(6月28日)では、前半3ハロン34秒1というハイラップを刻みながら、勝ち馬からハナ差+アタマ差の3着に粘り込むという「負けてなお強し」の内容を示した。2度目の重賞挑戦で素質を存分にアピールし、ターフの舞台へ駒を進めるか。


(五十音順、文・山下広貴)

※出走馬は7月21日現在の情報をもとにしております。



ご注意:当ページの情報は、特定の馬の応援や勝馬の示唆をするものではありません。

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