netkeiba

2022.7.21(木)

星雲賞

H31600m

レースガイド

「速さ」と「強さ」は幾光年を超え 夏のマイル王決定戦

2004年、旭川競馬場・ダート1,600mの条件で第1回が行われる。09年の第6回から門別競馬場の2,000m戦に改められ、一時期は春季に開催時期が移行されるなどの変遷を経て、門別競馬場に内回りコースが新設された15年・第12回より、現在の内回り1,600m・夏季の開催に改められた。現在では唯一の古馬マイル重賞として行われる1戦は毎年、持久力勝負を戦い抜いてきた中距離馬と、スピードに勝る短距離馬とのせめぎ合いが見どころになっている。



★『カウントアップM(ミドル・マイル)』対象競走

★1・2着馬に「第8回旭岳賞」(9月15日、門別競馬場)の優先出走権を付与

★1着馬の馬主に「ノーブルミッション」の2023年種付権利を付与【スタリオンシリーズ競走】

前年ハイライト

クインズプルートとの先行争いを制し、1コーナーを先頭で通過したのはクラヴィスオレア。一旦はこの2頭が後続を引き離す形となったものの、向正面でクインズプルートがクラヴィスオレアをかわし、単独先頭で3コーナーに入ります。
クインズプルートはそのままゴール前の直線半ばまでリードを保っていましたが、決勝線の手前で大外から一気に迫ったのが中団を追走していたクラキングス。結局最後はクビ差だけ差し切り、デビュー64戦目にして自身初の重賞制覇を果たしました。

データ分析

比較的若い世代の馬を重視した方が良さそう。過去5年の馬齢別成績を見ると、7歳以下の馬は[5-4-4-13](3着内率50.0%)、8歳以上の馬は[0-1-1-11](3着内率15.4%)となっています。2021年は8歳のクインズプルートが2着に食い込んだものの、極端な高齢馬はあまり強調できません。

5番人気以下の馬は不振

過去5年の単勝人気順別成績を見ると、4番人気以内の馬は[5-5-4-6](3着内率70.0%)、5番人気以下の馬は[0-0-1-18](3着内率5.3%)となっています。単勝5番人気以下だったにもかかわらず3着以内となったのは、2017年3着のクラバズーカーのみ。前評判の高い馬を素直に中心視したいところです。

表1単勝人気順別成績(過去5年)
単勝人気順 1着 2着 3着 4着以下 総数 勝率 連対率 3着内率
1番人気 4 1 0 0 5 80.0% 100.0% 100.0%
2番人気 0 1 1 3 5 0.0% 20.0% 40.0%
3番人気 0 0 2 3 5 0.0% 0.0% 40.0%
4番人気 1 3 1 0 5 20.0% 80.0% 100.0%
5番人気 0 0 0 5 5 0.0% 0.0% 0.0%
6番人気 0 0 1 4 5 0.0% 0.0% 20.0%
7番人気 0 0 0 5 5 0.0% 0.0% 0.0%
8番人気 0 0 0 2 2 0.0% 0.0% 0.0%
9番人気 0 0 0 1 1 0.0% 0.0% 0.0%
10番人気 0 0 0 1 1 0.0% 0.0% 0.0%
好走例の多いジョッキーに注目

過去5年の騎手別成績を見ると、3着以内となった回数が2回以上なのは、阿部龍騎手・石川倭騎手・小野楓馬騎手・桑村真明騎手・服部茂史騎手・宮崎光行騎手の6名となっています。
なお、阿部龍騎手は2018年から2020年にかけての3年連続で、小野楓馬騎手は2020年から2021年にかけての2年連続で、桑村真明騎手は2019年から2021年にかけての3年連続で、それぞれ3着以内に好走しました。このレースと相性が良いジョッキーはしっかりマークしておきましょう。

表2騎手別成績(過去5年)
騎手 1着 2着 3着 4着以下 総数 勝率 連対率 3着内率
阿部龍 2 0 1 2 5 40.0% 40.0% 60.0%
小野楓馬 1 1 0 0 2 50.0% 100.0% 100.0%
石川倭 1 1 0 2 4 25.0% 50.0% 50.0%
宮崎光行 1 0 1 1 3 33.3% 33.3% 66.7%
桑村真明 0 1 2 1 4 0.0% 25.0% 75.0%
服部茂史 0 1 1 1 3 0.0% 33.3% 66.7%
吉原寛人 0 1 0 0 1 0.0% 100.0% 100.0%
その他の騎手 0 0 0 17 17 0.0% 0.0% 0.0%
1800m以上のレースを経由してきた馬が中心

過去5年の前走距離別成績を見ると、1800m未満の馬は[0-1-3-16](3着内率20.0%)、1800m以上の馬は[5-4-2-8](3着内率57.9%)となっています。前走距離が1800m未満だったにもかかわらず連対を果たしたのは、2017年2着のトウカイビジョンのみ。今回より1ハロン以上長い距離のレースを経由してきた馬が優勢と見て良さそうです。

表3前走距離別成績(過去5年)
前走距離別成績 1着 2着 3着 4着以下 総数 勝率 連対率 3着内率
1000m 0 1 0 4 5 0.0% 20.0% 20.0%
1200m 0 0 2 7 9 0.0% 0.0% 22.2%
1600m 0 0 0 2 2 0.0% 0.0% 0.0%
1700m 0 0 1 3 4 0.0% 0.0% 25.0%
1800m 2 4 1 4 11 18.2% 54.5% 63.6%
2000m 3 0 0 4 7 42.9% 42.9% 42.9%
2400m 0 0 1 0 1 0.0% 0.0% 100.0%
馬格も見逃せないポイント

過去5年の前走馬体重区分別成績を見ると、520kg未満の馬は[2-0-1-20](3着内率13.0%)、520kg以上の馬は[3-5-4-4](3着内率75.0%)となっています。なお、2020年以降の過去2年に限ると、520kg未満の馬は[0-0-1-9](3着内率10.0%)、520kg以上の馬は[2-2-1-0](3着内率100.0%)でした。今年も大型馬を高く評価した方が良いかもしれません。

表4前走馬体重区分別成績(過去5年)
前走馬体重区分別成績 1着 2着 3着 4着以下 総数 勝率 連対率 3着内率
460kg台 0 0 0 1 1 0.0% 0.0% 0.0%
470kg台 1 0 0 1 2 50.0% 50.0% 50.0%
480kg台 1 0 0 3 4 25.0% 25.0% 25.0%
500kg台 0 0 1 8 9 0.0% 0.0% 11.1%
510kg台 0 0 0 7 7 0.0% 0.0% 0.0%
520kg台 1 1 1 2 5 20.0% 40.0% 60.0%
530kg台 0 2 1 1 4 0.0% 50.0% 75.0%
540kg台 1 1 0 0 2 50.0% 100.0% 100.0%
550kg台 1 0 1 1 3 33.3% 33.3% 66.7%
560kg台 0 1 1 0 2 0.0% 50.0% 100.0%

(伊吹 雅也)

有力情報馬



☆スティールペガサス(牡5歳・角川秀樹厩舎)


 今シーズンはエトワール賞(5月4日)で勝ったフジノパンサーから1馬身半差の2着、続く北海道スプリントカップ(6月2日)では、地元馬最先着の5着と善戦した。近況はスプリント戦線で実力を発揮してきたが、昨年の当レースでも勝ち馬から0秒2差3着と善戦したように、この距離も守備範囲。2歳時から3度の重賞2着を重ねてきたが、今度こそ勝ち名乗りを挙げられるか。



☆グリントビート(牡5歳・川島洋人厩舎)


 今年初戦こそ僅差の2着に敗れたものの、その後は3戦3勝。2走前のさまにオープン(6月1日)では4頭の重賞ウイナーを退け、前走のオープン特別「楽天競馬ポイント10%還元特別」(6月23日)では、移籍後初めての内回りコースにも対応した。昨年秋の瑞穂賞は5着だったが、上位勢とは小差。連勝の勢いに乗り、2度目の重賞挑戦で初めてのタイトル獲得を狙う。



☆マイネルシスネロス(牡5歳・佐久間雅貴厩舎)


 昨年7月のC1条件特別・アニマルキングダム賞を鮮やかに逃げ切り、今回と同じ門別1,600mのレコードタイムを0秒7更新(1分39秒1)した。再転入初戦の「日高地区測量設計協会特別」(6月15日)は当地初めてのA級戦ながら、2番手から力強く抜け出して後続を完封。重賞挑戦は初めてだが、持ち前のスピードと持久力を武器に、強豪に立ち向かう。



☆クラキングス(牡8歳・村上正和厩舎)


 昨年の当レースは、逃げたクインズプルートをゴール前でわずかに捕らえ、キャリア65戦目にして初めての重賞タイトル獲得を果たした。今シーズンもコスモバルク記念(4月21日)、準重賞さまにオープン(6月1日)でそれぞれ3着に入るなど、8歳に入っても衰えはみられない様子。堅実味のある末脚を生かし、当レース4頭目の連覇をもくろむ。



☆バンカブルスター(セン6歳・黒川智貴厩舎)


 今年に入ってからはコスモバルク記念(4月21日)で2馬身差2着、赤レンガ記念で3着と、重賞戦線でもあと一歩の走りを続けてきた。最近は好位で控える形が板につきつつあり、レースぶりがますます進化しつつある印象。3歳時に当地でデビュー以来、12の白星を積み重ねた「生え抜き馬」が、悲願の重賞タイトル獲得となるか。


(五十音順、文・山下広貴)

※出走馬は7月15日現在の情報をもとにしております。



ご注意:当ページの情報は、特定の馬の応援や勝馬の示唆をするものではありません。

レース一覧へ