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2022.7.14(木)

フルールカップ

H31000m

レースガイド

勝負の夏 乙女の才能が花開く

2014年、「2歳馬の番組を充実させる」という観点で創設され、第1回から第6回までは、本競走創設と同じ年に牝馬限定重賞に改められたブリーダーズゴールドカップのアンダーカードとして施行されていた。エーデルワイス賞を頂点とする、ホッカイドウ競馬の2歳牝馬重賞戦線の開幕戦。2歳重賞では唯一、1,000mを舞台に行われる1戦は、激戦を勝ち抜いてきた乙女たちのスピード比べに注目だ。



★1着馬の馬主に「アメリカンペイトリオット」の2023年種付権利を付与【スタリオンシリーズ競走】

前年ハイライト

好スタートを決めたスティールノーヴァらとの先行争いを制し、まず先頭に立ったのはスティールルージュ。2番手につけたアマクミナイデヨらを引き離し、単独先頭のまま4コーナーを通過します。ゴールの手前で中団から伸びてきたエイシンヌプリが先頭に迫ったものの、結局スティールルージュがクビ差だけ凌いで逃げ切り勝ち。初勝利を収めたデビュー3戦目から3連勝で自身初の重賞制覇を果たしました。

データ分析

枠順が明暗を分ける可能性もありそう。過去5年の枠番別成績を見ると、1~7枠の馬は[5-5-5-28](3着内率34.9%)、8枠の馬は[0-0-0-10](3着内率0.0%)となっています。極端に外寄りの枠を引いた馬は、苦戦する可能性が高いと見るべきでしょう。

上位人気馬はそれなりに堅実だが……

 過去5年の単勝人気順別成績を見ると、3番人気以内の馬は[3-2-4-6](3着内率60.0%)、4番人気以下の馬は[2-3-1-32](3着内率15.8%)となっています。上位人気グループの馬はまずまず優秀な成績を収めていますが、人気薄の伏兵が上位に食い込んだ例も少なくありません。

表1単勝人気順別成績(過去5年)
単勝人気順 1着 2着 3着 4着以下 総数 勝率 連対率 3着内率
1番人気 2 1 1 1 5 40.0% 60.0% 80.0%
2番人気 1 0 1 3 5 20.0% 20.0% 40.0%
3番人気 0 1 2 2 5 0.0% 20.0% 60.0%
4番人気 0 0 0 5 5 0.0% 0.0% 0.0%
5番人気 0 1 0 4 5 0.0% 20.0% 20.0%
6番人気 1 0 0 4 5 20.0% 20.0% 20.0%
7番人気 0 1 0 4 5 0.0% 20.0% 20.0%
8番人気 0 0 0 5 5 0.0% 0.0% 0.0%
9番人気 1 1 0 3 5 20.0% 40.0% 40.0%
10番人気 0 0 0 4 4 0.0% 0.0% 0.0%
11番人気 0 0 0 3 3 0.0% 0.0% 0.0%
12番人気 0 0 1 0 1 0.0% 0.0% 100.0%
勝利数が多いのは角川秀樹調教師・田中淳司調教師

過去5年の調教師別成績を見ると、3着以内となった回数が3回以上なのは、角川秀樹調教師・田中淳司調教師の2名となっています。なお、第1回からの調教師別の通算勝利数を見ると、4勝の田中淳司調教師が単独トップ、3勝の角川秀樹調教師が単独2位でした。いずれもこのレースとは相性が良いトレーナーと言えそうです。

表2調教師別成績(過去5年)
調教師 1着 2着 3着 4着以下 総数 勝率 連対率 3着内率
角川秀樹 2 1 1 7 11 18.2% 27.3% 36.4%
田中淳司 2 1 0 8 11 18.2% 27.3% 27.3%
小野望 1 0 1 5 7 14.3% 14.3% 28.6%
小国博行 0 1 0 1 2 0.0% 50.0% 50.0%
田中正二 0 1 0 2 3 0.0% 33.3% 33.3%
齊藤正弘 0 1 0 1 2 0.0% 50.0% 50.0%
米川昇 0 0 1 1 2 0.0% 0.0% 50.0%
その他の調教師 0 0 2 13 15 0.0% 0.0% 13.3%
前走時点での人気もポイント

過去5年の前走単勝人気順別成績を見ると、1番人気の馬は[3-3-1-9](3着内率43.8%)、2~5番人気の馬は[2-1-4-19](3着内率26.9%)、6番人気以下の馬は[0-1-0-10](3着内率9.1%)となっています。臨戦過程を比較する際は、前走時点での人気にも注目しておくべきでしょう。

表3前走単勝人気順別成績(過去5年)
前走単勝人気順 1着 2着 3着 4着以下 総数 勝率 連対率 3着内率
1番人気 3 3 1 9 19 18.8% 37.5% 43.8%
2番人気 1 0 0 7 8 12.5% 37.5% 43.8%
3番人気 0 1 1 4 6 0.0% 16.7% 33.3%
4番人気 0 0 2 4 6 0.0% 0.0% 33.3%
5番人気 1 0 1 4 6 16.7% 16.7% 33.3%
6番人気 0 0 0 2 2 0.0% 0.0% 0.0%
7番人気 0 0 0 3 3 0.0% 0.0% 0.0%
8番人気 0 0 0 2 2 0.0% 0.0% 0.0%
9番人気 0 0 0 1 1 0.0% 0.0% 0.0%
10番人気 0 0 0 2 2 0.0% 0.0% 0.0%
11番人気 0 1 0 0 1 0.0% 100.0% 100.0%
前走の最終コーナーを先頭で通過した馬が中心

過去5年の前走最終コーナー通過順別成績を見ると、1番手の馬は[2-5-3-17](3着内率37.0%)、2~6番手の馬は[3-0-2-17](3着内率22.7%)、7番手以下の馬は[0-0-0-4](3着内率0.0%)となっています。なお、2021年は前走の最終コーナーを1番手で通過した6頭のうち3頭が1~3着を占めました。直近のパフォーマンスを比較する際は、脚質もチェックしておきたいところです。

表4前走最終コーナー通過順別成績(過去5年)
前走最終コーナー通過順 1着 2着 3着 4着以下 総数 勝率 連対率 3着内率
1番手 2 5 3 17 27 7.4% 25.9% 37.0%
2番手 1 0 0 5 6 16.7% 16.7% 16.7%
3番手 0 0 1 5 6 0.0% 0.0% 16.7%
4番手 1 0 0 5 6 16.7% 16.7% 16.7%
5番手 0 0 1 1 2 0.0% 0.0% 50.0%
6番手 1 0 0 1 2 0.0% 0.0% 50.0%
7番手 0 0 0 1 1 0.0% 0.0% 0.0%
8番手 0 0 0 2 2 0.0% 0.0% 0.0%
10番手 0 0 0 1 1 0.0% 0.0% 0.0%

(伊吹 雅也)

有力情報馬



☆オンネマトカ(牝2歳・田中淳司厩舎)


 5月4日のデビュー戦は、本来は不向きといえるタフな馬場でも軽快に逃げ切り、前評判通りの走りを見せた。父は新種牡馬・ゴールドアクターで、半兄は門別競馬場でデビュー後JBC2歳優駿で2着に入り、浦和へ移籍後に羽田盃(大井競馬場)を制したトランセンデンス。良血馬が重賞の舞台で花開くか、注目の1戦だ。



☆ゴッドメリフルアス(牝2歳・角川秀樹厩舎)


 4月27日のデビュー戦を2馬身半差の快勝。2戦目の「JRA認定ウィナーズチャレンジ1競走」(6月2日)こそ最下位7着に敗れたが、続く2歳オープン(6月29日)を、勝ち時計1分00秒3という上々の時計で逃げ切った。登録メンバー中唯一の2勝馬で、勝ち鞍はいずれも1,000m戦。経験とダッシュ力という武器があれば、重賞の舞台でも臆することはないだろう。



☆サワヤカローズ(牝2歳・米川昇厩舎)


 4月7日の能力検査では、800m49秒4の好時計で1位入線。1,700mのデビュー戦(5月31日)は距離が長かった印象だが、距離を1,200mに短縮した2戦目・JRA認定アタックチャレンジ競走(6月22日)では、8馬身差の圧勝劇を演じて変わり身を示した。3歳上の半兄は、19年にブリーダーズゴールドジュニアカップを制したヨハネスボーイ。兄に続き、ここ門別で重賞Vを飾れるか。



☆ラビュリントス(牝2歳・田中淳司厩舎)


 5月4日のデビュー戦こそ、勝ち馬の末脚に屈して2着と惜敗したものの、続くJRA認定アタックチャレンジ競走(5月18日)では3馬身差の快勝と、型通りの変わり身を示した。6月に大井競馬場で地方競馬通算1,000勝を達成した本田正重騎手(船橋)がスポット参戦。ますます勢いに乗る鞍上をパートナーに迎え、重賞制覇をもくろむ。



☆リコシェ(牝2歳・佐々木国明厩舎)


 栄冠賞では後方2番手という位置取りだったが、勝ち馬から0秒2差まで追い上げ、戦法の幅を広げた印象だ。母のユーリカは14年の川崎スパーキングスプリントをレコード勝ちするなど、1,200mまでの距離で9勝を挙げたスプリンター。本馬も今回の舞台・1,000mで2.1着と活躍しており、快速馬の血が重賞で花開くか注目される。


(五十音順、文・山下広貴)

※出走馬は7月7日現在の情報をもとにしております。



ご注意:当ページの情報は、特定の馬の応援や勝馬の示唆をするものではありません。

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