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2022.7.5(火)

グランシャリオ門別スプリント

H21000m

レースガイド

まばゆい光の先に見える、「ワンターン王」の称号を目指して

2011年に創設された地方競馬スーパースプリントシリーズの、北海道地区(15年までは東北地区も対象)のトライアル戦として、同年に創設。当初はオープン特別であったが、15年にH3重賞として第1回が行われ、20年にはH2格に格上げされた。
ホッカイドウ競馬では現在唯一の、1,000mの距離を舞台に行われる古馬重賞。わずか60秒前後で決着するスピード勝負は、スタートからゴールまで瞬き厳禁だ。



★『スーパースプリントシリーズ2022』対象競走

★『カウントアップS(スプリント)』対象競走

★1着馬に「第12回習志野きらっとスプリント」(7月26日、船橋競馬場)の優先出走権を付与

★1着馬の生産牧場に「タワーオブロンドン」の2023年種付権利を付与【スタリオンシリーズ競走】

前年ハイライト

好スタートを決めたアザワクがそのまま先手を奪い、2番手を追走したグレイトダージーとともに後続を少しずつ引き離しながら3~4コーナーへ。4コーナーでアザワクがグレイトダージーを突き放し、ゴール前の直線では独走態勢に入ります。
中団を追走していたメイショウアイアンとニットウスバルがゴール直前で迫ったものの、結局アザワクがメイショウアイアンに1馬身の差をつけて入線。2020年に続く当レース連覇を達成しました。

データ分析

過去5年の3着以内馬15頭中14頭は、前走出走頭数が10頭以上です。一方、前走出走頭数が9頭以下だった馬は[1-0-0-13](3着内率7.1%)と安定感を欠いています。3着以内となったのは2017年1着のタイセイバンデットが最後。少頭数のレースを経由してきた馬は評価を下げるべきでしょう。

上位人気馬が堅実

過去5年の単勝人気順別成績を見ると、4番人気以内の馬は[5-4-3-8](3着内率60.0%)、5~8番人気の馬は[0-1-2-17](3着内率15.0%)、9番人気以下の馬は[0-0-0-16](3着内率0.0%)となっています。単勝1番人気の支持を集めた馬がすべて3着以内に好走していることからも、前評判の高い馬は大きく崩れる可能性が低いと見て良さそうです。

表1単勝人気順別成績(過去5年)
単勝人気順 1着 2着 3着 4着以下 総数 勝率 連対率 3着内率
1番人気 2 2 1 0 5 40.0% 80.0% 100.0%
2番人気 2 0 0 3 5 40.0% 40.0% 40.0%
3番人気 1 1 1 2 5 20.0% 40.0% 60.0%
4番人気 0 1 1 3 5 0.0% 20.0% 40.0%
5番人気 0 1 0 4 5 0.0% 20.0% 20.0%
6番人気 0 0 0 5 5 0.0% 0.0% 0.0%
7番人気 0 0 1 4 5 0.0% 0.0% 20.0%
8番人気 0 0 1 4 5 0.0% 0.0% 20.0%
9番人気 0 0 0 4 4 0.0% 0.0% 0.0%
10番人気 0 0 0 4 4 0.0% 0.0% 0.0%
11番人気 0 0 0 3 3 0.0% 0.0% 0.0%
12番人気 0 0 0 3 3 0.0% 0.0% 0.0%
13番人気 0 0 0 2 2 0.0% 0.0% 0.0%
田中淳司調教師が好成績をマーク

過去5年の調教師別成績を見ると、3着以内となった回数が2回以上なのは、角川秀樹調教師・佐久間雅貴調教師・田中淳司調教師の3名となっています。
特に田中淳司調教師は、タイセイエクレール・タイセイバンデット・メイショウアイアンの3頭が3着以内に好走しているうえ、3着内率も50.0%と優秀な水準に達していました。2015~2016年のグランシャリオ門別スプリントでも田中淳司調教師の管理馬が3着以内に好走していましたし、当レースと非常に相性が良いトレーナーと言えるでしょう。

表2調教師別成績(過去5年)
調教師 1着 2着 3着 4着以下 総数 勝率 連対率 3着内率
田中淳司 2 3 2 7 14 14.3% 35.7% 50.0%
角川秀樹 2 0 0 0 2 100.0% 100.0% 100.0%
廣森久雄 1 0 0 2 3 33.3% 33.3% 33.3%
佐久間雅貴 0 1 1 5 7 0.0% 14.3% 28.6%
小野望 0 1 0 3 4 0.0% 25.0% 25.0%
安田武広 0 0 1 1 2 0.0% 0.0% 50.0%
田中正二 0 0 1 2 3 0.0% 0.0% 33.3%
その他の調教師 0 0 0 21 21 0.0% 0.0% 0.0%
5歳以下の馬は不振

過去5年の馬齢別成績を見ると、5歳以下の馬は[2-0-0-16](3着内率11.1%)、6歳以上の馬は[3-5-5-25](3着内率34.2%)となっています。馬齢が5歳以下だったにもかかわらず3着以内となったのは、2020年1着・2021年1着のアザワクだけです。比較的若い世代の馬は過信禁物と見ておいた方が良いかもしれません。

表3馬齢別成績(過去5年)
馬齢別成績 1着 2着 3着 4着以下 総数 勝率 連対率 3着内率
3歳 1 0 0 1 2 50.0% 50.0% 50.0%
4歳 1 0 0 7 8 12.5% 12.5% 12.5%
5歳 0 0 0 8 8 0.0% 0.0% 0.0%
6歳 1 1 2 8 12 8.3% 16.7% 33.3%
7歳 1 1 2 4 8 12.5% 25.0% 50.0%
8歳 0 1 0 11 12 0.0% 8.3% 8.3%
9歳 1 0 1 1 3 33.3% 33.3% 66.7%
10歳 0 1 0 1 2 0.0% 50.0% 50.0%
11歳 0 1 0 0 1 0.0% 100.0% 100.0%
“北海道スプリントカップ組”と前走好走馬が中心

過去5年の前走レース別成績を見ると、北海道スプリントカップの馬は[3-3-4-11](3着内率47.6%)、北海道スプリントカップ以外の馬は[2-2-1-30](3着内率14.3%)となっています。
ちなみに、前走レースが北海道スプリントカップ以外、かつ前走着順が3着以下だった馬は[0-0-0-23](3着内率0.0%)と上位に食い込めていませんでした。今年もダートグレード競走の北海道スプリントカップを経由してきた馬や、前走の着順が良かった馬を素直に重視すべきでしょう。

表4前走レース別成績(過去5年)
前走レース別成績 1着 2着 3着 4着以下 総数 勝率 連対率 3着内率
北海道スプリントカップ 3 3 4 11 21 14.3% 28.6% 47.6%
北海道スプリントカップ以外 2 2 1 30 35 5.7% 11.4% 14.3%

(伊吹 雅也)

有力情報馬



☆アザワク(牝5歳・角川秀樹厩舎)


 前走の北海道スプリントカップ(6月2日)は勝ったダンシングプリンスに先手を奪われ、自分自身のリズムをつかめず失速してしまったが、あれが本来の姿ではないのは明らかだ。門別1,000mでの戦績は6戦6勝と、コース相性では他メンバーの追随を許さない。当レース史上初めての3連覇に向けて、ここも持ち前の快速を生かすのみだ。


☆ウワサノコウタロウ(牡6歳・佐久間雅貴厩舎)


 門別競馬場でデビューし、これまでのキャリア43戦中42戦を1,200mの舞台で戦ってきた。これまでに9勝を挙げているが、昨年秋のウポポイオータムスプリント、今年2戦目のエトワール賞(5月4日)でそれぞれ5着に入着するなど、重賞戦線でもあと一歩の走り。初めての1,000m戦が契機となって、重賞の舞台で前進を果たせるか注目だ。


☆グレイトダージー(牡5歳・佐久間雅貴厩舎)


 2歳5月にデビュー以来、ずっとホッカイドウ競馬に在籍してきた「生え抜き馬」で、ここまで13の勝ち星を積み上げてきた。重賞競走にはここまで4度出走して7着が最高、昨年の当レースも3番人気ながら7着と消化不良の結果に終わったが、今季はブリンカー着用の効果もあってかオープン特別を2連勝。充実ぶりがうかがえる今なら、通用する可能性は十分だ。


☆ケイアイサクソニー(牡6歳・安田武広厩舎)


 今シーズンよりJRAからホッカイドウ競馬に転入。それから3戦は白星にこそ至らないものの、6、4、2着と徐々に着順を上げ、当地の水にも少しずつ慣れてきた印象だ。母の半兄・ケイアイユニコーンは当レースの第2回覇者で、自身も昨年新潟直線芝1,000mのオープン・韋駄天ステークスで2着の実績。何よりもスピードが求められる条件で、覚醒の可能性も十分に考えられる。


☆ヒラソール(セン6歳・松本隆宏厩舎)


 祖母はエリザベス女王杯を制したリンデンリリー。JRA所属時は3歳秋?4歳時に3連勝するなど活躍し、オープンクラスでも揉まれてきた。大井競馬から転入後4戦目の寿都町特産品バジル焼酎特別(6月2日)では、大外から直線で豪快に差し切って当地初勝利。1,000mの距離は初めてだが、強敵と戦ってきた経験を基に、重賞初制覇を狙う1戦だ。



(五十音順、文・山下広貴)

※出走馬は6月30日現在の情報をもとにしております。

ご注意:当ページの情報は、特定の馬の応援や勝馬の示唆をするものではありません。

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