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2022.6.28(火)

栄冠賞

H21200m

レースガイド

世代最初の栄冠を目指して 日本一早い2歳重賞

1976年、札幌競馬場・ダート1200mの距離で第1回が行われる。わが国で最も早く2歳戦が行われるホッカイドウ競馬で、全国に先立って行われる2歳重賞として親しまれている1戦で、2012年の第37回からは、JRA・函館2歳ステークス〔GIII〕への出走権が優勝馬に与えられている。昨年は出走メンバーの14頭中、勝ち馬を除いても5頭がのちに地方重賞を勝利、1頭がJRAのレースで白星を挙げており、全国で活躍するスター候補を探すという意味でも大いに注目が集まるレースだ。



★1着馬に「第54回函館2歳ステークス」(7月16日、JRA函館競馬場)の出走権を付与

★1着馬の馬主に「モズアスコット」の2023年種付権利を付与【スタリオンシリーズ競走】

前年ハイライト

レースの序盤にまずハナを切ったのはラブミードール。これにシャルフジン、プライルードらが続き、4コーナーではこの3頭が横一線に並びました。ゴール前の直線半ばでプライルードが抜け出しを図ったものの、ここでその内から伸びてきたのが先団を追走していたモーニングショー。
最後はプライルードらに1馬身の差をつけ、日本国内でもっとも早く施行される2歳重賞を制しています。

データ分析

過去5年の前走距離別成績を見ると、1200m未満の馬は[2-2-2-20](3着内率23.1%)、1200mの馬は[3-3-3-30](3着内率23.1%)と、まったくの互角です。ただし、前走がオープンクラスのレースだった馬を除くと、1200m未満の馬は[2-2-2-20](3着内率23.1%)、1200mの馬は[1-1-0-13](3着内率13.3%)となっていました。
新馬や未勝利を勝ち上がったばかりの馬に関しては、前走が今回より短い距離のレースだった馬を重視すべきでしょう。

波乱の決着は少ない

過去5年の単勝人気順別成績を見ると、5番人気以内の馬は[5-4-4-12](3着内率52.0%)、6番人気以下の馬は[0-1-1-38](3着内率5.0%)となっています。2021年は単勝7番人気のレディーアーサーが3着に食い込んだものの、まずは上位人気グループの馬に注目した方が良さそうです。

表1単勝人気順別成績(過去5年)
単勝人気順 1着 2着 3着 4着以下 総数 勝率 連対率 3着内率
1番人気 1 1 0 3 5 20.0% 40.0% 40.0%
2番人気 2 1 1 1 5 40.0% 60.0% 80.0%
3番人気 0 2 2 1 5 0.0% 40.0% 80.0%
4番人気 0 0 1 4 5 0.0% 0.0% 20.0%
5番人気 2 0 0 3 5 40.0% 40.0% 40.0%
6番人気 0 0 0 5 5 0.0% 0.0% 0.0%
7番人気 0 0 1 4 5 0.0% 0.0% 20.0%
8番人気 0 0 0 5 5 0.0% 0.0% 0.0%
9番人気 0 0 0 5 5 0.0% 0.0% 0.0%
10番人気 0 0 0 5 5 0.0% 0.0% 0.0%
11番人気 0 0 0 5 5 0.0% 0.0% 0.0%
12番人気 0 0 0 4 4 0.0% 0.0% 0.0%
13番人気 0 1 0 3 4 0.0% 25.0% 25.0%
14番人気 0 0 0 2 2 0.0% 0.0% 0.0%
相性が良いのは角川秀樹厩舎

過去5年の調教師別成績を見ると、3着以内となった回数が3回以上だった現役トレーナーは、角川秀樹調教師・田中淳司調教師の2名となっています。ちなみに、過去全46回の調教師別勝利数を見ると、7勝の角川秀樹調教師が単独トップとなっており、その他の現役トレーナーはいずれも2勝以下でした。今年も角川秀樹調教師の管理馬が出走してきたら見逃せません。

表2調教師別成績(過去5年)
調教師 1着 2着 3着 4着以下 総数 勝率 連対率 3着内率
角川秀樹 2 1 0 10 13 15.4% 23.1% 23.1%
田中淳司 1 2 2 11 16 6.3% 18.8% 31.3%
川島洋人 1 0 0 2 3 33.3% 33.3% 33.3%
松本隆宏 0 1 1 5 7 0.0% 14.3% 28.6%
村上正和 0 0 1 1 2 0.0% 0.0% 50.0%
その他の騎手 1 1 1 21 24 4.2% 8.3% 12.5%
内外極端な枠に入った馬は過信禁物

過去5年の馬番別成績を見ると、1~4番の馬は[0-1-0-19](3着内率5.0%)、5~11番の馬は[5-3-5-22](3着内率37.1%)、12~16番の馬は[0-1-0-9](3着内率10.0%)となっています。内寄りの枠に入った馬は評価を下げた方が良さそうですし、多頭数となった場合は極端な外枠を引いた馬も扱いに注意するべきでしょう。

表3馬番別成績(過去5年)
馬番別成績 1着 2着 3着 4着以下 総数 勝率 連対率 3着内率
1番 0 1 0 4 5 0.0% 20.0% 20.0%
2番 0 0 0 5 5 0.0% 0.0% 0.0%
3番 0 0 0 5 5 0.0% 0.0% 0.0%
4番 0 0 0 5 5 0.0% 0.0% 0.0%
5番 1 0 2 2 5 20.0% 20.0% 60.0%
6番 1 0 0 4 5 20.0% 20.0% 20.0%
7番 2 1 0 2 5 40.0% 60.0% 60.0%
8番 0 0 1 4 5 0.0% 0.0% 20.0%
9番 1 0 1 3 5 20.0% 20.0% 40.0%
10番 0 1 0 4 5 0.0% 20.0% 20.0%
11番 0 1 1 3 5 0.0% 20.0% 40.0%
12番 0 0 0 4 4 0.0% 0.0% 0.0%
13番 0 0 0 4 4 0.0% 0.0% 0.0%
14番 0 1 0 1 2 0.0% 50.0% 50.0%
馬格と臨戦過程がポイント

過去5年の前走馬体重区分別成績を見ると、470kg未満の馬は[1-3-2-25](3着内率19.4%)、470kg以上の馬は[4-2-3-25](3着内率26.5%)となっています。
なお、前走がオープンクラスのレースだった馬を除くと、470kg未満の馬は[1-1-0-18](3着内率10.0%)、470kg以上の馬は[2-2-2-15](3着内率28.6%)となっていました。新馬や未勝利を勝ち上がったばかりの馬に関しては、馬格のある馬を高く評価したいところです。

表4前走馬体重区分別成績(過去5年)
前走馬体重 1着 2着 3着 4着以下 総数 勝率 連対率 3着内率
410kg台 0 0 0 1 1 0.0% 0.0% 0.0%
420kg台 0 0 0 1 1 0.0% 0.0% 0.0%
430kg台 0 0 0 5 5 0.0% 0.0% 0.0%
440kg台 1 1 1 4 7 14.3% 28.6% 42.9%
450kg台 0 1 1 7 9 0.0% 11.1% 22.2%
460kg台 0 1 0 7 8 0.0% 12.5% 12.5%
470kg台 2 0 0 6 8 25.0% 25.0% 25.0%
480kg台 1 0 1 9 11 9.1% 9.1% 18.2%
490kg台 0 1 0 6 7 0.0% 14.3% 14.3%
500kg台 0 0 1 3 4 0.0% 0.0% 25.0%
510kg台 0 1 0 0 1 0.0% 100.0% 100.0%
520kg台 1 0 1 0 2 50.0% 50.0% 100.0%
540kg台 0 0 0 1 1 0.0% 0.0% 0.0%

(伊吹 雅也)

有力情報馬



☆スティールグレイス(牝2歳・角川秀樹厩舎)


 4月28日のデビュー戦(1,100m)、直線入り口で先頭に立つとそのまま抜け出して5馬身差の圧勝。続く「JRA認定ウィナーズチャレンジI競走」(6月2日)では直線の激しい追い比べを制した。登録メンバー中唯一の2勝馬。13年にブリーダーズゴールドカップを制した父・ハタノヴァンクールのように、門別の夜空で脚光を浴びる存在となるか。



☆ポリゴンウェイヴ(牡2歳・田中淳司厩舎)


 3月10日に行われた第1回能力検査・15Rで、800m47秒5という破格の時計をマーク。4月20日に行われた「JRA認定スーパーフレッシュチャレンジ競走I」では、スタートでつまずく不利から挽回し、今年の2歳世代で初めての勝ち名乗りを挙げた。デビュー前から示した非凡な素質を生かし、前走・ウィナーズChI競走2着からの巻き返しを図る。



☆ディオスメッセージ(牡2歳・村上正和厩舎)


 1,700mの「JRA認定スーパーフレッシュチャレンジ競走II」(5月3日)を、ゴール前力強く差し切ってデビュー勝ち。続く「JRA認定ウィナーズチャレンジ競走II」(6月15日)は中団待機策からしぶとく差を詰めての2着で、1,200mにも対応した。母のウィンメッセージは01年にサンライズCを勝利し、続く北海道2歳優駿(当時)も3着と好走。母子2代での門別重賞制覇をもくろむ。



☆ラビアータ(牝2歳・安田武広厩舎)


 1,100mのデビュー戦(5月19日)は、持ち前の速力をフルに生かして2着馬に4馬身差をつけた。父は昨年のファーストシーズンサイアーランキング(総合)1位に輝き、今年の皐月賞馬・ジオグリフを送り出したドレフォンで、半兄は14年北海道スプリントカップを制したアドマイヤサガス、半姉は一昨年のGIIIファルコンSを勝利したシャインガーネット。良血馬が重賞の舞台で覚醒するか。



☆レモンアイカー(牝2歳・角川秀樹厩舎)


 1,000mのデビュー戦(5月25日)は好スタートから後続を寄せ付けず、2着馬に2馬身差、3着馬に2秒以上の差をつけた。父は現役時代に香港ヴァーズ・宝塚記念とGI2勝を挙げ、今年産駒がデビューしたサトノクラウン。16年バンドオンザラン(父スズカコーズウェイ)以来の「新種牡馬の産駒による栄冠賞V」で、父の評判をさらに広められるか注目だ。


(五十音順、文・山下広貴)

※出走馬は6月23日現在の情報をもとにしております。



ご注意:当ページの情報は、特定の馬の応援や勝馬の示唆をするものではありません。

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